予防の意識を高め、患者さんの健康を守りたい（2/3）

歯周病の治療、早期からの予防が健康な生活につながる

　松本さんは岡山大学歯学部を卒業後も引き続き大学で歯周病について学んできました。開業医では少ないそうですが、歯周病に関する高度な知識と技術を持った歯科医師に授与される日本歯周病学会の認定専門医を取得。歯周病の予防から、骨をつくる手術など重度のケースまで対応してくれます。「同じ治療でもレベルの高い治療」を心掛け、現在も国内外の学会や勉強会に積極的に足を運んでいます。

　歯周病は、初期にはほとんど自覚症状がないのが問題点。痛みや腫れが気になって来院したときは進行している場合もあり、若い患者さんが重症と分かってショックを受けたこともあったそうです。「患者さんと一緒になって根気強く治療を続け、治療が終わったときの患者さんの笑顔や感謝の言葉はとてもうれしい。でも大変な思いをしなくてすむように、こまめに受診してリスクを軽減してほしいですね」

　実は歯周病は、歯を失う最大の原因であるばかりでなく、糖尿病や肥満、動脈硬化といった病気の原因や引き金になっているのだそう。「歯周病も生活習慣病の一つ。歯周病菌の影響で、これらの病気やトラブルのリスクが高まると考えられています。特に糖尿病は悪循環の関係にあるので注意が必要」とし、「質の高い生活を送るために、生涯にわたって歯を長持ちさせることが大切」と訴えます。

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