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平井慎一

AIを駆使して、活気あるまちづくりを実現するプロ

平井慎一(ひらいしんいち) / 経営

株式会社 地域科学研究所

コラム

大分まちづくり事例

2019年10月23日 公開 / 2019年10月29日更新

テーマ:地域科学研究所 事業案内

コラムカテゴリ:くらし

日々、快適で健康的な生活を送るために必要な要素はさまざまですが、そのなかでも重要な要素の1つとして、今、住んでいる「まち」があります。
病院や公園といった公共施設の数は十分か、障がい者や高齢者にとって生活しやすい設備は整っているかなど、私たちが快適な生活を送るうえで「まち」が果たす役割は非常に重要です。

そもそも「まちづくり」とはどういったものであり、「まちづくり」をする際に課題となるものは何なのでしょう。私たち地域科学研究所による「まちづくり」の取り組み事例をご紹介します。

まちづくりとは

私たちが快適で健康的な生活を送る上で欠かすことのできない「まち」。そのまちをつくるとはどういったことなのでしょう。

一般的に「まちづくり」というと、これまでになかったものを新たに構築していくというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかしここでいう「まちづくり」とは、今、住んでいるまちを改善していくことで、より暮らしやすいものに変えていくという意味での「まちづくり」です。

具体的には、道路を整備する、病院や公園、学校といった公共施設を必要に応じて増やしていくといった物理的なもののほか、教育、産業、歴史といった古くからある伝統を残しつつ、地域社会の中で新たな文化を作り上げていくことも、「まちづくり」に含まれます。

「まちづくり」と似たようなもので都市計画というものがあります。この「まちづくり」と都市計画。道路の整備や公共施設を増やすといった観点で見れば「同じもの」といった解釈も可能です。しかし都市計画は、基本的に都市計画法という法律に基づいて行われ、そこに私たち住民が参加する形です。

これに対し「まちづくり」は、私たち住民が主体となり、住民の合意を得ながらその「まち」の発展、振興を図るものです。特に伝統や歴史を大切に残し、新たな文化を住民の手で作り上げていくという点が、「まちづくり」と「都市計画」の大きく異なる点です。

法によるガバナンス(管理)の基に一定の期間を区切り、主に「まち」の道路や建物といったハード面を整備するのが都市計画。住民によるガバナンスの基、長期的な視点でハード面のほか、文化、歴史といったソフト面の双方を整備していくのが「まちづくり」だといえます。

都市計画を基につくられる「まち」の特徴は、便利でありつつも統一的、画一的であることです。それは都市計画のルールが法によって定められており、各個人の平等、公平性が重要視されるからです。

これに対し「まちづくり」は、住民主体であることから、その「まち」独自の色を出せるのが特徴です。

もちろんそこに住む住民の合意という前提はありますが、数値化された基準よりも、そこに住む人によって達成されるべき全体像を重視することが優先されます。これにより、他にはないオリジナルの「まちづくり」を実現することができます。

地方におけるまちづくりの課題

都市計画によるまちづくりとは異なり、住民が主体となり行われる「まちづくり」。歴史や文化の継承などさまざまなメリットもあります。

しかし「まちづくり」を進めていく上で地域における課題を解決しなくては、多くの住民にとって快適な「まちづくり」は実現しません。

では、地域が抱える課題にはどういったものがあるのでしょう?

