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コラム

AI(人工知能)ソリューションシステム

2019年10月7日

テーマ:地域科学研究所 事業案内

コラムカテゴリ:くらし

AI(人工知能)は、私たちの生活にとって身近な存在になっています。車の自動運転やスマートフォンのアプリ、スマートスピーカー(AIスピーカー)などが話題になっていますが、「活気ある地域社会づくり」においても必要な存在になりつつあります。

しかし、その一方でAIに対する懸念もしばしば話題になります。AIの現状やAIと地域とのつながり、私たち地域科学研究所が手がけるAIソリューションシステムについてご紹介しましょう。

AI(人工知能)について

AI(Artificial intelligence=人工知能)が、各メディアに取り上げられることが多くなっています。そのなかでも話題にされるのは、車の自動運転やスマートスピーカー(AIスピーカー)、AIを搭載したスマートフォンのアプリなどでしょうか。

ただAI(人工知能)については、その定義がまちまちで一定していません。現在のところ、AIについて無難な説明としては、「人間の脳が行っている認識、推論、学習という知的な作業をコンピューターで模倣したシステム」というところでしょう。研究者によって定義はそれぞれです。

現在のAI(人工知能)ブームは第3次のものと言われます。つまり、すでに1956年~1960年代に第1次ブームがあり、少し間をおいて1980年代に第2次ブームがあり、いまは2010年から始まった第3次のブームということです。
そして現在のブームの特徴は、AIが概念としてあるのではなく、すでに私たちの生活に身近なものとしてあり、AIの活用範囲が今後、確実に広がっていくとされている点です。

第3次AIブームの大きなキーワードは「ディープラーニング(深層学習)」です。コンピューターが多くのデータから自動的に特徴を抽出し、学習する仕組みです。
そして、ディープラーニングを実現するうえで重要なのが「ニューラルネットワーク」という、人間の脳の神経細胞の働き模した手法です。このニューラルネットワークの進化とコンピューターのデータ処理速度の飛躍的な向上が、「コンピューターが人間のように考える」という現在のAIにつながっています。


AI(人工知能)の現状について

AIには「特化型(Narrow AI)」と「汎用型(Artificial General Intelligence=AGI)」の2つがあります。

「特化型(Narrow AI)」のNarrowには狭いという意味がありますから、「特化型AI」は特定の領域に働くものです。話題になったところでは、囲碁やチェスの名人にAIが勝つということや、先に述べた人の音声を認識し、応答するスマートスピーカー(AIスピーカー)などが挙げられます。

そして、「汎用型(Artificial General Intelligence=AGI)」のGeneralは全般的・汎用という意味がありますので、「汎用型(AGI)」は特定の領域ではなく、複数の領域、さまざまな知的作業をこなすということになります。いまあるAIはすべて特化型で、汎用型はまだありません。

ここで、現在のAI(人工知能)ができることを種類別にご紹介しましょう。

(1)文章理解
「Google翻訳」などがその例になります。自然言語処理を行うAIです。

初期の機械翻訳システムでは、翻訳した単語を並べただけのような不自然な文章になっていましたが、現在は精度が格段に上がっています。
また、文章の中の重要度の高いセンテンスを抽出する、あるテーマを与えると文章を作成するなど、さまざまな進化を見せています。

(2)音声認識
人間の音声をコンピューターが認識して文章に変換したり、音声の特徴をとらえて話者を特定します。

話しかけると他言語に翻訳する翻訳アプリも登場しています。AIの自然言語処理に関連する技術の一つで、音声認識の精度の向上により、音声によって家電を制御するスマートスピーカーなども話題になっています。

(3)画像認識
監視カメラによる人物認識などが挙げられます。顔のパーツの相対的な位置や大きさ、目、鼻、ほお骨やあごの形などを特徴として抽出し、人物を認識します。

AIの進展はめざましく、サングラスをしていたり斜めを向いていても認証が可能になっています。若い世代から人気に火が付いた、SNOW(スノー)のような顔写真加工アプリもあります。

(4)推論
データをもとに未知の状態を予測するAIです。囲碁やチェスでAIが勝利をおさめたケースです。

囲碁やチェスのように勝敗のルールが決まっている場合、AIは人間の能力を凌駕する推論能力を見せます。過去の膨大な棋譜(データ)を学習し、指された手(新たなデータ)に対し、どうすれば勝ちにつながるかを推論します。

通販サイトでのおすすめ商品の表示などもAIの推論です。

(5)機械制御
車の自動運転が注目されていますが、産業用ロボット、建設機械などの制御にもAIが活用され始めています。ドローンによる宅配テストも話題を呼びました。

AIによる機械制御が、これまでのコンピューターなどによる自動化と異なるのは、AIがデータの持つ意味を理解し最適な制御を行う点です。

地域科学研究所のAI(人工知能)によるソリューション

私たち地域科学研究所は、「豊かで活力ある地域社会づくり」に貢献することを経営理念としています。

地場産業の育成、観光、移住者の受け入れ、子育て・教育、医療・介護サービス供給体制の整備、既存ストックの有効活用など、いま地方自治体はさまざまな面から「活力ある地域社会づくり」に取り組んでいます。その取り組みを持続するためには、自治体の経営自体が健全でなければなりません。

