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谷光高

ゴルフの楽しさを多くの人に伝えるゴルフ場経営者

谷光高(たにみつたか) / ゴルフ場経営者

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

コラム

空前のミスショット! 史上最高額のゴルフプレー!

2015年9月22日 公開 / 2017年2月23日更新

テーマ:ゴルフの歴史やエピソード

コラムカテゴリ:趣味

故夏坂健さん著、「ゴルフの処方箋」にとんでもない事件が書かれていたので、ここで紹介したいと思います。
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これはイギリスの新聞に「ゴルフ史上、空前のミスショット」として取り上げられた事件です。この事件の悔やんでも悔やみきれない1発と比べたら、ちょっとダフったぐらい・・・、ちょっとチョロだったぐらいは、ほんの取るに足らないことです。

ゴルフ場のないベナン共和国で「ゴルフがしたい!」

事件が発生したのは1987年。アフリカのベナン共和国で起こりました。
ベナンは、西アフリカのナイジェリアとトーゴの間にある人口約1000万人の小国で、ゴルフ場はひとつとしてありません。
ベナン共和国
事件を起こしたのは、マシュー・ボイヤーという人。コットンの買付係として南アフリカに長く暮らしたあと、新天地ベナンの首都ポルトノボに居を構え、ここでたいそう精力的に仕事に取り組み、予想以上の成功を収めていました。
彼はベナンで生き甲斐に満ちた日々を送っていましたが、一つだけ不満がありました。
それは国中のどこを探してもゴルフ場がないことでした。

「ああ、ゴルフがしたい・・・・」
ゴルフしたい
部屋の隅に置かれたゴルフバッグからクラブを抜き出してはため息・・・・。
そんな彼に、社員が素敵なアイデアを提供してくれました。

「空軍基地に続く草原がありますよね。あそこなら草も短く刈ってあって、いくら遠くまで打っても大丈夫ですよ」

アフリカの大草原でフルスイング!

アフリカ大草原
早速出向いたボイヤーさん。ベナン唯一の空軍基地が使用する滑走路と並行して広大な不時着用の草原がどこまでも続いています。
その広さときたらパー5が連続5ホール、縦に並んだようなものでした。

「うわォーッ」
思わず雄叫びした彼は、すぐさま車からクラブを取り出すやいなや、たちまち“ドライバーの鬼”と化しました。
たとえスライスしようとも、白球が大空に舞い上がる光景ぐらい素晴らしいものはありません。持っているボールをすべて打ち尽くすと四方走り回ってかき集め、再びショットに熱中。

特大のスライスボールが大事故に発展!

これを繰り返していたときに事件が起こりました。
思いっきり打ったボールが途方もなく大スライス!
ボールは基地のフェンスをはるかに越え、茶色に群れた鳥の一団に突っ込んでいきました。
すると、羽根が散って群れの中から1羽が墜落しはじめました。

間の悪いことに、そのときベナン共和国が誇る新型ミラージュ戦闘機1機が、これから訓練飛行向かうべく予備滑走路をゆっくりと走っていました。
ミラージュ戦闘機
落ちてきた鳥が、風防窓を閉じる寸前に飛びこみ、閉め切られたコクピット内は大パニック!
狭いコクピット内で鳥が暴れ回り、前が見えずパイロットもパニックとなり、操縦不能となった機体は格納庫に機首を向けて滑走。走っている機体の前方には新型ミラージュ戦闘機4機が生前と並んでいました。

パイロットのヘッドフォンには「左に曲がれ!早く!」の叫び声。パイロットがその声に気付いた時にはいまや4機のミラージュと衝突寸前!
彼は夢中で緊急脱出装置レバーを引きました。

「ドカーン!!」

火柱と大音響、一瞬にしてあたりは修羅場と化しました。

事故直後、空軍司令官から「我が国の全戦闘機が焼失いたしました。これはテロ行為や外部からの攻撃の類ではありません」との報告を受けた大統領は、あまりのショックに6時間も水風呂の中から出てこなかったということです。

当時のベナン共和国には5機の戦闘機しかなく、それも乏しい財政の中からやりくりして、ようやく購入した虎の子の財産でした。

そして、大スライスを打ったボイヤーさんは、国家保安法以下、12の罪状で起訴されました。しかし、本来ならば鋭く断崖されるはずの検察側も「悪意のないことは明白。ゴルファーの9割が常習的にスライスを打つ」との説により「不可抗力」と結論付けて損害賠償のみで決着しました。

ただし、ボイヤーさんには戦闘機5機分の賠償命令が下され、全額完済までに14万5720年ほどかかるということです。

ボイヤーさんが、今現在も支払い続けているかどうかは定かではありません・・・

◆参考文献
「ゴルフ処方箋」夏坂健著:幻冬舎文庫
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