日本と琉球、両方の建築文化を取り入れた斬新な建築設計（3/3）

施主さんとの対話を重視し、思いを叶える

「義空間設計工房は住宅を中心に仕事をしてきましたが、これからは公共的な建物にも幅を広げたいと思っています」と伊良波さんは話します。東京時代の経験が今まで以上に役に立ちそうです。「公共の建築物をつくるときにも、住宅をつくるときの細やかな心づかいを持ちたいですね」

　すでに那覇市小禄にある公民館施設「鏡水ふれあい会館」が昨年完成。那覇市民共同墓及び納骨堂のプロジェクトも進んでいます。「共同墓及び納骨堂は集合式のお墓で、沖縄伝統の亀甲墓のようにやわらかいシルエットで、みんなに愛されるお墓を目指しています」

　もちろん公共建築物だけでなく、従来のように戸建て住宅、集合住宅、店舗、クリニックなど、伊良波さんは幅広い建築物の設計を手がけています。それを通して「沖縄の建築文化の向上にも貢献したい。新しい沖縄の風景がつくれるかもしれません」と意欲を語ります。

「どんな建物でも、施主さんの希望に合うものをつくるために対話を重視しています。ライフスタイルや使うスタイルによって形は変わってくるので、施主さんの思いをたくさん聞いてそれを実現するために全力を尽くす。それが私のモットーですね」と理念を語ってくれました。

（取材年月：2013年6月）

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⇒施主さんとの対話を重視し、スタイルに合った設計を行う