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舩曳泰孝

発達障害の治療と支援のプロ

舩曳泰孝(ふなびきたいこう)

生き方改革塾

コラム

大人の癇癪。アンガーマネジメント法について

発達障害支援-性格

2018年1月7日

成人の発達障害相談を受けていると、「僕こんな本を見つけたんですが」とアンガーマネジメントの本を持って来られる方が居られます。



書いてある内容は本当のことだと思うんですが、発達障害の方にその方法だと伝わらん!と思うこともしばしばあります。



今回は発達障害の方のためのアンガーマネジメントでどういう風にお伝えしているのかをお話したいと思います。



怒りを感じることは悪いことではない


アンガーマネジメント系の本に多いのは、感情を感じるレベルでのアンガーマネジメントとそれを行動に表す段階でのアンガーマネジメントです。



どのご相談でも<怒りを感じることそのものは決して悪いものではありません>とまず始めにお伝えします。というのも発達障害の方の純粋さ(融通の効かなさ?)は、アンガーマネジメントの本のまんま解釈してしまい、「怒りを感じる僕はなんてダメなやつなんだ。アンガーマネジメントすべきなんだ」ととっても偏った捉え方をしてしまいます。



捉え方をするだけならまだしも、アンガーマネジメント出来ない自分に対して、必要以上の挫折体験を感じてしまうことがあります。



もうそれならいっそのことアンガーマネジメントのことなんか知らなければいいのに!と思うこともしばしば(汗)



偏った思考は人を不幸にしますので、本来は柔軟に「へ~そんな考え方もあるんだ。次のチャンスがあったら、一回試しにやってみよっと」と思ってくれるくらいがちょうどいいです。



発達障害におけるアンガーマネジメント


発達障害における怒りは、実は一般的なアンガーマネジメントの著者が言いたいことと、原因が異なる場合があります。というか多いです。



発達障害の方が感じる怒りは、予定していた通りに行かなかったことへの怒りであったり、ADHDの方が感じておられる、衝動的に受け止めてしまい、相手の意図とは異なって伝わっていることや、これらをコントロール出来ない自分への怒りだったりするからです。



ですので、発達障害の方におけるアンガーマネジメントとは、行動レベルでの怒りの顕現(表に現れること)をコントロールすることが主たる目的になります。



得か損か


よく出てくる説明ですね(笑)

発達障害の方に説明するときにこれほど効く言葉はありません。

<あなたはこの時に、この怒りを感じて、【直接相手にひどい言葉を言ってしまった】んですね。それでどうなりましたか?>「会社だったので、周りからびっくりした目で見られましたし、その後上司からも注意を受けました。また思い過ごしかもしれないですが、周りと距離が出来た気がします」



ここまで上手に説明が出来る人は本当に発達障害か疑わしいくらいですが、軽度の発達障害、あるいは薄い発達障害の方の例と思って読んで下さい。



<じゃあそれはあなたにとって【得でしたか?損でしたか?】>「僕にとっては損だったと思います」



という言葉が出てきたらしめたものです。



あとはどういった方法を使えば、自分にとって得な状況になるか、これを一緒に考えていけばいいということになります。



怒りの感情と怒りの行動の間にストッパーを挟む


最初にお伝えしたように、怒りを感じることそのものは決して悪いものではありません。正直コントロールも出来ないと思います。なぜなら人間だから。これは発達障害の方以外でも同じだと思います。



その方の気質であったり、育ちから来る性格的なものであるなら、怒りの感情を感じることは当たり前のこととして受け止め、その上でその感情とどう距離を取るか(数値化してみたり、今もその怒りは持続しているのかしていないのかを振り返ってみたり)、そして行動までの間にどれだけたくさんのストッパーを挟めるかだとお伝えしています。



要は、自分が損をせず得をするための思考法を、

怒りの感情     ココ       怒りの行動



ココにたくさん入れて置くんです。どれがその状況に合うか分かりませんが、どれか1つでもストッパーとして機能すれば、それ以上のトラブルにはならないのですから。



目的はトラブル回避であり、怒りの感情を沈めることではありません。



腹が立って仕方ないものは仕方ないんです。



なので、「顔洗って来ます!」と言って、その場を離れるもよし、「ちょっと頭冷やして来ます!」と言って、部屋を出ていってもいいんです。



相手からしてもその場で言い合いであったり、怒鳴られたりするより、距離を一旦置いて冷静な状態の相手と話す方がきっと楽なはずですから。



まとめ


どっちが得か損かを理解した上で選択出来る状況を作りましょう。

その上で、色んな方法を一緒に考えてあげます。一方的に『お母さん、こうした方がいいと思うな~』は、表面上は「うん」と言っても、腑に落ちていないときも多々あります。



なので【一緒に考える】んです。



選択肢をたくさん用意してあげましょう。

怒りを感じる刺激から出来るだけ速やかに、可能であれば相手に離れることを宣言してから距離を取りましょう。



物理的に離れたら怒りからも一旦は距離を置けます。



大事なことは怒りの感情のコントロールではなく、怒ったときの行動のコントロールであり、そのことによるトラブル回避です。



ここを間違えないようにしましょう。



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代表 臨床心理士 舩曳 泰孝(ふなびき たいこう)

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