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コラム

木造住宅は寒い!これ、実は違います。

木造住宅

2018年1月25日

実家はなぜ寒いのでしょうか?木造だから??




寒さが本格化してきました。
年末年始を、故郷で過ごされた方も多かったと思います。
楽しい思い出、お孫さんに会えたて、ご両親も大変喜ばれたと思います。

しかし、楽しい思いとは裏腹に、少し憂鬱な思いも聞こえてきます。
『実家寒い・・・』『実家に行くと風邪をひく』『風呂が外より寒い』

実家から、都会に移り住んだ子供世帯が、コンクリート造のマンションの中間階・中間部屋に住んでいると、ある程度断熱性・気密性がよく、特に断熱補強をしていない木造の実家の場合『今の住まい』との熱環境差は非常に大きくなります。
マンション暮らしの子供世帯が実家に戻って『いつも通り』で過ごすと途端に風邪をひいてしまう原因がここにあります。体と習慣は『熱環境に慣れる』ということです。

こうなると、実家に帰るのは楽しみである反面不安も出てくる。これはちょっと残念。
親世帯には『なるべく、長くいてほしい』と言われるものの、『寒いのでなるべく滞在時間を短くしたい』これが滞在時間をめぐる攻防の一因じゃないかと思います。

木造住宅は暖かくない!は間違い


しかし、これは決して『実家が木造住宅だから寒い』のではありません。
木造は寒く、コンクリート造のマンションは暖かいのではなく『冷気』が部屋の中に入って来る原因がその住まいにあるから『寒い』のです。『暑さ』でも同様のことが言えますが、まずは『寒さ』から話を進めていきます。木造住宅でも『暖かい住まい』は可能で、むしろ木造住宅の方が比較的安価に『暖かい住まい』を作ることが可能です。

そしてもちろん現在『寒い木造の実家』であったとしても、暖かく生まれ変わらせることも可能です。
こうなると、
実家が暖かい木造住宅 → 不安のない楽しいお正月 → 帰省が楽しみばかり
になりませんか。

『冷気』が部屋に入ってくるメカニズムとは。


では『冷気』はどのように部屋に入ってくるのでしょうか。
これ、大きく分けると、
1、外と内を隔てる壁に隙間があって、冷気が入ってくる。よく聞く隙間風。です。
2、外と内を隔てる壁が薄くて、冷気が突き抜けてくる。
この2つが大きな理由です。

この『二つの寒さの理由』ちょっと専門的に言うと
1、の隙間は『気密』 
2、の薄さは『断熱』 聞かれたことあると思います。

この『気密』や『断熱』が、温かさや涼しさなど温度を維持するためには、非常に重要で、『寒い実家の正体』はこのいずれかに問題があることが『寒さ』の原因です。

決して、古いからでも木造住宅だからでもありません。



写真の折れ線グラフは、
お風呂に入る順に、体に触れる温度の変化を表したものです。

居間→廊下→脱衣室→浴室→湯船→再び脱衣室
と一連の流れでこれほどの温度変化があります。

ここで特筆すべきは、お風呂は着衣量が『ゼロ』になると言う事です。
脱衣室、浴室という着衣が『ゼロ』になる空間でこれほどの温度変化がある。
急激な温度変化 → 血圧変動 → ヒートショック → 脳・血管疾患
これがヒートショックのメカニズムです。

そして、浴室・脱衣室の多くは住まいの北側にあり、換気用に大きなシングルガラスの窓が付いていませんか?この窓に『冷気』を招き入れ室温が上がらない理由があります。これが、『断熱・気密』が弱い。ということです。では『北側の窓』は良くないのでしょうか?違います。北側に設置した『窓の性能』が悪いのです。
これも大切なポイントです。

北側に設けられたタイル貼りの在来浴室は下地がコンクリートブロックで作られていることが多く、これには断熱の効果がありません。そしてアルミサッシに型板ガラスが一枚の大きな窓。冬に外気に触れる金属の手すりが冷たくて触るのもためらわれるのと同様にこのアルミサッシも、冷え、ここから冷気が伝わって来ています。そして脱衣室の床や、壁ももおそらく断熱材が無いか、隙間がありその役割はほとんど果たせていないのではないかと思います。

断熱と気密は実は身近なものなんです。


では、『断熱・気密』がきちんと出来ていないとなぜ寒いのか。これには、いろんな数値基準がありますが、それは一旦置いといて、この時期お出かけ時には必須の『ダウンジャケット』で説明してみます。

ダウンジャケットには様々なモデルがあります。
・グースダウンを使った高性能登山モデル
・価格重視のタウンユースモデル どちらが暖かいでしょうか?

単純に物だけでみると高性能登山モデルの方が暖かそうです。
しかし、ジッパーが壊れて閉まらなかったら、サイズが合っていなかったらどうでしょうか?ジッパーはピチッと閉まる。サイズもキッチリのタウンユースモデル。さてどちらが暖かいでしょうか?

いくら高性能なダウンジャケットでもジッパーが閉まらないのでは、暖かさは大きく損なわれます。
閉まらないジッパーから冷気はどんどん入ってきます。体温もここから逃げていく。
購入するときに、ジッパーはもちろん、袖口、腰回りのサイズ、フィット感を試着で確認する。
『断熱』=ダウンジャケットのダウンの性能。
『気密』=ダウンジャケットが機能するための条件。
この2つがセットになって初めて暖かい。結構身近な話ではないでしょうか。

さて、先ほどの『浴室』そもそもの性能として覆う壁や窓が薄すぎますよね。隙間のある断熱材や薄すぎるサッシ。これはジッパーがしまっていないダウンジャケットであり、冬に素肌に薄いナイロンヤッケ一枚で出かけるのと同じです。外出するときは、しっかり着込んだ上からダウンジャケットを着る時期に、着衣量が『ゼロ』になる浴室で 先ほどの仕様では、どう考えても寒いです。

これが、寒さの理由です。
決して、古いからでも木造住宅だからでもありません。



そして、これらの住まいに住んでいるのは、我々の親世代高齢者が多いということなんです。
今、日本の住まいの85%は断熱不足と言われています。
ヒートショックの大きな原因はここにあるように思います。

次回は、ではどうすれば『木造住宅を暖かくできるのか?』について書いてみます。

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