丁寧な教科指導と温かな人間教育により社会で役立つ人材を育成（2/3）

経営指導から子供の進路指導に転身

　東セミは、阿部さんの父親・初男さんが1985年に設立しました。ただ、阿部さんに跡を継ぐ考えはなく、大学卒業後はコンサルティング業界の最大手・船井総合研究所に入社し、経営コンサルタントとして中小企業の経営指導にあたります。コンサルタントとしての9年間は、充実かつ刺激的な毎日でしたが、次第にその立場に不満を感じるようになります。「業界に新風を吹き込むことはできても変革させることはできない…」。
　その時、阿部さんには父親が経営している学習塾がとても魅力的に映りました。「子供の進路、さらには人生にまでも影響を及ぼす学習塾にはコンサルタントにはないやり甲斐があるのではないか」。そう考えた阿部さんは2005年に帰郷、東セミに経営企画室長兼講師として入社します。

　阿部さんが帰郷して東セミに入った時期は、塾長である父・初男さんが少子化時代を生き残るために塾の変革を模索している時でもありました。阿部さんは初男さんの方針のもと、様々な改革に着手します。先に述べた人間教育もこの時にスタートしたほか、講師が塾生とその保護者と面談して教育方針と目標について認識を共有する親子勉強会、塾生が授業を欠席しても再履修が可能なビデオ授業、分かりやすく且つ効率的に授業を進めることができる電子黒板の導入など、帰郷から今日までの10年間に幾つもの新機軸が阿部さんによって導入されました。
　「コンサルタント時代の経験がとても役立ちました」と阿部さん。塾を経営しつつ塾生の進路を指導することについては、「まさに究極のコンサルティングです。やり甲斐を感じますよ」と話します。

＜次ページへ続く＞

【次ページ】講師の能力向上と環境整備が合格実績を引き上げ

次のページへ