地域科学研究所の地方公会計AIは、地方公会計制度をトータルにサポートするシステムです。
総務省が推進している統一的な基準に基づいた財務書類の作成、固定資産台帳の作成支援、そしてアフターフォローまで総合的なサポートを行っています。

地方財政の健全化について語られる際、従来は不要な歳出の削減に重心がかかっていました。
従来の不要な歳出の削減は、地方財政の健全化に一定の効果を上げてきたのは事実ですが、現在多くの自治体に求められているのは、中長期を見通した持続可能な「地域社会づくり」です。

歳出削減によって生み出した財源を将来に向けてどう活かすか、という方向での検討も必要ですし、各自治体が持つ公共施設は過去の投資による資産と言えますが、その資産をどう維持するか、また、どう再投資していくかということも課題になります。

つまり、削減・縮小という観点と共に「最適化」ということが求められます。

当社のAI(人工知能)ソリューションは、財務諸表の解析、保有資産データなどの分析によって最適な施策をシミュレーションすることが可能です。

地方自治体の経営健全化は「活力ある地域社会づくり」の基盤になります。私たちが提供するAI(人工知能)ソリューションは、「豊かで活力ある地域社会づくり」を支援するシステムです。

固定資産税分野でのAI

固定資産税は、自治体の財政を支える大きな柱になっています。そして言うまでもなく、固定資産税については、土地や建物の評価が重要になります。

このシステムを完成させたことが会社としての大きな転換点となり、現在、私たちはGIS(地理情報システム)を活用した、適正かつ公平な課税を支援するシステムを提供しています。

私たちの固定資産税分野でのAI ソリューションは、正確なデータ収集とその解析による適正な課税、課税事務の負担軽減、効率的な事務運営をサポートします。

AIは人間の仕事を奪う?

総務省による「職場への人工知能(AI)導入の有無および計画状況」を見ると、日本とアメリカではAIの導入に開きがあります。

「職場に人工知能(AI)が導入されていると回答した人」「すでに導入されているが、これまでに一度も活用(利用)したことはない」を合わせた割合は、日本が約5%であるのに対し、アメリカは13.6%です。

そして「現在は導入されていないが、今後、導入される計画がある」という点については、日本は5.6%であるのに対し、アメリカは16.5%と約3倍の開きがあります。総務省は「これからの取組次第では、さらに差が広がる可能性も高い」としています。

「AI(人工知能)が進化・普及したらどうなるか」という問いに対し、よく挙げられるのが「人工知能によって、人間の仕事・職業が奪われていくのではないか」という懸念です。

オックスフォード大学の論文に「あと10年で消える職業やなくなる仕事」のリストが載せられ、話題になりましたね。

ちなみに、そこで挙げられた仕事は、銀行の融資担当者、スポーツの審判、不動産ブローカー、レストランの案内係、保険の審査担当者、動物のブリーダー、電話オペレーター、給与・福利厚生担当者、レジ係、娯楽施設の案内係など702の職種です。

10年後、この論文のとおりになるかどうか予測はできませんが、多くのコールセンターやカスタマーサポートセンターでは、AIによる「電話自動応答サービス」が導入されています。
お客さまの音声を自然言語処理でテキスト変換し、人工音声 API(Application Programming Interface)によってリアルタイムに回答を伝えるシステムです。

「AIが人間の仕事を奪う、奪わない」ということではなく、深刻な人手不足に直面しているコールセンターやカスタマーサポートセンターの業務をAIが補完しているということになります。

豊かな地域社会づくりとAI

「自治体戦略2040構想研究会」という研究会があります。総務省が開催する研究会ですが、65歳以上の高齢者の人口が最大となる2040年に、自治体が抱える行政課題の整理、今後の自治体行政のあり方・早急に取り組むべき対応策などを議論しています。

その「自治体戦略2040構想研究会」によれば、少子高齢化・人口減少によって2040年には現在の公務員の半数で行政を支えることになります。そして、研究会は半数の職員でも自治体が本来担うべき機能を発揮するためには、AI(人工知能)が必須としています。

AI(人工知能)による地域行政業務の効率化は、すでにさまざまな自治体で導入実験が始められています。

ある自治体では、市民向けのAI自動応答サービスにより、市民の利便性向上、市民対応の正確性向上に効果が得られたと評価。
成果として、全職員がAIサービスに触れることで今後の行政分野におけるAI活用に有用な知見が得られたこと、そして、AIを活用した新たな業務効率化のアイデアが生み出されることが期待されるとしています。

これからの地域社会にとって、AI(人工知能)による人間の仕事の補完はなくてはならないものです。

地域科学研究所は、これまで3000を超えるプロジェクトに取り組んできました。私たちは公共イノベーション専門会社として、「豊かな地域社会づくり」に向けたA1ソリューションシステムをご提供します。

この記事を書いたプロ

西田稔彦

地域に新しい価値をつくり、まちや人を輝かせるプロ

西田稔彦(株式会社 地域科学研究所)

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