世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進む日本。少子高齢化によって若者の人口が減少することは、リーダーとなり新しい「まちづくり」に参加するものが減るという意味において非常に大きな問題です。そしてこの問題は、地方ではさらに顕著となっています。

総務省が発表した平成30年度の「住民基本台帳人口移動報告」によると、都道府県間移動者数は253万5601人で、平成29年に比べ3万537人も増加しています。移動先の多くは東京、埼玉、神奈川、愛知、大阪、福岡などの大都市圏であり、実に39道府県は転出超過となっています。

さらに転出者の年齢を見ると、どの地域でも15歳~19歳がほとんどで、この結果から見て日本全体の少子高齢化に加え、地方での若者減少はより深刻な課題となっています。

地方において人口減少により生まれる課題は、単に「まちづくり」に参加するものが減ってしまうだけではありません。具体的には次のような課題が考えられます。

・シャッター商店街の増加、道路の劣化
・空き家の老朽化による倒壊の危険、犯罪の温床化
・芸術・遺跡といった文化の保護
・病院・公園といった公共施設の老朽化、減少

人口が減少していくことで、「まち」に活気がなくなります。また最近では巨大ショッピングモールの出店により、商店街のシャッター化が進んでいますが、さらなる問題は人口減少によりショッピングモールも撤退してしまうことです。商店街がなくなり、ショッピングモールも撤退してしまうことで、「まちづくり」がより一層困難になります。

また人口の減少により、空き家が増加することも課題の1つです。空き家となり誰も手入れをすることがなくなり、地震や台風といった災害時に倒壊してしまうリスクが高まります。

他にも、空き家に不審者が住みつく、違法行為が行われるようになるなど、犯罪の温床となってしまうリスクもあり、人口減少は「まちづくり」にとって大きな課題となっています。

都市部のまちづくりの課題

「まちづくり」の課題は地方だけかといえばそうではありません。東京や大阪、福岡といった大都市圏でもまた次のような別の課題が考えられます。

・高層マンションや大規模商業施設による日照権の侵害
・日常的な交通渋滞、排気ガスによる環境悪化
・建築物、屋外広告などの高さや色による景観の悪化
・人口の増加による居住地域・商業地域・工場地域・文化地域・緑化地域などのゾーニングの困難化

地方都市と比べ、大都市圏における「まちづくり」最大の課題は環境問題です。地方都市とは逆に人口が増加傾向にあることから、再開発による高層マンションや大規模商業施設の建設が続々と進んでいます。

これにより古くから住む人たちの日照権問題、ビルの高層化による景観の悪化といった課題が増えています。加えて、交通量の増加も環境悪化に拍車をかける結果となっています。

ほかにも、広くない土地に人口が増加することで、居住地域・商業地域・工場地域・文化地域・緑化地域などのゾーニングが難しくなっていること。道路や公共施設でのバリアフリー化が進んでいないことも、大都市圏での「まちづくり」の課題です。

地方と都市部で課題の内容は異なるものの、それぞれが「まちづくり」を進めていく過程で直面する課題は少なからず存在しています。

大分県のまちづくりへの取り組み事例

ここまでで、「まちづくり」の概要、「まちづくり」を進めていく上での課題についてはお話ししました。この概要と課題を踏まえ、大分県の「まちづくり」への取り組み事例をご紹介します。

【大分市】
大分市は大分県の県庁所在地で、市の中核となる大分駅周辺は郊外の大規模開発などの影響もあり、空洞化といった課題がありました。

そこで「中心市街地における都市機能の充実及び魅力づくり」を目標として、平成21年より「まちづくり」を開始しました。具体的な事業内容と指標は次の通りです。

<指標>
・道路、駅前広場、駐輪場を整備することで、市中心部の交通機能強化を図る。
・サインや都市施設を整備することで、回遊性を出し、にぎわいを創出する。
・これらの施策により安全で快適な居住環境の整備を充実させる。

歩行者通行量
31万8287人(平成20年)⇒35万人(平成25年)

まちなか滞留時間
36.0%(平成20年)⇒40.0%(平成25年)

地区内居住人口
2万1400人(平成20年)⇒2万1900人(平成25年)

<事業内容>
基幹事業としては、道路や公園の整備を行い、駅へのアクセス強化と交通ネットワークの充実。憩いと潤いの提供による快適な居住空間の形成。そして観光施設や公共施設への案内サインや駐輪場の整備による来街者への情報提供と円滑な誘導の実現。駅前広場やシンボルロードの修景による景観の創出。市民ホールや児童センターの整備による交流とにぎわいの創出を実施。

