コラム
『戒名』と『法名』の違いについて
2015年10月18日
コラムをご覧いただきましてありがとうございます。感謝です。
今回はお位牌に文字を彫る際に、一般に死者に与えられる名前として『戒名』(かいみょう)とよく言われますが、実は宗派によって異なります。浄土真宗は『法名』といい、日蓮宗は『法号』(ただし日蓮正宗を除きます)といいます。それ以外の真言宗・天台宗・臨済宗・曹洞宗などは『戒名』といいます。
大切なことは、戒名にしても法名にしても、仏教徒となったしるしとしてつけられる名前のことであって、これが本来の趣旨です。ただ少し考え方が違いますので簡単にご説明致します。
戒名とは
各宗派で定められている『戒律』を守り、その戒律を実践していくことで、生・老・病・死といった思いどうりにならない人生、限りある人生をどう生きて行けばよいかを気づいて生きていきましょうという僧侶の集団で、その集団に属する御釈迦様の弟子の名前と言えます。
法名とは
一方浄土真宗では、阿弥陀如来の絶対的な本願のはたらき一つによって救われるのであって、戒を必要としませんから、戒名という用語は用いません。法名とは、『仏法』に帰依して仏弟子になった人に与えられる名前と言うことです。浄土真宗においては、僧侶は得度式によって、在家の人は帰敬式(おかみそり・またはおこうぞり)をうけることによって、法名を本山からいただきます。僧侶も在家の人もひとしく本願を信じ念仏して浄土に往生して仏になる道を歩むのですから、ともに仏弟子のしるしとして法名をいただきます。
また、浄土真宗はお仏壇が金仏壇(唐木仏壇の場合もございます)でお位牌をあまり置きません。その代り過去帳を使用します。また法号の中に『釋』と言う字が含まれていますので、すぐに浄土真宗ということがわかります。
宗派によって考え方が異なりますので、呼称も当然のことながら変わってまいります。『戒名と法名』の違いは『法』を重視する浄土真宗、『戒』を重んじる他宗とご記憶いただいてもいいかもしれません。
お位牌を見て宗派を見分ける方法としましては、真言宗・天台宗・浄土宗・禅宗は梵字と言いまして、お位牌の最上段に宗派がわかる印があります。上記にも書きましたが浄土真宗はお位牌を置かず過去帳を置きます。またその法名には『釋』と言う字が入っています。また日蓮宗はお位牌の最上部に『妙法』と言う字が入ります。あまりお位牌をご覧になることもないかもしれませんが、そのような違いもあります。(あくまでも一般論でお寺様によって異なる場合もございます)
ご参考にしていただけましたら幸いです。
生かさせていただいていることに感謝です。
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