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小川信行

専門的知識と技術による耐震診断・耐震補強のプロ

小川信行(おがわのぶゆき)

一級建築士事務所 ヒマラヤ空間工房

コラム

薬医門の耐震性

限界耐力計算

2018年6月22日 / 2018年8月10日更新

このたびの大阪府北部の最大震度6弱の地震により、多くの方が被災されました。
謹んでお見舞い申し上げます。

震災の状況を伝える中で、寺の山門が倒壊したというニュースが2件ありました。
いずれも震度6弱を観測した、茨木市内の寺です。
一つは道路をふさぐように転倒し、屋根がひっくりかえっています。
もう一つも、完全に横倒しになっており、門を入ったところに保育園があるそうです。
いずれのケースも、まかり間違ったら、人命にかかわる大惨事になっていたと思われます。

ニュースの被災写真とグーグルマップのストリートビューで確認すると、いずれも薬医門であることがわかります。
薬医門とは、もともと医家の門として用いられたという説がありますが、寺の門としても数多く見られます。


                   HP「鎌倉の古建築」薬医門の構造 より転載

構造は、本柱2本と控え柱2本の計4本の上に、切妻屋根が載っています。
柱は4本ですが、薬医門は構造上、屋根荷重が偏心(偏っていること)しており、両建物とも偏心している本柱側(道路側)に転倒、倒壊しています。

屋根も、両建物とも土葺き本瓦で非常に重い屋根なので、耐震的に不利です。
加えて、薬医門には、耐震要素として貫と傾斜復元力が考えられますが、地震に抵抗できる仕組みがほとんどありません。
そして、この非常に重い屋根のためにある角度以上傾くと瞬時に倒壊する危険性があります。(このことを構造力学では、P-⊿効果といい、要注意の現象です)

このたび痛ましい事故があった、ブロック塀の問題が大きく取り上げられています。
たまたま事故が起きなかったことは不幸中の幸いですが、今後同様な地震により悲惨な事故が起きないとはいえません。
薬医門は、正直耐震性が低いと考えられます。
また、耐震補強は技術的に結構難しいと思います。
しかし、このままにしておくわけにはいかないので、研究者や技術者が知恵を出し合う必要があります。

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