提案事業としては、まちなか出店サポート事業による中心部の空き店舗解消とにぎわいの創出。都市博物館モデルルートの策定による地域資源の活用と回遊性の向上。公共交通再編調査によるバスを中心とした公共交通再編策の検討。大分都心部南北軸トータルデザイン策定による人に優しい魅力ある都市空間としての整備。環境に優しい自転車のまちづくり啓発事業による自転車利用の意識向上と熟成。

上記のような事業を実施しています。

またこれらの計画策定プロセスにおいては、アンケートによる事前調査を行い、約84%の賛同を得ています。そして各施設については、ワークショップ、パブリックコメント、外部委員会による検討を行っています。

関連事業の遅れがあり、民間開発が当初の予定ほどは進んでいないことで、地区内居住人口や歩行者通行量が思ったような伸びを見せていないことが、現状の課題となっています。しかし引き続き、魅力あるまちづくりへの取り組みは進んでいます。

地域科学研究所の取り組み事例

最後に地域科学研究所による「まちづくり」への取り組み事例をご紹介します。

【地域の魅力発信サイト「地方発170便」制作運営】
「まちづくり」を行う上で最も重要なことは、その「まち」の魅力を知ることです。しかし、意識をすることなく生活をしていると、なかなかその魅力に気づくことができません。

他の地域に住んでいる方にしれば、その「まち」の魅力がわからなければ「そこに行ってみたい」という興味がわいてこないでしょう。

そこで地域科学研究所では、西日本を中心に170を越える市町村を訪れ、そこに住まう方々と交流を続けてきた強みを生かし、実際に見て感じたリアルな「まち」の魅力を届けるWebサイトを制作、運営しています。

地方発170便 https://170letters.com/

「地方発170便」ではWebサイトのほか、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSを通じて情報を発信。全国の方々とコミュニケーションをとり、日々地方の魅力をお届けしています。

Facebook https://www.facebook.com/170letters/
Twitter  https://twitter.com/chk_170letters
Instagram https://www.instagram.com/chiikikagaku_170letters/

【和泊町立内城小学校区 通学路安全マップ作り】
鹿児島の沖永良部島にある和泊町立内城小学校で、児童と保護者、先生や役場職員の総勢50名で通学路の安全マップ「歩こう!作ろう!和泊マップ」を作りました。

このマップ作りでは、地域科学研究所が扱うGIS(地理情報システム)が入った現地調査端末やアプリを使い、通学路を散策しました。普段、気づかなかったたくさんの発見があり、通学路グループごとにまとめた地図の発表会も行いました。こうした取り組みを行うことで、自分が住むまちの魅力再発見や興味喚起のお手伝いをさせていただいております。

【酒蔵ワークショップ】
大分県豊後大野市にて、大分県豊後大野市商工観光課様の協力のもと、市内の4つの酒蔵に訪問しワークショップを開催しました。酒蔵を見てまわり、そこで製造されたお酒を飲みつつ、酒蔵の方々と地域活性化やお酒の魅力について意見交換を行いました。

このワークショップの最大の目的は、豊後大野市で製造される麦焼酎の良さを知ってもらうこと、製造者の方の生の声を聞くことです。大分県は麦焼酎が有名なことで知られていますが、豊後大野市で本格麦焼酎や日本酒の製造が盛んであるということまでは、あまり知られていません。

そこで豊後大野市の酒蔵に訪問し、製造者の方の思いを聞くことで、地元の麦焼酎の良さを知ってもらおうという企画でした。

私たち地域科学研究所ではこうした企画をきっかけに、地域活性化やまちづくりに向けた提案を行うことで、地域のみなさんと一緒になって「豊かで活力のある地域社会づくり」を目指しています。

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