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著作権と肖像権について

2022年1月13日 公開 / 2022年1月18日更新

テーマ:商品制作

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: オーダーシャツ広告 マーケティングマーケティング戦略

以前から苦労していた著作権問題について考えてみました。これは議論されがちな事ですが、国や著作者の考え方に依るもので正解がありません。
何かある度に各国の考え方やルールを調べてきましたが、最終的には「著作者の意向」となりますので御参考程度に。
JPCA肖像権セミナー

日本と海外で異なる著作権

グッズ制作代行サービスを始めた頃(約15年前)に最初に直面した問題が「著作権」「肖像権」について、でした。
お客様から、解像度の足りない美形の男性の写真と共に「この写真の右下に●●LOVEと文字を入れたTシャツを10枚作って下さい。」とメールが送られてきました。
少しレベル補正をしてみようと思っていたところ、当時のスタッフから「マズいんじゃないですか?」と写真の男性の大手芸能事務所公式サイトを見せられました。
私が誰よりも芸能人に詳しくないことは認めますが、いくら詳しくてもすべての芸能人、すべての著作物を把握している人はいないはずです。

すぐに「著作権・肖像権について」の注意事項を細かく調べ、そこから枝葉に分かれる「コラージュ」などはどうなのか、友達が撮った写真でプレゼント用にグッズを作るのは?と疑問が次々と湧いてきました。
考え始めるときりがないのですが、最後に辿り着いたのは「自分の作品以外について、作者の許可が必要なもの、不要なものは関係性や状況によっても異なる。」ゆえに、「我々では判断できないので全責任は発注者(商品を作る人)に委ねる」という事です。
その点について前述のTシャツ発注者に確認しましたが、「写真男性のファンクラブからコンサート用という事でOKが出ている。」と返答があり制作を続けました。
その後、芸能界のファンクラブ、著名な漫画家、アーティスト御本人、プロダクション、出版社と様々な注文を受けているうちに「我々に、本物か偽物か、どんな関係なのかを調査したり判断する権利も義務も無いのだ」という結論に至っています。
俗にいう「同人グッズ」も違法でありながらも出版社との暗黙の了解があったり「イメージを損なわないならOK」など、「シェアしてくれるのは嬉しいけど、あなたのせいでイメージが下がったら違法にします。」といった、都合の好いお互い様ルール的なグレーな部分が多くあります。

バンクシーグッズについての考え方

バンクシー
バンクシーが有名になり始め、海外ではバンクシー専門のロイヤリティーフリー画像が出回ったり、それを加工してシェアしたり、偽バンクシーが各国に現れたりと社会現象になっています。
日本でも「公式グッズ」について議論されたりしているようですが、私個人は「そもそも器物損壊罪を犯した落書きであり、著作権の主張をすべき立場ではない。」という意見に一票投じたいと思います。
私の知人にもSUIKOさんさんという世界的に有名なウォールアーティストがいらっしゃいます。
彼のお兄さん曰く「弟は学生時代に壁に勝手に絵を描いて、何度も母親が警察に呼び出された。今は世界中から描いてくれと呼び出される。」
この話は面白くて覚えているのですが、当然の事ながら器物損壊になるかどうかはアーティストが勝手に描いたものか依頼されたものか。という事です。

著作権、肖像権の考え方

その後SUIKOさんやお兄さんと「ウォールアートを撮影した写真」の著作権はどうなのか、その写真の前に人物を立たせた写真でグッズを作った場合やコラージュに使った場合という細かい話に発展します。様々な意見の最後に「アーティストや著作者各々の考え方」であり、「芸術は利益のために存在してはならない」という偉大なひと言に深く共感して話は終わりました。
余談ですが、メールの内容にも著作権が存在します。たまに「営業DMを送ってきた。違法だから内容を公開する!」と、メール本文や個人名まで掲載している人を見かけますが、これは逆に著作権法や個人情報保護法の観点から問題になります。
「特定電子メール法」3条1項をじっくり読めばわかりますが、実際に法律では営業メールを禁止されておらずメール内容や個人情報を公開する事が違法になる恐れがあります。他人様の個人情報や創作物を勝手に公開する事は、事情がどうあれ注意された方が良いかと思います。

写真の肖像権について

数年前にJPCA日本写真著作権協会「SNS時代における肖像権の考え方」山口勝弘理事によるセミナーの主催協力・司会をさせて頂いた事があります。
「偶然写した人の写真で賞をもらった写真家の話」などを聞くと、肖像権についての法律、モラルの両面から色々と疑問があると思います。
訴えられた事例や時代の変化によるケースなど交えたセミナーでしたが、結論から説明しますと
「偶然ではなく執拗に同じ人物を撮影(盗撮)したもの、または利益や犯罪目的である証拠が見いだせない場合は訴訟が無効になるケースが多い。」というものでした。

まとめ

作品の著作権に関しては「アーティストの考え方、生き方」によって許諾範囲が異なるという事になりますが、企業が著作権や肖像権を所有し「作品のイメージやブランディングを尊重する」という場合、規制ルールも厳しくなっています。
肖像権に関しては、偶然ではなく何らかの私欲的な目的で撮影したもの以外は無効になる可能性が高い。という事になります。
法律自体が非常に曖昧なので、訴えたとしても良い結果にならないケースが多く話し合いで解決する方が早いと思いますが、グレーな場合は本人または管理事務所に打診する事をお奨めします。という一般的な結論です。

個人的な見方ですが、バンクシーのアートは「この場所に描くから意味がある」という物が多いです。
なので、加工してデータにしたもの、それをまた商品にしたものに関しては価値がない(偽ブランドという別次元の楽しみ方)と感じています。
角が立つかもしれませんが、必死で賞を狙う芸術家に対して疑問を感じることがあるのは、純粋な表現を目的とせず「称賛」による「自分の価値の向上」という野望が見え隠れした「偽アーティスト」に見えるからです。
海外でバンクシーが本物の表現者だとされている理由には、そのようなフィルターなしで「伝える」ことと「伝わる」という本来あるべき芸術の姿が理解されている点もあるのではないかと感じています。
前者は「大きな見栄」そして、バンクシーには「強いプライド」を感じます。
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この記事を書いたプロ

秋元万里子

プロモーション戦略で企業のブランド力を高めるプロ

秋元万里子(プロモスジャパン株式会社)

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