コラム
退職所得の確定申告
2018年7月1日 公開 / 2021年2月10日更新
年の途中で退職し再就職しなかった場合に、確定申告をすることで多くの方が給与天引きされた所得税の還付を受けることが出来ます。
退職所得がある場合でも支給時に源泉徴収されているので確定申告の必要はありませんが、所得控除が給与所得を超えている場合は給与所得とともに敢えて退職所得を確定申告するとことで、還付される所得税がさらに増加する可能性があります。
◎退職所得の計算式
退職金を受け取った際、受給者は「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出することで、下記の計算式で退職所得を算出します。
退職所得の計算式:(退職金-退職所得控除額金額)×1/2
退職所得控除額金額の計算式
勤続年数20年以下:40万円×勤続年数(※80万未満の場合は一律80万円)
20 年 超 :70万円×(勤続年数-20年)+800万円
※未提出の場合は退職金から一律20.42%が源泉徴収されます。
例:Aさんは18年3ヵ月間勤めた会社を6/30に退職し、退職金1,000万円が支給された。
退職所得:(1,000万円-40万円×19年)×1/2=120万円
退職所得から源泉徴収された所得税 120万円×5%=6万円 ※復興特別所得税は省略
(※退職所得の受給に関する申告書を提出している場合)
Aさんのその他のデータ
給与所得:150万円 給与所得から源泉徴収された所得税:5万円
確定申告時の控除額
・基礎控除+特定扶養控除+配偶者控除=139万円
・生命保険料控除及び地震保険料控除:6万円
・社会保険料:55万円
Aさんが給与所得のみで確定申告した場合は、
還付税額:所得税額-源泉所得税(0-5万円)=△5万円
一方、退職所得と合わせて申告した場合は、
給与所得+退職所得-控除額(150万円+120万円-200万円)=70万円
所得税額:70万円×5%=3.5万円
還付税額:所得税額-源泉所得税(3.5万円-(5万円+6万円))=△7.5万円
Aさんのように退職所得があり、且つ年間の所得額が少なく、それに対して所得控除などが多い場合は還付が多くなることがあります。退職された年の確定申告は退職所得も考慮してみてはいかがでしょうか。
関連するコラム
- 個人型確定拠出年金 2017-05-01
- 領収書についての疑問・取扱いについて 2017-07-01
- ネットオークションの収入には税金がかかる? 2017-10-01
- 建物取壊費用の取り扱い 2017-06-01
- 確定申告について 2017-02-01
カテゴリから記事を探す
高木正男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。
高木正男のソーシャルメディア