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「親の介護でお金がない」状態をさけるための、4つの心構え

2023年2月28日

テーマ:介護

コラムカテゴリ:お金・保険

年齢を重ねるにつれて、親の介護を意識する方は増えてきますが、その一方で介護に対する心構えや準備ができていない人は多くいます。働く世代は、子育て、キャリア、暮らしの変化など、様々な出来事が重なりやすい時期でもあるため、親の介護と掛け持ちになることも少なくありません。今回は、「親の介護でお金がない」という状態にならないために、事前に心構えをしておくべき4つのことをお話しします。



介護は自分のお金と切り離して考える


元気だった親に介護が必要になると、驚きとさみしさが複雑に入り混じります。親孝行な人は「できることはなんでもやる」と思うでしょう。しかし、やってはいけないことがあります。それは「自分の貯金を無計画に使うこと」です。

例えば、実家に住んでいる親の介護をするとき、実家に通うたびに介護用のおむつを買うとします。介護用のおむつは高いものではありませんが、長期になれば大きな出費になりますし、必要な介護費はどんどん増えていくものです。はじまりは介護用のおむつ代でも、次は車いすが必要になりその次は家の改修工事が必要になるかもしれません。


子育てと同じように、介護も長期の目線で資金計画をたてる必要があります。子育て世代は、親の介護と教育費が重なることもありますが、介護をしたい気持ちと家庭のお金を切り離して考えることが大切です。自分自身や家族の暮らしを整えているからこそ、介護ができる環境になると考えましょう。

介護離職は避けましょう


親の介護が始まると今までの日常が大きく変わるかもしれません。とくに在宅介護の場合は、親を一人で家に残すことが心配になるかと思いますが、介護する人が仕事を辞めることはなるべく避けたいところです。

介護が始まったとしても、今までの生活は続きますし生活費も必要です。介護のために仕事を辞めてしまったら、あっという間に「親の介護でお金がない」という状態になる可能性が高くなります。親の介護のために自分の家庭を犠牲にすることは、介護される側にとってもうれしいことではないはずです。


介護離職を避けるために、介護休暇や介護休業の制度があります。休んでいる間も、雇用保険の「介護休業給付」の制度を利用すれば、給付金を受けることができます。(※介護休業の開始日の前の2年間に、雇用保険に12か月以上加入していることなど条件があります)

相談できる人や公的サービスを知っておく


初めての介護はわからないことだらけで、戸惑うことも不安になることも多いでしょう。その時こそ、自己判断で行動する前にまずは身近な人でも相談することが大切です。相談する相手は兄弟や友人、会社の同僚でもかまいません。介護ケアをしている本人がSOSを出さないと、周りの人は気づいてくれません。一人で悩むことが一番のリスクです。

特に、お金に関することは身内と必ず相談すること、そして公的なサービスを知っておくことです。お金に関しては「支払う前に申請する」ことがほとんどですので、介護費用として後から請求しても貰えないことがあります。介護が始まってからではやるべきことが多く、なかなか調べる時間はありませんので、相談できる人や公的サービスを頼りながら、いざというときに備える心構えを持っておきましょう。


介護は、デイサービスや訪問介護だけでなく、お金に関することも公的なサービスや支援があります。各自治体では、地域の総合的な相談の拠点に地域包括支援センターがあります。介護について不安があるときには、気軽に地域包括支援センターに相談しましょう。
参考URL地域包括ケアシステム 沖縄県

介護保険でできることを知っておく


介護保険とは2000年から始まった制度で、65歳以上の人は原因を問わず自治体の要支援や要介護の認定を受けることで、サービスを受けることができます。40歳以上65歳未満の人も医療保険に加入していれば特定疾病によって認定を受けることでサービスを受けることができます。
参考URL「厚生労働省 介護保険制度の概要」: https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf

介護保険の認定には基準があります。必要な介護が多くなれば多くなるほど介護度は高くなり、受けられるサービスも多くなります。介護保険には、お金の支援もあります。例えば、介護で家の改修が必要になったら工事費用の支援を受けることができます。手すりの取り付けや段差の解消などの工事は保険給付の対象となり、20万円が上限となっています。
参考URL「厚生労働省 介護保険における住宅改修」https://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/07.pdf


おわりに
介護にはお金がかかります。地域包括支援センターは介護の心強い見方であり、日本は公的なサービスや支援も充実しています。しかし、介護にかかるすべてのお金を支援でまかなえるわけではありません。親が元気なうちから「親のお金と資産」を把握しておくことも大切です。親の介護で、自らのお金の準備が必要だと感じる方は、どのような対策が採れるか事前に調べて計画を立てましょう。お金の計画を立てるのが苦手な方は、お金の専門家にご相談ください。

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この記事を書いたプロ

田島めぐみ

女性と子どもにお金の知識を伝えるプロ

田島めぐみ(一般社団法人マネーキャリアラボ)

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