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田岡良一

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田岡良一(たおかりょういち) / 仏壇アドバイザー

(株)田岡仏壇店

コラム

千日回峰行という修行ご存じですか?

2015年4月17日 公開 / 2020年8月21日更新

テーマ:仏事の知恵について

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムをご覧いただきましてありがとうございます。感謝です。



先日のコラムの後半で少しふれました千日回峰行について書きたいと思います。漢字ばかりで全く想像が出来ない方もおられると思いますが、修験道の荒行!という文字で何となく想像も出来るかもしれませんが、まさに荒行です。



奈良県吉野の大峰山の山頂にあります上本堂まで往復48キロの山道、高低差1300m(箱根駅伝の山登りが距離が片道23,4キロ、高低差が800mですからそのすごさはご理解いただけると思います。)を千日間休まず歩き続けるという修行です。

ただ千日間連続ということではなく5月3日から9月22日までの間だけ行いますので、千日回峰行が終わるまでには9年という歳月がかかります。またいったん行に入りますと途中でやめることは出来ません。短刀を持参しもし途中で止めるのならその短刀で腹を掻き切るか、紐で首をくくり命を絶たなけれななりません。


一日のスケジュールとして、午前零時半、標高364mの地点から出発し、1719mの山頂に午前8時頃に到着、再び同じ道を下って午後3時頃に帰堂、自ら炊事洗濯、明日の準備等を行い午後7時に就寝。午後11時半に起床し、おにぎり2個を持って再び出発。



想像を絶しますが、この行を満行されたのが塩沼亮潤阿闍梨です。昭和43年生まれですから私の一つ上ということになります。著書に小学校5年生の時にNHKのテレビ番組で比叡山の昨年お亡くなりになられましたが酒井雄哉阿闍梨の回峰行をみて『これだ!』と思われたそうです。塩沼亮潤阿闍梨の生い立ちや中学校の時にパチンコで家計を助けたり?!などなどいろんなことが書かれていました。全48キロの行程を約15時間かけて山中を歩き、睡眠時間は4~5時間。しかし行者というのは追い込まれれば追い込まれるほど楽しくなるんです。とも書かれていました。道中、熊、マムシ、イノシシ、などと遭遇されたそうで、一番怖かったのは熊だったそうです。
怖いですよね・・・。



また塩沼亮潤阿闍梨は、千日回峰行を終えられて一年後に四無行を行われています。この四無行とは九日間(寝ない、横にならない、食べない、飲まない)という行も終えられています。十万偏のお不動さんのご真言、吉野のご本尊であります蔵王権現様のご真言をそれぞれ10万遍づつ、合計20万遍唱えなけれればなりません。私は以前テレビでこの模様を見たことがあるのですが、最後死臭が漂い、両脇に抱えられながらといった光景を覚えています。



1300年の間で2人しか満行していない修行。

最後に著書の文面をご紹介して終わりにしたいと思います。


行の終わりのころ、自分の思いの中では右足に「素直」左足に「謙虚」という草鞋を履かせて歩いていました。『素直、謙虚』『素直、謙虚』歩くというよりは、歩かせていただいているという気持ちに変わっていたそうです。

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