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小川信行

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小川信行(おがわのぶゆき)

一級建築士事務所 ヒマラヤ空間工房

コラム

限界耐力計算って、何だ?!

限界耐力計算

2018年6月25日 / 2018年8月14日更新

木造建築の耐震診断法には、一般診断と精密診断があります。
一般診断は簡易な診断法ですが、補助金の対象になっていることもあり、非常によく使われています。
精密診断には、精密診断1および2があり、限界耐力計算は精密診断2に該当し、高度な計算法になります。

一般診断の考え方

一般診断の考え方は、建築基準法にある壁量計算と同じで、現代木造の考え方です。
地震を振動ではなく静的な力として、その力に抵抗できる壁の量を計算します。
この場合地震に抵抗できる強い壁とは、筋かいや構造用合板のように変形しにくい壁です。
従って、補強方法は筋かいや構造用合板を使って、変形しにくい剛(カタ)い建物にすることになります。
そして、より剛(カタ)くするために、コンクリートの基礎に緊結し、柱や梁の接合部も金物で補強します。

限界耐力計算の考え方

限界耐力計算は、2000年の基準法改正時に導入された、地震を振動とする動的な解析法です。
建物は地震により振動しますが、その揺れの最大変形角を計算します。
伝統木造の場合、通常最大変形角が1/20ラジアン*を越えなければ、安全である(倒壊しない)とみなします。
最大変形角1/20ラジアンとは、2階の床高さが1階の床から3mある場合、3×1/20=0.15mの変位、すなわち2階と1階のズレが往復30㎝の揺れになります。
伝統建築は、ある意味で揺れることで地震に抵抗するわけですが、それは、揺れることで、木と木のめり込みや摩擦よる抵抗が有効に働くからです。
従って、補強方法もガチガチの剛(カタ)さにするのではなく、土壁や貫などにより適度な剛(カタ)さに補強します。
また、基礎をコンクリートにする必要はありませんし、柱や梁の接合部も金物で補強する必要はありません。

まとめ

このように、診断法には現代木造の考え方と伝統木造の考え方があり、一見して真逆ですが、それぞれは工学的な根拠に基づいています。
一般に在来木造と言われている住宅は、伝統木造と現代木造の中間に位置するものです。
従って、どちらの診断法も適応できるわけですが、診断法によって補強方法が決まりますので、診断法を選ぶ時は見きわめが必要です。

*ラジアンは角度の単位です。360度が2πラジアンなので、1/20ラジアンは2.86度です。

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