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中谷昭子

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コラム

断熱について ④「断熱性能の良い家」を建てるコツ/部位別断熱効果

2014年10月28日 / 2014年11月1日更新

今日は、部位別断熱効果についてお話をします。

先ず、アンハウスの以前に施工したM様邸のデーターを例にして、説明させて頂きます。

M様邸
  建築地:大阪市
  延床面積:92.43㎡
  気積:221.112㎥
  熱損失量合計:196.872W/K
  Q値(熱損失係数):2.13W/(㎡・K) (大阪市のQ値の基準値:2.7)
  UA値(平均外皮熱貫流率):0.593 (大阪市UA値の基準値:0.87)
  断熱の仕様 
     壁:セルロースファイバー105mm+ビーズ法ポリスチレンフォーム3号25mm
     天井・屋根:セルロースファイバー200mm
     床:押出法ポリスチレンフォーム3種75mm
     土間床:押出法ポリスチレンフォーム3種40mm
     玄関:K4仕様
     窓:アルミ樹脂複合Low-Eペアガラスサッシ
     換気:第一種24時間換気 2時間に1回換気

この数値が断熱性能的に良い数値かどうかは次回以降に検証するとしまして、
どうすれば、断熱性能を上げること出来るか考えたいと思います。

では、Q値の内容を部位別に見ていきます。
          
          M様邸のQ値の内容
建物の部位別に熱損失比率を見ると、
1番が窓の31.4%、2番が壁の23.8%、3番が換気の19.9%で、
熱損失が大きいことが分かります。

(1)窓

窓の面積は10%しかないにも関わらず、           
窓からの熱損失が大きいです。
大阪府下で、一般的に普及しているサッシは、
圧倒的にアルミ複層ガラスが多く、
アルミ樹脂複合サッシも普及しつつありますが、まだまだ少数派です。
        日本の窓構造別比率<LIXIL>
         (LIXILのデーター抜粋)
けれど、アルミ樹脂複合サッシでも、
M様邸では窓の熱損失が最も大きいことが分かります。

只、逆に、面積が小さいにも関わらず、熱損失量が大きいと言うことは、
コストを抑えて、断熱性能を上げる余地があることを意味します。

(2)壁

壁の熱貫流率が0.330と非常に良い数字であるにも関わらず、
建物の外皮面積が50%以上占める為、熱損失が大きいことが分かります。
壁の断熱性能を上げることは防火の認定なども絡み、
また、家の耐久性能とも大きく関係するため、
単純に、断熱材の厚みを上げれば良いとか、
熱伝導率の良い断熱材を使えば良いとか言うものでなく、
非常に難しい面があります。

けれど、壁の断熱仕様は、断熱性能はもちろん、家のトータルの性能とも大きく関係する為、
こだわりたいところです。

(3)換気

換気からの熱損失も無視出来ない位、大きいです。
けれど、24時間換気は健康住宅の為には絶対不可欠なものです。

熱交換換気扇を採用すると言う選択もありますが、
関西のような室内と屋外の温度差が20度以下の地域に置いては、
熱交換換気扇の効率が悪くなるため、
むしろ、換気による熱エネルギー損失より、
熱交換換気扇を作動させる動力エネルギーの方が多く、
Q値を下げるために、熱交換換気扇を採用することは、
現実的ではありません。

言い換えると、熱損失が限りなくゼロに近い建材を開発して家を建てたとしても、
Q値=39.236(換気扇の熱損失量)÷92.43(述床面積)=0.43
ですので、この家の形状の場合、0.43以下のQ値は有り得ない事が分かります。

(4)その他

熱貫流率に着目すると、ドアの3.415、窓の2.330、土間床の2.988が
UA値(外皮平均熱貫流率)を上げている事が分かります。
ドアと土間床は全体の熱損失比率からすると6%と7.2%ですが、
面積も2%弱ですので、
安い費用で、断熱性能を上げる余地があることを意味します。

次回から、コスト及び他の影響も考えながら、
部位別に断熱性能を上げる方法を、お伝えしていきたいと思います。

ただその前に、
M様邸と同じ断熱仕様の家が、
形状を変えるだけでQ値とUA値がどのように変わるかを検証してみて、
断熱性能とQ値とUA値の関係をお伝えしたいと思います。

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