谷尾正明プロのご紹介
介護現場で働く人の負担を減らしたい。理想の職場環境に近づくための介護服を開発(2/3)
介護の現場に役立つ商品を。試行錯誤の末に誕生した本当に求められる介護服
電機メーカーでの技術開発職を経て、新商品の試作品製作の会社を経営していた谷尾さん。電気機器の技術者から介護の道へと方向転換したきかっけは最愛の母の死でした。会社経営に忙殺されて実母の死に目に会えなかったというつらい経験が、介護の世界に目を向けさせたのです。
「介護業界への興味が募り、会社を妻に任せて介護施設にアルバイトに行きました。そこで見た現実は衝撃でした。次々と新商品が生み出され便利さが増す世の中で、介護業界だけが昔ながらの人的作業のまま。まるで時代に取り残されているように感じたのです。介護する人の負担が大きい職場環境を改善するために、自分の技術者としての経験を生かしたいと思いました」
ひとりの職員が30人の要介護者を担当することも少なくない現場で、排泄介助はもっとも手間がかかる仕事のひとつ。寝たきりの重症者の場合、服を脱がせて、おむつを替えて、また着せて…と、時間も体力も大きく消耗します。介護する側も介護される側も幸せになるような介護服を作ろうと決意した谷尾さんは、さっそく企画開発にとりかかりました。
重度の介護についてリサーチするために数々の介護施設へ連絡を取った谷尾さんでしたが、調査協力を快諾してくれたのはわずか1割ほど。反応の厳しさに心が折れそうになりましたが、2018年に地元の奈良県主催で行われたビジネスアイデアのコンペ「ビジコン奈良2018」に入賞したことが大きな励みになりました。谷尾さんの介護服プロジェクトが最終選考に残り、南都銀行賞を受賞したのです。「自分のやろうとしていることは間違っていない」と開発に邁進し、ついに2019年6月、『悠々楽々』の販売開始にこぎつけました。
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