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中谷昭子

住む人が幸せになれるハウスコーディネートのプロ

中谷昭子(なかたにあきこ)

アンハウス株式会社

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コラム

ロの字型の中庭がある新築間取り 耐震対策のポイント

建物の中心部に設けられた中庭や吹き抜けを囲むロの字型住宅。開放感や明るさがあり、魅力的な住宅デザインのひとつです。
おしゃれな空間をデザインできる一方で、ロの字型住宅は耐震性が低いとも言われています。
しかし、新築の際にいくつかのポイントを押さえることで、ロの字型住宅の耐震性を高めることができます。

機能性とデザイン性を兼ね備えたロの字型住宅


どの部屋や廊下からもすぐにアクセスできる中庭やパティオを囲む形のロの字型住宅は、開放感があり、採光性や通風性の高まりも期待できます。

さらに隣家や道路から遮られた空間はプライバシーが保たれ、家族がくつろげるスペースにもなります。中庭・パティオは、リビングから続く子どもたちの遊び場として開放したり、趣味の庭造りを楽しんだり、暮らしに彩りを加えてくれる空間です。

ロの字型住宅は、機能面でもデザイン面でもとても魅力的で、住みやすい家になる可能性が広がります。

ロの字型住宅の耐震性

実用的かつおしゃれな共用空間を演出するロの字型住宅ですが、上から見ても横から見ても長方形をした単純な直方体の建物の形状と比較した場合、地震の大きな揺れや台風の強風に対してゆがみやねじれが生じやすく、一般的には耐震性が低いとされています。

しかし、デザインや機能面の好みや希望だけでなく、地形的な問題や土地の形状などの事情により、必ずしも長方形の家を設計できるとは限りません。その場合でもきっちり構造計算をして、基本的なポイントをしっかりと押さえることで、新築住宅の耐震性を高めることができるのです。

木造住宅の耐震性を高めるポイント

どのような形状の建物であれ、建物の基礎を固め、耐力性の高い壁をバランスよく配置し、床や屋根のねじれに対する剛性を高めることが大切です。

地震の横揺れや台風の強風など建物の横方向にかかる力に耐えるのは、柱ではなく壁であり、その壁のことを耐力壁と呼びます。壁の耐力を高める伝統的な方法は筋交いです。また、筋交いの代わりに柱と梁に構造用合板を張り付けて、面で耐力壁を作る方法もあります。

筋交いと構造合板を初めとする面材耐力壁とを組み合わせて強度を一層アップする方法もあります。耐力壁をバランスよく配置すると同時に、剛性を高めた床(剛床)を採用することで、横方向への耐性をより高めることができます。壁と床を強化することでねじれやゆがみを抑制するのです。

構造材はJAS(日本農林規格)を一つに基準に

            (右が構造用集成材。木のそりやくるいが非常に少ないのが特徴。)

木造住宅の場合、構造材の選択も重要になってきます。無垢材・集成材それぞれに長所短所があり、どちらを選ぶかはその人の考え方ですが、無垢材を選ぶにしろ、集成材を選ぶにしろ、きっちり、品質管理がなされている構造材を選ぶことが大切です。その場合、一般の皆様には、品質管理がなされている構造材かどうかを調べるのは難しいと思います。なので、「全てJAS材」を一つの基準にされると良いと思います。

           (「JASマーク」が印字かシールで貼られていることを確認することが大切です。)

「えっ、そんなの当り前じゃないの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、無垢材の場合、意外に、この基準をクリアできていない事が多く、建築基準法でも、あくまでも推奨基準でしかありません。構造材がJAS(日本農林規格)の認定を受ける為には、強度と含水率の両方を測定して、ヤング率50以上、含水率20%以下の基準をクリアする必要があります。

集成材は、断面寸法の小さなラミナ―を貼り合わせる為、強度の高い材木のみを集め、小片故、乾燥させ易い為、全般的にJAS基準をクリアし易いです。

けれど、無垢材はあくまでも自然のもの故、大きな節や割れや曲りがあったり、収穫を急ぐ余り、強度が弱くなったりで、全ての材木がJAS基準をクリアできるとは限りません。

JAS基準をクリア出来ない(構造材として、本当は適していない)無垢材は本来なら他の用途に変更しなければならないのですが、材木業者にとっては、非常にロス率が高く、資源の有効利用を考えると、JAS工場でもJAS基準をクリア出来ない構造材を出荷せざるを得ない状況にあります。

無垢材は、自然の味わいがあり、見た目も優しく、接着剤の劣化の心配がないなどの利点も多いですが、構造材と適している材木の割合が実際少ない事を考えると、「全てJAS材」の無垢材は、コスト的に合わないことも多いです。

耐久性の実証が期待される集成材

では、集成材なら問題が無いのか?と尋ねられれば、接着剤の耐久性の懸念はあります。どんな建材でも耐久性の判定は実際の年数が経たないとその実証が難しいこともあり、無垢材については、法隆寺に始まる1400年の歴史があり、その耐久性は実証済です。けれど、接着集成材は、日本最古でもわずか60年余りです。しかし、60年前の集成材の接着剤は性能も悪く、それでも、既に60年以上経っている事実を考えると、十分に建築の構造材として機能を果たすものと考えられます。今後、更に歴史を積むことで高い耐久性が実証されることが期待されるところです。

           (日本で最初に用いられた1951年築「森林記念館」の構造用集成材。)


最後に、構造計算をされた住宅が最低基準と考えるなら、構造材の強度が不明であれば、構造計算の根拠そのものが崩れることになりますので、無垢材でも、集成材でも、是非、「全てJAS材」と指定してください。

その次に、コスト、趣き、希望する住宅の間取によって、無垢材か集成材かを決定されると良いと思います。

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