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調子を出していこう!

2013年9月19日 公開 / 2014年8月5日更新

テーマ:スマトレ

コラムカテゴリ:スクール・習い事

よく「調子出していこう!」って言いますよね。
「よし!調子が出てきたぞ!」なんて。

この「調子」
表現技術のひとつ、「イントネーション」で使われる言葉です。
イントネーションとは「抑揚」のこと。
「抑揚」とは、文章全体についている「高低」のことです。
つまり、「訛っている」のは、「抑揚がオカシイ」ということです。

よく「イントネーション」と「アクセント」はどう違いますか?
という質問を受けるのですが、
「アクセント」は、単語ひとつひとつについている「高低」
「イントネーション」は、文章というセンテンスについている「高低」ということになります。





「抑揚」には「平調」「昇調」「降調」「昇降(降昇)調」などがあります。
この中で、私が最も大事に思うのは「昇調」です。
普通、質問や疑問に使われる、所謂「昇り調子」です。
「そうですか➹」など質問する時、自然に語尾があがりますよね。
これを「そうですか➷」と下げると質問ではなく、自問あるいは思考している
というニュアンスになります。
「抑揚」で意味が変わる・・・抑揚って大事なんです。

もうひとつ、「昇り調子」には「次の語句を導く」という役割があります。
文章を読むとき、内容をきちんと伝えるために
どの高さに言葉を納めるのか・・どの高さで受け取って続けるのか・・
このテクニックによって伝わり方は全く変わります。
ブチブチと「切れたように聞こえる」読みをする人は
大概この技術が劣っています。

コミュニケーションを取る・・ということは「キャッチボール」と言われますよね。
つまり、一方通行でなく、声をかけ返事を貰う。
気持ちを伝え、気持ちが返ってくる。
それが、コミュニケーションです。
このためには、こちらの気持ちをオープンにしておかなければなりません。
シャッターが降りたところには、気持ちも言葉も入ってこられません。
「降調」で、語尾を足元に落としてしまうと、
気持ちそのものが相手に届かないだけでなく、
相手の気持ちもシャットダウンして、拒絶してしまうことになります。

特に、挨拶は「交わして」こそ、意味があります。
語尾は相手の胸にすっと差し込むように昇らせましょう。
もちろん、スマイルと共に。
全体に明るい感じになりますよ。

ちなみに、調子が上がらず、淡々と単調になるのが「一本調子」です。
「あの人は一本調子だ」というのは、抑揚がなく、つまらないということです。

「一本調子」にならないように、
さあ、調子出していきましょう!

この記事を書いたプロ

玉野井ちさと

声と話し方のプロ

玉野井ちさと(有限会社 音や)

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