信頼や信用がなくなるのは一瞬
近年、悪質な顧客からのクレームや理不尽な要求である、「カスハラ」が問題となっています。
社員がカスハラの被害に遭ってしまうと、メンタル不調になって休職したり、
さらには退職してしまうこともあり、企業として大きな損害となります。
退職した社員のスキルが高かったり、能力の高い人であればあるほど
すぐに新しい社員を採用しても、以前と比べ生産性は下がり、大きな痛手となります。
さらにその周辺にいる社員も、会社は社員を守ってくれないと感じ、離職率が上がることにも繋がります。
そればかりか、退職した元社員から会社が訴えられることもあるのです。
そうなると企業として存続すら難しくなることも起こりうるわけです。
では、企業としてはどのように「カスハラ」対策をすればいいのでしょうか?
まずは、企業として「カスハラ」にどう対処するのかの強い意志を
企業の方針として社外に表明することが必要でしょう。
多くの企業が『「カスハラ」に対応しないこと』を表明しています。
次に「カスハラ対策マニュアル」を整備する必要があります。
どういう「カスハラ」が起こりうるのか、いくつか具体例を示し、
その際にどう対応するのかを会社で決定し文書化します。
そして、そのマニュアルが機能するように、日頃から訓練しておくことも必要でしょう。
また、「カスハラ」から社員をどう守るか、どう保護するかの仕組みも必要です。
企業によっては、顧客窓口対応を人ではなく、AIに置き換えているところも最近は増えています。
私個人の顧客としての思いは、知りたいことにすぐに辿り着けず、イライラすることもありますが、
そのうち、AIの技術ももっと上がっていくでしょう。
費用的にAIの配置が難しい企業では、
比較的メンタルが強い社員を顧客対応の業務に配置することが必要です。
その上でもし「カスハラ」に遭い、心身の不調をきたした場合にフォローする仕組みが必要です。
社内外に相談窓口を置いたり、産業医に相談できたり、治療費の負担なども考えられます。
これからカスハラ対策を整備する企業にとっては、面倒なことかもしれませんが、
一度きちんとした形で整備しておけば、企業を守ることができます。
「人」を大切にする企業こそ、今の時代を生き抜いていける唯一の策だと私は思っていますので、
ぜひ一度社内の仕組みを見直していただき、対応してもらえればと思います。