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吉井江里

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コラム

お別れの時をお好きだった曲で【ご葬儀でご依頼のあったピアノ演奏】2

2018年10月28日

その1 前のコラム

ご葬儀の会場へ参りました。そちらの会場はすでにBGMについては使用されているらしく当時はCDを使われていた様子です。PAの方、進行の方と入念に打ち合わせをした時に言われたのが「以前ピアノを入れてご葬儀をされた方がいらしたのですが、導師の読経その他進行の上でピアノをフェイドアウトすることができない方がピアノを弾かれて困ったのです。ぜひそのあたりのこともご理解いただいてピアノ演奏を入れていただきたい」と言われました。
 そうですね。「愛の讃歌」一曲だけを弾くわけではなく、途中で今までに合唱で歌った曲をアレンジしてそっと弾く予定にしていましたが、様子を見ながらさっとフェイドアウトすることって難しいかもしれません。そのアドバイスはとてもありがたかったです。ただ演奏をさっとやめるのではなく上手におさめていく。いい経験になりました。なにしろそういうことは今ならできますが、若い頃は「クラシックを楽譜通りに弾くしかない融通のきかない人」だったと思います。
 現場で見たり聞いたりしたことはすべて無駄にはならず自分の財産になる、と感じながら積み重ねていったのはその場その場で出会う人、教えて下さる人にめぐまれたと思っています。
 同じ曲でも少しテンポを落として音を少なくして弾くと葬送に向くことなどをPAさんから教えていただきました。

さて、ご葬儀の当日は合唱団のメンバーも一緒でした。
みんなで歌った懐かしい曲を棺の前で歌いました。涙で声がうまく出ませんが
私のピアノ伴奏に合わせて歌ってくれました。
合間にクラシックの名曲を弾きました。合唱で歌った曲も
その前の日のアドバイス通り、音量やテンポに気をつけて
多くの音でジャンジャンと弾く必要はなく、シンプルにしかし心をこめて
演奏しました。もちろん「愛の讃歌」もです。
そしていよいよ出棺となったとき、ご家族から依頼されていたように
出棺のあのクラクションの音と同時に愛の讃歌の一番盛り上がる部分を
今度は音を多めに、和音を厚くして華やかに、そして深く
今までの感謝の気持ちをこめて弾きました。それは今でも心に強く残る演奏でした。

その日はとても寒くて、出棺を見送った合唱団のみんなで
あついうどんを食べにお店に入り思い出話をして帰りました。

その後しばらくして、そうですね四十九日をむかえる頃でしたでしょうか
家の引き出しから一本のカセットテープが出てきました。
なんだろうな、と再生してみましたらなんと「愛の讃歌」を
その方がカラオケで歌っているテープでした。みんなでカラオケに行った時に
録音してたのか?今となってはかなり前のことで私はよくおぼえていません。
でも、そのテープを聴いた夜に夢の中に紫色のドレスを着た彼女が出てきて
微笑んでいました。そのドレスは合唱団の衣装で棺の中の彼女はそれを身につけて旅立たれました。
いまだに時々思い出します。一緒に歌った日のことを。

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