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入社後の定着率に対して採用時点でできることはありますか?

2020年9月28日

コラムカテゴリ:ビジネス

採用職人の清田です。

今日のご質問は、
「入社後の定着率に対して採用時点でできることはありますか?」
というものです。

この質問は今のご時世では、大変自然な質問だと思います。

コロナショックがあり、
一旦採用市場は冷え込み、
一時的に就職難に見える状況になる可能性はあっても、
おそらくこれはすぐに収まり、
また採用難の状況に戻るでしょう。

なぜならば、
この景気後退期で採用難というのは、
すでに景気事由ではなく、少子高齢事由による
採用難だと言えるからです。

人口が増えていない以上、
毎年65歳で引退する人口よりも
新卒で入社してくる人口の方が少ないことは
変えることのできない事実。

そう考えたときに、
人という資産の価値は右肩上がりに上昇。
世の中は希少なものほど価値が高くなる
という特性を持っているため、
人が希少になれば、
当然人を手に入れるためにかかるコストが
増大していきます。

前談が長くなってしまいましたが、
人の価値が高騰し、
採用コストが増大していったときに、
せっかく高いコストをかけて入社してくれた社員が、
数年で辞めていってしまうという状況は
看過できるものではありません。

既に終身雇用は崩れているとは言え、
雇用主としては、入社してくれたら定年まで
働いてくれるに越したことはありません。

だから、
新卒者の定着に対して関心が高まるのは
自然だと
そう思ったわけです。

結論からお伝えすると、
入社後の定着率について、
採用時点で、出来ることはあります。

これはあくまで採用活動を
本質的かつ本格的に実施したという前提ですが、
入社後3年間の離職率を10%未満にすることは
可能な話です。

では、具体的な解決策を見ていく前に、
問題の本質を考えてみようと思います。

作りたい結果は、
入社してくれた新入社員が定着し、長く働いてくれることです。

言葉を変えると、
社員が離職してしまわないことです。

当然ながら、
雇用が始まっているということは、
社員が「辞める」という意思表明をしないと離職にはなりません。
無断欠勤からのそのまま立ち去るということもあるそうですけれど、
そこまでのことをする社員に、ずっと働いていて欲しいとは
思わないかと思うので、このケースは無視します。

つまり社員が「辞める」と言わない。
という条件が満ちている限り離職しない。
と言えます。

では、社員はどういう時に「辞める」と
言うのでしょうか?

これには大きく分けて二つの状況が想定されます。

一つ目は感情的な理由
二つ目は論理的な理由

感情的な理由の離職とは、
冷静に考えたら辞めるのは得策ではないけれども、
感情が暴発してしまって、
「辞める」と口にさせてしまった離職です。

これの原因は、
・人間関係の問題
・高すぎる目標
・ハラスメント
という突発的なものと
・「会社に大切にされていると思えない」
という慢性的に蓄積されていくものが考えられます。

感情的な理由というのは、
基本的には、社内の空気の問題ですので、
採用活動の時点で何かをして解決できる
問題ではない可能性が高いです。

自社の社内風土が、
若者が定着する土壌ではないということに
真摯に向き合って、土壌改善に取り組む必要が
あります。

一方で論理的な理由での離職とは、
「辞めることが理に適っている」
と社員が考えて「辞める」と口にすることです。

これの原因は、
・想定していた得たいものと、実際に得られたものに違いがある
・想定していた得たいものを、より高い条件で満たしてくれる会社を見つけた
・自分が提供しているものと、自分が受け取るものの価値に不均衡を感じる
などが考えられます。

この論理的な理由での離職は、
採用活動の時点でかなり潰せるものです。

上の論理的な離職が起こる原因を考えると、
求職者が何を考えて会社選びをするかが
考えやすくなります。

簡単に言えば、
自分が得たいものを手に入れるためです。

この「得たいもの」というものは、
個人の欲求と紐づくものなので、
コントロールできない。
と考えている採用担当者は多いでしょう。

しかし、実は割とコントロールできてしまうものです。

アルバイトくらいでしか社会に出たことのない学生は、
仕事で得られるものにどんなものがあるかを
想像でしか把握していません。

そのため、何もこちらからコントロールを加えないと、
・十分な賃金
・十分な休暇
・望む地域での仕事
・作業内容
という募集要項に書かれているようなことだけで
「得たいもの」を考えてしまいます。

