介護現場で働く人の負担を減らしたい。理想の職場環境に近づくための介護服を開発（3/3）

「介護はもっと楽になってもいい」。未来の介護業界のためにできることを

　要介護者の数は増えているのに介護職員が集まらない…。
そんな介護業界の悩みはあちらこちらから聞こえてきます。介護の重労働を少しでも解消できれば人材不足の解消につながるのではないかと谷尾さんは考えます。

「今の介護業界には、介護で楽をするのは後ろめたいというような空気が流れています。でも、介護する人だけでなく介護される人のためにも、技術に頼れる面はどんどん頼るべきです」

　どんなに志が高い人でも自分の限界を超える仕事量に追われ続けると、人に厳しい態度を取ってしまうものです。介助する人が気持ちに余裕をもって『悠々楽々』な介護することで、要介護者もより心地よいサポートを受けることができるのかもしれません。

「介護業界はもっともっと楽になっていい」と話す谷尾さんは、介護服を上手に活用することで介護施設の人材不足の解消にも貢献したいと考えています。

　今後は自ら開発した介護服の普及に力を入れながら、入浴介助に役立つ商品開発にも意欲を見せる谷尾さん。思いやりがベースになった介護商品が日本の超高齢化問題に明るい解決法を提案してくれそうです。

（取材年月：2019年9月）

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⇒介護福祉士として認知症対応の経験が豊富。