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光畑浩美

音楽を「魂の薬」として生きる力に繋げるプロ

光畑浩美(みつはたひろみ)

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コラム

リズムは、これで良い?

【 実話:練習 】

2010年11月8日 / 2014年7月3日更新


【 文: 堀敏子  編集: 光畑浩美 】

優しい物腰で、白髪の60歳男性。 熱心にピアノを弾いている。

「 レッスンは、毎週欠かさず受けたいと思っています。 ピアノを弾くのが大好きですからね。  少しでも上達出来ればと願っているのですよ。 」

いつも、一番に早く教室に到着し、全員の机をキレイに並べている。

しかし!! 今日は、いつもの元気がない・・・!!
「 あの? どうかされましたか? 」

様子を伺ってみると、困惑顔でがっくりと肩を落としている。

「 私が、ステージに立つと皆に迷惑が掛りますね。。。
一生懸命、家でも練習をしていますが・・・リズムが全く合いません。
どうしても急いでしまうのです! もう、私には無理なんだ。。。 」

彼の使用するピアノのシールは、指の汗で黄ばんでいた。 
相当、努力を重ねているのだろう。
それでも、膝をバンバン叩きながら、懸命に練習を重ねている。

確かに、聴こえてくる音楽は鼻息荒く、呼吸を忘れている。  
『 はっ・・速い! これでは、テンポが速すぎる! 』

「 では、ビックリするくらいゆっくりと、歩きながらドレミで歌ってみて下さいますか?  
♪ ド~シドレ~~~~~ ♪ ・・・ お立ちください。 」

ド~・・で一歩。 それから、シド・・でまた一歩。。。
ショパンの 『 別れの曲 』 にチャレンジ。

adajio ( ゆっくりと。静かに ) の速度で彼の背中を、軽くポ~ン ポ~ン ♪ と叩きながら、一緒に歌いながら歩いた。

最初はブリキのロボットのような足取りだったが、段々とスムーズになってきた!

「 そうです! そのテンポです! 
では少しだけ、そのテンポのまま、弾いてみましょう。 
そう!その調子。 良いですよ~~♪ 」

ふと見ると、彼はいつの間にか、穏やかな表情になっていた。

演奏会の当日。

「 先生!やりましたよ!!! ちょっと躓いたけれど、私の中では100点満点。 否、それ以上!! いや~~~っ 楽しかったぁ~~♪ 」

演奏を終え、嬉しそうに駆け寄る彼は、白いシャツが汗でびっしょりに濡れていた。 
余程、心配だったのだろう。。。 

緊張感から解放された彼の笑顔は明るさを取り戻し、達成感に溢れていた。

「 先生。 諦めないでよかった!!  ド~シドレ~~~ ミミレミ~~~♪ 」

歌いながら帰る姿は、とても誇らしく輝いていた。

堀敏子先生 http://pro.mbp-okayama.com/piano/service1/#84

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