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コラム
ピン(旗竿)を抜いてから差すまでのゴルフマナーとルール
2015年8月17日 公開 / 2019年1月2日更新
ホールの一番近くにボールがある人がピンを抜く!
プレーヤー全員がパッティンググリーンに上がると、まず最初にすることはピン(旗竿)を抜くことです。
パッティンググリーンに上がれば、まず自分のボールを確かめます。と同時に、ホールの一番近くにボールがあるプレーヤーがピンを抜きます。
ゴルフは『遠球先打』ですから、ホールから一番遠くにボールのある人からプレーします。それ以外の人なら誰がピンを抜いてもよいのですが、余裕のある一番最後にパットする人がピンを抜いたり、ピンに付添ったりするのが最もスムーズであり、それがゴルフマナーとなっています。
「ピンに付添う」とは、グリーン上でホールの位置がパットする人から見えないとき、ピンをホールから少し抜いて、ホールの位置を示すように立てて持つことをいいます。
もちろんキャディーがいるときにはピンを抜くのをキャディーに任せてもよいのですが、バンカーをならしたり、カートを動かすなどの作業をしていてキャディーが間に合わないような場合が多々あります。そんな場合、キャディーを待たずに、ホールの一番近くにボールのあるプレーヤーがピンを抜くのもマナーです。
ピンを抜かねばならないことに気付かず、各々が自分のパッティングラインを読むことに必死になっていたりすると、結局、最初に打つはずの一番遠いプレーヤーが自らピンを抜くといったケースがよく見られます。
一番遠い人はすでにパットの準備を整えているはず。
他のプレーヤーは、自分のラインを読む前にすぐピンのところまで行って抜くようにしましょう。
公式競技の場合
公式競技の場合、「マッチプレーでは相手やそのキャディー、ストロークプレーでは同伴競技者やそのキャディーが、プレーヤーの許可なしに、またはプレーヤーの知らないうちに、ストローク中や球が動いている時に旗竿に付き添ったり、取り除いたり、さし上げた場合、そのような行為が球の動きに影響を与えるかも知れないときは、相手または同伴競技者は該当する罰を受ける。」となっています。プレーヤーの許可なしに勝手にピンを抜くことができません。
「ボールがピンに当たる」というルール違反
ピンを差したままでグリーン上にあるボールをパットし、そのボールがピンに当たってしまうとルール違反で2打のペナルティーとなります。もしも、ピンに付き添っていた人が故意に抜かずに、ボールがピンに当たると、打った方も、付き添っていた方も共に違反の罰を受けることになります(※マッチプレーでは付き添っていた方がそのホールの負けとなる)。
また故意でなく、何らかの事情でピンが抜けなくてボールが当たってしまった場合は、打ったプレーヤーだけがペナルティーとなります。
いずれにしても、グリーン上でのパットでボールがピンに当たった場合はルール違反となるのです。
確認してからピンを抜く
「ピンを抜く」役目の人は、遠くからパットをするプレーヤーに、ピンを抜いていいかどうかの確認をする必要があります。そして「ピンを持って欲しい」と言われたら、ピンの先だけを抜いて、先端をホールカップの壁面に沿わせるようにまっすぐに立てて、ホールの位置を示しておき、ボールを打ったらすぐにピンを持ち上げます。
この時、転がってきたボールがピンだけでなく、自分の足にも当たらないように注意しましょう。
自分のボールがホールから一番遠くにあって、その位置からホールが見えないとき、ホールから一番近いプレーヤーにピンを持ってもらうようにお願いする必要があります。
ルールでは、この依頼を断っても罰則はありません。しかし、これは大切なゴルフマナーです。
相手に遠慮して、狙う方向も分からずパットするぐらいなら、例え目上の人であっても依頼するようにしましょう。
ピンを下に置くとき
セルフプレーの場合、誰かがホールアウトするまで、抜いたピンをどこかに置かなくてはなりません。
抜いたピンはできるだけグリーンの外に置きましょう。置いたピンにパットしたボールが当たるとルール違反で2打のペナルティーとなります。絶対にボールが当たらない安全なところに置きましょう。
ピンを置くときにポイっと投げる人がいます。
「バターン!」という音とともに、その衝撃でピンの金具が壊れることもありますので、ピンは地面にそっと置くようにしてください。
最初にホールアウトした人が最後に差すためにピンを持つ
同じ組の中で、最初にホールアウトした人がピンを持ち、全員がホールアウトしたら、それをホールに差し込む係となります。これはセルフプレーであっても、キャディー付きプレーであっても同じです。
ふつう、キャディーはお客様にピンを持たせてはいけないと教育されています。
そのため、プレーヤーが「ピンを持つよ」といっても、最初は拒否するかもしれませんが、それでもピンに向かって手を出すと、「ありがとうございます」と言ってピンをお客様に渡すでしょう。
なぜならキャディーは、プレーヤーがピン持った方が、様々なことが上手くいくことをよく分かっているからです。
キャディーはピンを渡した後、プレーヤーがパットをしている間に、グリーン周囲の忘れ物がないかを確認したり、汚れたクラブの清掃ができます。さらに時間があればキャディーバッグの中のクラブの整理まででき、プレーヤーがグリーンをおりてゴルフカートまで来たら、すぐに次のホールへ進めるような準備ができます。
ピンの持ち方
ピンを持つときは、フラッグ(旗)を逆さにして、フラッグがバタつかないように竿ごと握って持つようにします。
フラッグを上にして立てて持っていると、後続の組がそれを見て、「ホールアウトした」と勘違いするかもしれないからです。またフラッグが「バタバタ」と音を立てていたら、今からパットしようとしている人の邪魔をしてしまいます。
ピンを首の後ろに横にして、物干し竿のように両手を引っかけるようにしている人もいます。この持ち方は竿を曲げてしまうかもしれないので止めてください。
待っている間、「暇だ」と言って、ピンをゴルフクラブ代わりにしてスイングの真似事をするなどはもっての外ですよ!
ピンはまっすぐ差す
全員がホールアウトして、ピンをホールに差すときは、必ず両手で持って、まっすぐ上から差すようにしてください。
ピンが斜めに傾いたままで中途半端に差すと、ホールのフチが傷んで後の組のパットに影響が出るかもしれません。
しっかり差し込んでまっすぐに立てましょう。
このようにピンを抜いてから差すまでにも、いろいろな注意が必要です。それぐらいグリーンやホール周りはデリケートであり、パッティングは、スコアにとって大切な1打なのです。
マナーやルールを守って、速やかにホールアウトするように心掛けましょう。
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