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大塚謙太郎

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大塚謙太郎(おおつかけんたろう)

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コラム

「東喜連保育園」様のご紹介

保育園設計の考え方

2018年11月7日

私ども、ちびっこ計画で設計を手がけました「社会福祉法人みおつくし福祉会 東喜連保育園」様をご紹介します。

バリアをつくれ
「目の見えない子がね、眼鏡をかけるように、足が不自由な子にはエレベーターが要る。ただそれだけのこと。」障がいをもつ子どもたちを多く受け入れておられる園だったので、完全バリアフリーのプランを提案しようといしたら、いきなり園長に「却下」された。「子どもには上下の高さの変化が必要だから、段差を使った部屋にしてほしいんですよ。」幼児のフロアである2階の計画は、園長のこのことばから始まった。以上児縦割りのコーナー保育を展開する大部屋には、多彩なコーナーが設えられ、子どもたちが思い思いの遊びに没頭している。そのまわりを高台で囲み、長い座卓のある畳コーナーや午睡コーナーを置いて、長いスロープでつないだ。スヌーズレンや、天井の低い絵本のかくれが、気の散りやすい子どもたちに使いやすいブース型の座卓など、いろんな個性を持つ子どもたちが活き活きと暮らせる仕掛けをちりばめた足の不自由な子どもたちがいざりながらスロープを昇っているのを見れば、過剰なバリアフリーが如何に子どもたちの成長を妨げているかを考えざるを得ない。

失敗は成長のもと
現場定例会議での施主様とのお打ち合わせで、とてもうれしかったことがあった。障子紙の種類を決める日で、建具屋さんが、気を遣ってこ強化和紙を持ってきたのだが、破れにくすぎると園長に「却下」された。もっと破れやすい紙を持ってこいというのだ。私たちは園舎の役割のひとつに、上手に失敗をさせてあげられるということがあると考えている。打ち合わせの中で、それを力説したかどうかは覚えていないが、私達の意図に自然に共感していただけたことが、うれしかったのだ。破れてもいいところ、指を詰めてもいいところ、落っこちてもいいところ等、適切なリスクを散りばめ、失敗の先に見える成長を、見据えたものが形になった。園長は障子破り第一号の子どもの名を繕った紙の上に書き記そうと心待ちにしておられたが、先日ようやくひとつ穴が開いたそうだ。この2つの「却下」は園長の「決意」と読み替えることができる。

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