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コラム

叱りをデザインする その1

保育園設計の考え方

2018年6月27日

『叱りをデザインする』 その1

 「それは、やめてください。吹き抜けなんてもってのほかです。」  ある保育園での設計打ち合わせでのことだ。手すり越しに子どもが物を落とし、階下にいる子どもにあたって怪我でもしたら、父兄に申し訳が立たないと、園長は言った。
 私は、保育園をはじめとする子どものための建築設計に携わっているが、どの仕事でもこの手の話が出る。聞けば、近頃の父兄の中には、子どもが膝をすりむいただけでも怒鳴り込んでくる人がいるという。顔に怪我でもしようものなら、どんなかすり傷でも皮膚科(外科ではなく)へ連れて行く。傷痕をできるだけ残さないようにとの配慮なのである。
 本来保育士は、吹き抜けの手すりから物を落とそうとする子どもがいれば、それが階下のお友達にあたったらどうなるかを「叱る」ことによって考えさせ、子どもを育てていく存在であるべきだと思う。しかし、それ自体を回避しようとしてしまうのが現実だ。こんなこともあった。床に天然の杉板を使うことを提案したしたところ、「削げが刺さるから困ります。それに、子どもはすぐ汚しますから、掃除がたいへん。」と答えが返ってきた。結局、合成樹脂でコーティングされた、複合フローリングと呼ばれる工業製品を使うことになった。表面は平滑で、拭けばすぐに汚れは落ち、間違っても削げは刺さらない。しかし、本当にそれでよかったのか。
 子どもたちは、削げが刺さることで、体の痛みとともに自然素材の扱い方を学び、自ら雑巾をかけ、その労苦を知ることで、美しく使うという心を養っていく。それは自然物の「叱り」と呼べるかもしれない。こうして子どもたちは、「叱って」もらえるチャンスを少しずつ奪われていく。それは、子どもから学びを奪い、育ちを奪うということだ。

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