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高木正男(たかきまさお) / 税理士

株式会社あさひ合同会計(あさひ合同会計グループ[税理士法人あさひ合同会計、ネットリンクス株式会社])

コラム

法人設立のタイミングとインボイス制度

2022年1月11日

テーマ:税務

コラムカテゴリ:ビジネス

今後よく耳にするであろう「インボイス制度」。
今回は、インボイス制度が法人設立のタイミングに影響を与えるというお話。

開業に際して法人を新設する・個人事業から法人へ移行する法人成り、どちらの場合も様々な判断基準を検討してそのタイミングを決定することになります。その判断基準の一つに、「法人設立後2年間は消費税を支払わなくてよい」という考え方があります。一定の条件をクリアした場合に消費税が免除されることで、その期間の資金繰りを優位に進めることができます。

しかし、インボイス制度により「2年間免税」を安易に使えない可能性がでてきました。インボイス制度においては、課税事業者に対して支払った消費税しか納税額の計算にあたって控除することができません。免税事業者はインボイスを発行できず、取引先は支払った消費税の控除を受けられないことになります。場合によっては、「インボイスを発行できないなら他の会社と取引しよう」となる可能性もあるでしょう。

インボイス制度は2023年(令和5年)10月からスタートします。したがって、2年の免税期間を最大限に活用するためには2021年10月までに法人を設立する必要がありました。

なお、インボイス制度導入後は経過措置があり、以下の期間についてはそれぞれの割合(取引先が支払った消費税の一定割合)が控除可能となります。例えば、80%控除できる期間は、取引先にご理解いただくという交渉も可能かもしれません。

2023年10月1日~2026年9月30日80%
2026年10月1日~2029年9月30日50%

「消費税の2年間免税を享受するために早急に法人を設立しましょう」というお話ではありません。法人設立には他に検討すべき事項が多数あります。また、そもそも取引先はインボイスが必要な相手ばかりでしょうか?インボイスを必要としない一般消費者が相手の商売をされている方にとってはあまり関係無い話かもしれません。

法人設立によるメリットが一つ失われようとしているのは確かですが、法人設立のメリットは他にも多数あります。シミュレーション等は弊社担当者にお申し付けください。

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