コラム
三六協定について~労働基準法違反とならないために~
2016年10月4日
三六協定とは、労働基準法36条に基づく労使協定で、「さぶろくきょうてい」と呼ばれることが多いです。
会社が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた時間外労働を命じる場合、必要となります。
会社が法定労働時間以上の残業や法定休日出勤を従業員に課す場合には、本来は労使間で「時間外労働・休日労働に関する協定書」を締結し、別途「36協定届」を労働基準監督署に届け出ることになっています。
ただし、この「36協定届」に労働者代表の署名又は押印がある場合は協定書と届出書を兼ねることができます。
就業規則の作成と届け出は常時10人以上の労働者を使用する使用者と規定されているのに対し、36協定は労働者がたった1人でも法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合、又は、法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には、届け出が必要となります。
届け出をしないで時間外労働をさせると、労働基準法違反(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)となります。
しかし平成25年10月に厚生労働省労働基準局が発表した調査によると中小企業の56.6%が時間外労働・休日労働に関する労使協定を締結しておらず、そのうちの半数以上が「時間外労働や休日出勤があるにも関わらず労使協定を締結していない」=「違法残業を課している」ということが判明しております。
企業間の競争が激化するなかで今や残業や休日出勤が全くない企業というのは珍しく、多くの企業にとってこの「36協定」は無視することのできない存在となっています。
その中で実情としては労働基準法の内容を正しく理解していないがために、意図せず違法残業を強いてしまっているケースも少なくないようです。
【解説】
*法定労働時間;労働基準法で定められた労働時間の限度を言います。
原則は1日8時間、1週40時間と定められています。
*所定労働時間;会社ごとに就業規則や雇用契約書で定めている労働時間を言います。
労基法32条の定める1週40時間・1日8時間という労働時間の原則は、あくまで各週や各日ごとに規制を行うものです。
そのため、ある週の労働時間が40時間を超えたり、ある日の労働時間が8時間を超えたりした場合には、他の週や日の労働時間がいかに短くとも、労基法の上限を超えることとなり、労基法36条に基づく労使協定を締結するなどの措置をとらない限り法違反が成立します。
少しでも残業が発生しそうな事業者様は、三六協定書を、労働基準監督署に提出することをお薦め致します。三六協定に関する御相談、承っております。当事務所と提携する社会保険労務士が対応いたします。
最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
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