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Mybestpro Interview

納得のいくスーツに出会うことで、人生のステップアップを

自分に似合う唯一無二のスーツを見出してくれるプロ

廣瀬真

廣瀬真 ひろせまこと
廣瀬真 ひろせまこと

#chapter1

スーツひとつでガラリと変わる人の印象

 人の印象の大部分は、初対面で決まると言われています。ビジネスマンで、スーツ必須の仕事に就く人であれば、どんなスーツをどう着こなしているかは、印象を左右するとても大きな判断材料になるはず。オーダーメイドのスーツを専門としている廣瀬さんは、働く人にとって、勝負の一着となるスーツを仕立てることに心血を注ぎ、採寸から布の見立てまで、トータルでの仕事を請け負ってくれます。
 廣瀬さんがスーツをつくる際には、相手の好みの色や希望の生地、現在持っているスーツをふまえてアドバイスをしていくそう。「手持ちのスーツが多い方にはチャレンジになるような一着を、逆に少ないビギナーには、定番で着まわせる一着をおすすめします」。
 相手にとってベストの一着ができあがるよう、ケースに合わせてさまざまな相談にのることを心がけているのも、廣瀬さんのこだわり。また、質の良い生地や、裏地でお洒落を楽しむなど、様々な豆知識やポイントを織り交ぜてくれるのも大きな特徴。そして何より大切なのは、数ミリ単位まで微調整を必要とする採寸の技術です。廣瀬さんは、3年ほど前まで学生服の採寸も請け負っていたことから、これまでに採寸した人数は、学生と社会人あわせて5000人以上。「採寸の技術で、スーツの仕上がりや、着た時のイメージはまるで変わりますから」といかに採寸が肝であるかを教えてくれます。

#chapter2

バイクで富士山を制覇した学生時代

 佐伯を故郷とする廣瀬さん。祖父の代から商売に携わっており、鉄工所の工場にはじまり、戦後の不況で物品販売に方向転換するなど、時代に合わせてさまざまな商売に取り組んできました。廣瀬さん自身は3人の姉と妹をもつ5人兄弟の長男。小さい時は新聞チラシの裏に絵を描いたり、図鑑を見ながらイラストを描くなど、美術に興味のある子どもだったといいます。
 サッカーや水泳、バスケットなどスポーツも幅広く取り組んでおり、中でも最も夢中になったのは、高校で出合ったラグビーでした。卒業後は昔から好きだった美術の勉強をするため、九州産業大学へ進学。情熱をもっていたラグビー部にも所属しましたが、ハード過ぎる練習が続き学業に専念できなかったことから退部し、学業にアルバイトにと大学生らしい生活を送りました。
 ある時、廣瀬さんの人生観を変える大きな出来事がありました。「筑紫野にあった行きつけのバイク屋でオーナーさんと話していたら、『今から富士山に行ってみたら?』と言われて。『今度とかいつかと言っていたら行かないから、今すぐ行きなさい』と旅費の1万5千円を渡されたんです」。
 考える間もなく事態は急展開。携帯電話は敢えてその場に置いて、カメラ1つと所持金の1万5千円、広島と静岡に住んでいた友達の電話番号を書いたメモだけをポケットに入れ、そのまま福岡を出発したのです。それからは、下道を走っては公園に野宿をしながら、食料はスーパーで購入したチョコレートのみ。不安や孤独が胸に広がる中、連絡をとった友達から激励の言葉と同時に食事をご馳走してもらったり、ホームレスから差し入れをもらったりと、人のありがたみをひしひしと感じたそう。目標であった富士山に辿り着いた達成感はもちろん、何より学んだのは、すぐに行動に移したことで見えた世界と、困った時や辛い時に手を差し伸べてくれる人の存在と温かさでした。
 23歳の時、父の跡を継ぐため帰郷。当時、店では、国内メーカーのスーツを中心に販売していましたが、保険の営業も始めて、飛び込みで1日に何十件も回りました。32歳で店を継いだ廣瀬さんが心に抱いていたのは、スーツの売上をもっと伸ばせないかという思い。「量販店の高級スーツでもなく、スーツ専門店でもなく、うちだけの強みはないか。そう考えていた時、銀座山形屋と取引するようになり、オーダースーツの魅力を知り、本格的に力を入れ始めたのです」。

廣瀬真 ひろせまこと

#chapter3

オーダースーツで笑顔になる人を増やす

 廣瀬さんが行うオーダースーツの打ち合わせは、基本的にはどこでも遂行できます。「生地を見ながら打ち合わせや採寸をするので、お店にお越し頂かなくてもできます」。スーツケースに生地のサンプルを詰めて、オーダーがあれば、どこへでも駆けつけるフットワークの軽さもワークスタイル。「これからは、キャンピングカーの移動店舗をつくり、より認知度を高めて魅力を広めていきたいですね」。シャツやネクタイのオーダーなども含め、トータルのコーディネートをワンストップでできるようにしたいと目を輝かせます。
 「これまで作業服のような感覚で義務的にスーツを着ていた人が、袖を通す度にワクワクするスーツをつくりたいです」。そこにあるのは、自身が納得いく商品を販売することで、顧客にとってのスーツへの価値観が変わり、少しでも仕事や人生の方向性がプラスになればという気持ち。着た人がステップアップする姿を喜びとして、仕事を全うしていきます。

(取材:2021年3月)

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廣瀬真

自分に似合う唯一無二のスーツを見出してくれるプロ

廣瀬真プロ

服飾

山口商事株式会社(山口本店)

これまで学生と社会人合わせて5000人以上を採寸した経験から、確かな技術で採寸します。現在持っているスーツと、どんなシーンで使うか、仕事内容や好みなどを踏まえて、数ある生地の中からアドバイスします。

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