これだけで選ぶとなると、
インターネット上に存在している
全ての競合店の中で最も安い金額を
提示したところから皆が買う
いう現象が起きてしまいます。

条件勝負で勝てる会社というのは、
よっぽどビジネスモデルがしっかりしていて、
競争が少なく利益率が高い会社と言えるでしょう。

その会社が高い利益率を上げられるのは、
少ないコスト(人員含む)で高い売り上げをあげられるから
となるので、当然多くの人を採用することができない会社です。

となると、
条件を考えたときに条件に不満を持ちながらも、
理想の会社で働けない人だらけの世の中になって
しまいます。

多くの人が不幸な構図です。
これは嬉しい状況とは言えません。

しかし実際に社会に出て、
仕事をしている人からすると仕事選びの基準は、
上で挙げた募集要項に書かれている内容だけでは
ないと感じるはずです。

自分のやっている仕事が誰にでもできない仕事であり、
自分の仕事だからと喜んでくれる人がいる。
という心の報酬だったり、

その仕事を遂行できる能力が高まっていくことで、
自分が成りたい大人へと成長できる期待感であったり、

自分たちの仕事に対して高いお金を払ってでも
受けたいと考えて、受けることに大きな感謝をしてくれる
人たちがいる。そういう尊い仕事であるという
貢献感であったり、様々です。

数値では測れず、目に見えない、
けれども人生を豊かにする上で大変重要なものが
実際には仕事から得られる価値です。

採用活動の中で、
この価値に気づかせてあげることで、
会社に入社して得たいものが、
目に見える条件ではないものになることがあります。

いくらインターネット上に、
目の前のお店よりも安く買えるお店があっても、
目の前のあなたから買いたいと言ってもらえるような
理由となります。

社員が「得たいもの」を採用活動の中で
ある程度コントロールする。
これは一つのパワフルな方法です。

もう一つ採用活動の中でやっておきたいことがあります。

それは自分の限界を超えて頑張ったからこそ得られる
喜びに触れてもらうということです。

よく僕は求職者にこんな話をします。

「世の中には、お金で買える感動と、お金で買えない感動があるよ」
「お金で買える感動とは、素晴らしい音楽や絵画、演劇にふれたり、
素晴らしいサービスを受けることで得られる感動です。
これも心を豊かにするものなのですが、残念ながらその感動は
長続きしない。どんなに長くても1か月くらいでしょう。
一方で、お金で買えない感動はかなり長続きします。
10年20年、もっと言うと一生涯忘れない感動になることすら
あったりします。
音楽だとしたら、お金をいただいて演奏できるレベルになると
得られる感動です。
与えられる側から、与える側になって初めて得られる感動です。
この感動を味わってしまうと、もっと強い感動を味わいたいと
思うようになってハマります。
ハマった結果、自分の価値をつくる力を磨きます。
すると誰よりも優れたものを提供できるようになっていき、
より大きな感動を得ることができてしまいます。
このお金で買えない感動を追求することの良いことは、
自分を満たしていく中で、多くの人もまた感動を得るということです。」

少々長くなってしまいましたが、
何を伝えたかったかと言いますと、
選考活動の中で、お金で買えない感動の片鱗にふれて
もらえる機会を設計しておくのです。
平たい言葉を使うと、限界突破をしてもらいます。

すると、会社に入社して、
自分が行う中で大変と感じることは、
会社にやらされていることではなく、
自分が成りたい自分になるために必要な試練と
捉えられるようになります。

すると論理的に考えて、
今自分が置かれている環境というのは、
未来の成りたい自分になるために適した環境だ
と思いやすくなるのですね。

これが採用活動の中でやっておきたいことです。
もう2021年4月に入社する学生に対する活動は
終えてしまった会社さんが多いかと思いますので、
2022年4月に入社する学生に対する活動の中にでも
取り入れてもらったら、定着率の変化を感じられるように
なるかもしれません。

参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いたプロ

清田芳宏

新卒採用と理想の組織作りのプロ

清田芳宏(株式会社あまひと)

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