コラム
仏壇が出来るまで・・・『図面』ではなく『杖(つえ)』を使います。
2015年4月29日 公開 / 2020年8月21日更新
コラムをご覧いただきましてありがとうございます。感謝です。
今から3年前あるお客様がご来店されお仏壇を少しご覧になられたのですが、その時はほとんど仏壇の話をされずに帰られました。その後、再度ご来店され、『先日は話がはずみすぎて、仏壇がいるのに仏壇の話を忘れてました』と笑いながらまた色々とお話をお聞きしていますと、別注で仏壇を製作したほうがいいということになり別注仏壇を製作しました。
その後何度もやり取りがあり、ようやくではこのように作りましょうということになり、お客様から図面をみて最終チェックをしたのち製作という話になりました。
【写真は参考の写真です】
現在あるご本尊の大きさ、またお位牌が多くありましたので、棚取りの調整、大戸(外戸)も取り付け方が変わっていたなど
色々打合せをさせていただいたのち図面を作成しお客様に見ていただきました。
図面が完成しご覧を頂いたのですが、内容はすべて網羅していたのですが、これが図面?といった感じのご様子でした。
私が言葉で補足説明をさせて頂き、ご了解を頂いて製作に入ったのですが、実はお客様が某国立大学の先生で、しかも
建築がご専門とのこと。
仏壇を作る上での図面と建築物の設計の図面を比べられてこれで出来るの?といった感じでした。
しかし、先生、仏壇はこの図面がなくても仏壇は出来るんですよ!と申しましたところ尚驚かれていました。もちろん最初は設計図・・図面を作りますが(作らない場合もあります)その後職人により『杖』といいまして、職人さんはこれを見れば仏壇の全体像がわかる物で、棒状の木材にペン等で直接線を引き型を作って製作するんですよと申しましたら尚驚いていました。
(言葉でうまく説明できないのですが・・ご理解いただけますでしょうか?)
職人技と言いましたら職人技なんですが、建築がご専門で尚ご自身で家も作られた先生からすると考えられなかったようです。最後の段階では図面とミニ仏壇を持参して最終OKを頂いたときには仏壇が完成したときよりも嬉しかったことを覚えています。その後完成し、徳島へ行き検品もした後、お客様宅へ結構大きい仏壇でいたので3人で納品をさせて頂きました。
ご本尊をお祀りし、ご先祖様のお位牌様を安置し、『あ~、いい仏壇が出来たな』と言っていただいたときは本当に嬉しかったです。
生かさせていただいていることに、感謝です。
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