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昆知宏

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昆知宏(こんともひろ) / ファイナンシャルプランナー

新潟住まいのお金相談室株式会社

コラム

住宅も残価設定ローンがまもなく登場か

2020年11月2日 公開 / 2020年11月27日更新

テーマ:★失敗しない!住宅購入情報★

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 住宅ローン 審査住宅ローン 固定金利住宅購入 諸費用

車を買う時によく登場する支払い方法。

それは【残価設定ローン、残クレ】。



先日私も車がもう壊れそうなので

ディーラーに車を見に行ったら、



特に指定したわけではないのですが

見積が残価設定タイプになっていました。



私は車はローンで買いたくないので

現金で買える額の車しか候補になりません。



残価設定をおさらいすると、



購入時に本体価格約60%前後を負担し

負担分のローン支払いが終了したときに

下取りとして手放して終了するか、

残高を一気に払って買い取る。



こういうスタイルですね。



メリットとしては、

例えば300万円の車でもその60%の

180万円分のローン負担だけで済み、



ローンが終わったら下取りに出すことで

また新車に乗り換えられるということです。



つまりそれほど大きな負担にならずに

新車に無限ループで乗れるというわけです。



ディーラーもその車を再度販売する

ことができるわけですから、



その車を中古販売した利益に、

また再度残価で新車が売れるという

二重取りが狙えるわけです。



しかも残価は自社ローンの斡旋になるので

そこでの金融的な利益も出ます。



顧客がいれば利益も無限ループですから

オススメされるのは確かに頷けます。



ただ勘のいい方というならお分かりと

思いますが、



ここまで売り手に有利な構造が

買い手にとって有利かと言えばおのずと

答えが出るのではないでしょうか。





実質は長期契約のレンタカーのようなもの









残価設定型ローンは将来、下取り前提。



もしくは残価支払時にまとまったお金を

出す必要があることからあまり

自分の車という認識ではありません。



お金を払ってお借りしている。

これがしっくりきますね。



ネットを見ていると、



「残価設定は賢いお得な買い方!」



と称賛されていますが記事風の広告で

あったり小さい字で”広告”と

入っていたりします。



この方法で売りたいことが明確です。



私も以前に残クレを提案された時に

そんなうまい話あるのか!?



と営業マンに根掘り葉掘り聞いた

ことがあるのですが、



1年で規定の走行距離以上走ると

査定の対象外。



自分が100%悪くない事故でも

事故ると対象外。



大きな傷がつくと対象外。



対象外とは数年後に自己負担なしで

下取り対象の対象外ということで、



残価が終われば次の新車にチェンジが

できなくて、



そのまま全額買い取るか、

この時の査定額の差額を支払って

手放すかという選択になります。



買い取れれば別にいいのですが、

自己負担ゼロで手放す前提だったのが



手放すのに追加料金がいるという可能性が

あるというのが個人的には嫌でした。



神経をすり減らして運転をして

走行距離まで制限されるとなると

なんか疲れてしまいます。



所有しているようで実態は制限が多い

賃貸ということですね。



車の話はここまでにしておいて、

実はこの残価型が、



”住宅にも”



検討され始めているのです。



そして始まればきっと結構売れる。

と私は思っています。





住宅の残価型はきっと魅力的に映る








例えば3,000万円の土地建物が

30年残価型で1,500万円ローンという

商品ができたとします。



3,000万円相当の土地建物だけど

1,500万円分の30年ローンでOKだから

月々に返済は何と4万円台~!



30年後にそのまま住宅を手放すか、

1,500万円で買い取るか選択できます。



なんてきたらいかがでしょうか?



退職金をあてにすれば悪くない商品だし

将来的に実家に住むかもしれないとなれば

そのまま手放すのも悪くないでしょう。



手放すにしても1戸建てに、



”30年たった月々4万円ほどで住める”



なんて夢のようです。



賃貸と比較しても優位性があるので

この手の商品は売れると思います。



好立地に土地にある物件であれば将来的に

価値がそこまで目減りしませんから



残価設定も車よりも読みやすいと

判断もできます。



うまいように使えば人によっては

ハマるかもしれないという印象です。



ただ、実体的には仕組み自体は車と

変わらないはずで永住したいと思っても、



「30年後に1,500万円も出せないよ!」



という方が実際は多いと思いますし、



そこで住宅を手放して次はどこへ行くのか?

という問題も発生します。



再度残価ローン組もうと思っても

高齢化している審査には通りにくい

という現実があるでしょうし、



老後の住宅難民になってしまうリスクも

当然併せ持つわけです。



最も恐れるのは家の手入れが悪いなどの理由で

手放すのにもかかわらず追加料金の

請求が発生するなどのケースです。



現状車では既にルール化されているため

家も同じようになることが想定されます。



買いやすくなのには間違いありませんが、

長期的なライフプランを視野に入れてないと



とんでもないことなるリスクは金額の桁が

違うので車の比にならないでしょう。




国も検討しており空想の話ではない








住宅の残価設定ローン。



これは空想ではなく実際に国が検証レベルで

商品開発を行っている段階です。



今後リリースされるのは時間の問題とも言えます。



流通を活発にされるために仕組み的には

悪くないと思います。



ただしファイナンシャルプランナー的な

観点で見ると必ずしもそれがあなたにとって

お得な買い方になるとは限らないということです。



別に残価で買わなくても、



資産価値をあるものを選んで普通に購入し

一定期間経過したら売るのと大きく

違いはないからです。



諸費用的にはその方が有利のようにも

思います。



違うところと一番大きな点は、

残価型の場合は



「毎月の返済資金が少なくて済む」



というところになります。



今は銀行ローン自己資金なしの

通称フルローンで融資を付けてくれるので、

購入しようと思った時に、



【貯金のありなし】



は関係ありません。



繰り返しますが、



【貯蓄が少ない、毎月返済の余力も少ない】



という方に残価型は魅力に映るはずです。



でもよく考えてみてください。



普通に考えてみればこの状態で

家を手に入れる事って本当に大丈夫でしょうか?



結局は問題の先送りに過ぎないのです。



でも家も車もリスクは一緒。

そんなうまい話はないのです。



そもそも長期的に見て返せるのか?

家計にとって妥当な額なのか?



大きな買い物の前には冷静になって

原点に立ち返ることが大切なのです。

この記事を書いたプロ

昆知宏

マイホーム購入のお金の不安や疑問を解決するプロ

昆知宏(新潟住まいのお金相談室株式会社)

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