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吉井江里

歌・ピアノの指導や合唱指揮などで音楽の楽しさを伝えるプロ

吉井江里(よしいえり) / 教師

ソット・ヴォーチェ

コラム

音が取りにくい人をどのように指導していくか【音痴の克服はできるのか】

2022年9月7日

テーマ:つぶやき

コラムカテゴリ:スクール・習い事

コラムキーワード: ボーカルトレーニングボイストレーニングピアノレッスン

私は22歳から合唱指導の仕事をしていて30年以上の指導を続けています。
小学生の授業での合唱やママさんコーラス、混声合唱、第九の合唱などの指導。
また、歌の講座やレッスンも担当してきて
時々「私は音痴かもしれない」とご自身から相談を持ちかけられたり
本人は気がついていないけれど、明らかに音が違っている。
楽譜通りの声が出せていない人に出会う
と言うことがあります。

大学生では「ソルフェージュ指導のコツ」を教わる講義も受けました。
そこで教えていただいたことを今でも参考にしております。

・指摘をしないで一緒に歌ってあげることを根気よく行ううちにどんどん目的の音に近づく
これは本当にその通りです。
「あなたは音痴ですよ」「音が全然違う」「ダメダメ」と言うと
その人が傷ついてしまい、それがまた人前で言われたとしたらもう立ち直れない。
その人が音楽そのものを嫌いになってしまうようなこともあるのです。これは避けたい。

ところが、その指摘についてもこんな例があります

・家族から指摘されて「音痴かもしれない」と思ったので、先生が聴いてみて判断して
ちゃんとしたことを教えてほしい

と言う風に「自分はひょっとしたら音が取りにくいかもしれない」と思って来られる方には
やっぱりきちんとそれを伝え、それをなおしていけるように声を合わせて一緒に歌ったり工夫を重ねます。

我が家にずっとレッスンに通って来られている方は
最初は「音が取りにくい」「上手になりたい」と言って来られました。
馴染みの曲ではそこまでは音が取りにくい感じではなく歌えていて
慣れない発声練習などでは少し音が取りにくい感じを受けました。
一緒に歌ったり根気よくレッスンすることで今はその不安はありません。

また、「適当に感覚で歌うのではなくしっかり学びたい」と言われて
なんとなくではなく、きっちりお稽古したいというご希望でしたので
楽譜を見て正しく歌うことを心がけ、「コンコーネ50番」という声楽の練習曲集をコツコツと学習して全部歌えるように。これは本当に大変な事です。この練習曲集は50曲あり、音大に行く人が学ぶ曲集ですから。
その後は第九にも合唱でご出演。よく頑張られました。

現在もリズムが難しい歌などにもチャレンジされています。
その方のレッスンのお供は「録音機器」です。
きちんと録音して自分の声、歌を客観的に知ること、素直に注意に耳を傾け改善していったことで
克服され、力を積み上げていかれたのだと思います。

これが大事なのです。録音。録音したら自分がどのように歌っているか知ることができる。
まずはご自分の声を、歌を自分で聴いてほしい。
これが上達の秘訣です。

さて、問題は「自分では音が取りにくいことについて全く気がついていない」人のことです。
みんなで歌っていてもそのみんなの声とは少し外れたまま、歌っている人の場合は悩みます。
伝えるチャンスがないからです。

個人レッスンなら一対一なのでお伝えできるのですが・・・
みんなで歌う場合、ちょっと音が取りにくい、という程度ならそれは練習すればできること。
しかし、そうではなくてずっとかけ離れた高さの音で歌っている場合はどうしたらいいのでしょうか?
合唱団の中にもしそう言う人がいたらどうしたらいいか、それらの問題については指導する方も、合唱団の他のメンバーも苦労すると思います。

「音が取りにくい」と言うのは一般的には「音痴」と言う風に表現されますが
あまりいい言葉ではないですね。

今までの経験からやんわりと伝えるチャンスがあった場合、それによってやはりご自身が気をつけられて月日をかけて克服された方もたくさん見てきました。
その「伝えるチャンス」は「みんなの前で指摘する」ことは避けたい。
一人ずつ話をするチャンスなどを作ってやんわりと伝えるようにする。
とてもデリケートな問題です。

よく言われるのが「母親もしくは父親など育てる人の歌」を聴いて育つ事が多く
その人の声の出し方、音程の取り方などの影響は大きいそうです。
その辺りのことも書いていきたいです。

歌え20220826−2

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