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中村亜樹

ファイナンシャルプランの設計に基づく不動産のプロ

中村亜樹(なかむらあき)

花菱不動産株式会社

コラム

新築住宅の失敗例 性能②

新築 失敗

2015年12月18日 / 2016年1月4日更新

引き続き、性能のお話です。

一般的に、耐震性能については、命にもかかわる話なので、良く話題にも取り上げられます。残念ながら、「気密性能」、「断熱性能」、「省エネ性能」については、住宅の営業マンでも知らず、取り上げないことが多いのですが、実は、こちらも命に係わる大切な性能です。

「気密性」とは、簡単に言うと家の中と家の外との間にどれくらいの隙間があるかということです。「すきま風」とよく言われるように、すきまの多い家では、冬場の場合、せっかく部屋の中を温めてもその温めた空気が外に逃げたり、外から冷気が入り込んできます。夏場は、その逆で、エアコンなどで冷やした空気が外に逃げたり、外から熱い空気が入り込んできます。
この気密性能を表す数値が「C値」と呼ばれるものです。この「C値」が小さいほど家の中と家の外との隙間が少ないこと、つまり「気密性」が高いと言えます。お目当ての住宅会社のこの「C値」を確認してください。「C値」が1.0を切っている住宅会社はまあまあです。「C値」が0.5を切っていれば、優秀だと思います。但し、こういった数値については、ホームページなどに載せている数値を完全に信用はできません。あくまでもホームページ上の数値だからです。本当にこだわっている会社では、この「C値」を各お客さまの実際の住宅にて計測します。ここまでしている会社は、大工さんの施工品質にも自信を持っている会社であると言えますので、かなり良い数値を出している会社が多いです。

家の気密性が高くなれば、例えれば魔法瓶のような状態となりますので、温めたり冷ましたりした空気が逃げないので、空調に掛かる費用は少なくなりますので、省エネに繋がります。この「C値」はかなり大事な数値なのですが、残念ながら公表されていない住宅会社も見受けられ、メーカーでも公表してないケースが見られます。

続いて「断熱性」のお話。断熱性能が高いと、夏場であれば、外気の熱い温度を壁や窓を通して家の中に伝えない、冬場であれば、外気の冷たい温度を家の中に伝えないということですから、これも気密性と同じく省エネ性能に繋がります。
「高気密・高断熱住宅」と言われる住宅は、省エネや住まう人の健康の観点から生まれた住宅ですが、お財布にも、人間にも優しく、快適に過ごせるという住宅です。但し、現在では「高気密・高断熱」という言葉が当たり前のように使われているものの、極端に性能を重視したパッシブと言われるレベルの高い住宅もあれば、とりあえず「高気密・高断熱」をうたっているだけのような会社もありますので、よくよく気を付ける必要があります。

そして、その断熱性能を見分ける数値として「Q値」と呼ばれるものがあります。「Q値」も小さいほどに、断熱性能が高い家となります。こちらも住宅会社の数値を比較すると良いと思います。例えば、「省エネ等級」という基準がありますが、岡山県の平野部などでは、「Q値」が2.7以下であれば、「省エネ等級4」が取得でき、フラット35などの基準をクリアします。ですが、東北地方では「Q値」は1.9以下でなければなりません。つまり「Q値=2.7」は最低基準と考えるべきなのです。最低基準で満足することなく、できるだけ低い数値を実現している住宅会社を選ばれるのが良いでしょう。また、「Q値」についても、各現場の住宅で使う材料にによって変化しますので、ホームページ上の数値だけにとらわれることなく、実際に施工されている住宅の「Q値」がいくつなのかをしっかり尋ねられると良いと思います。

ここまで、「気密性」「断熱性」についてお話してきましたが、両方のレベルの高い住宅は、「省エネ性能」が高い住宅であると言えます。魔法瓶の例をお話しましたが、魔法瓶の中の飲み物が時間が経っても温度変化しずらいの同じように、「C値」「Q値」の優秀な住宅では、エアコンなどで空調された空気の温度が変化しずらいので、電気代が安くなります。「省エネ性能」の高い住宅とそうでない住宅とでは、必要となるエアコンの台数も少なくもなりますし、年間の電気代が約3割以上違うこともあると聞きます。また、そういった住宅においては、快適に生活することが出来ますので、死者数が交通事故の2~3倍と言われるヒートショック(お風呂場や脱衣場での大きな温度変化で血圧が急激に変化して倒れたり、最悪の場合は死に至る症状)も起こりずらく、健康的に過ごせる住宅であると言えます。

最後に「デザイン性能」と「換気性能」について。
「デザイン性能」というと単に間取りやオシャレな吹き抜けなどのことだけを思い浮かべられるかもしれませんが「デザイン性能」とは、それだけではありません。
これまでお伝えした家の中の温度変化のことを「温熱環境」といいますが、「デザイン性能」の高い家を設計する設計家は、この「温熱環境」にまで配慮し、単に間取りだけでなく、冬場は外からの光や温度を効率的に家の中に取り込んだり、逆に夏場には家の中に取り込まない設計をします。加えて、家の中の空気の流れまでを設計に取り込み、その家の中で作った空気を効果的に室内各所に送る「換気性能」の良い住宅を設計します。こういったところまで配慮された住宅は、より大きな省エネ効果があり、より健康的に住まうことのできる住宅であると言えるのです。つまり「デザイン性能」や「換気性能」も家の性能としては侮れない、とても大切な要素であると言えるのです。

これまでお伝えしたように、住宅の性能といっても多くの要素があります。そして、それらの性能を高めるためには当然ですが、コストが掛かります。ただ、最初にコストが少し多く掛かっても、水道高熱費や家自体のメンテナンスコストなどのランニングコストが大きく抑えられたり、家の中の「温熱環境」が良ければ、病気にもなりにくく、健康的に過ごすこともできるのです。

これから家を建てられる方々は、最初の建築費ばかりにとらわれることなく、ランニングコストにも気を配り、資産価値の高い住宅を検討しましょう。そういった住宅は、なにより家の中で落ち着いて健康的に過ごせるという、コスト面だけでは量れないプライスレスな価値もあるのですから。
これからは買う瞬間のことだけでなく、将来を見越した『取捨選択』をしっかりと考えてみてください。

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