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米澤吉二

確かな腕と目利きで、住まいや車を美しく修復するプロ

米澤吉二(よねざわよしじ) / リペア・メンテナンス

トータルリペア工房吉楽

コラム

「土壁(寿楽壁)に付いた染み消し」リペアの紹介

2022年11月24日

テーマ:土壁(寿楽壁)汚れ消しリペア

コラムカテゴリ:住宅・建物

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佐久市「海鮮問屋ごうさんの土壁汚れ消し」奮戦記!

「土壁(寿楽壁)の汚れはムリ!」


佐久市の「海鮮問屋ごう」さんでエアコンの清掃をしていたころ、清掃中の汚れた排水が壁に付着。すぐに拭いたものの汚れはさらに広がり困っている。何とかならないかと相談がありました。

内装屋さんや、塗装屋さんにも相談したものの「土壁(寿楽壁)は無理でしょう。水が掛かっただけで痕が残ってしまう...。」
ただ、「トータルリペアはやるかもしれない?」ということで話がもちこまれました。

居酒屋さんにとっての、「土壁(寿楽壁)の弱点」

自然で素朴な美しさをもった、わびさびの世界の土壁(寿楽壁)ですが、居酒屋さんにすると、どうしても傷や汚れが付きやすくクロスに貼り替えの方向でいるそうです。ただ年末を控えたこの時期に対応はできない。
このまま客間として使うのも気が引けてしまう。今回のリペア依頼はこうした背景があることを聞き、補修の方向で検討することにしました。

「土壁の汚れ落し」は住宅リペアのやり方ではできない

住宅リペアはフローリングや建具、柱などの木部、アルミサッシなどのアルミ建材、窯業系のサイデイングなどで、いずれも多少の水や溶剤にはビクともしない素材です。
また、土壁の汚れを消すには周りの色と同色の色を作れて、下色を覆い隠す隠ぺい性の高い顔料が必要です。しかも、塗装した箇所が濡れた状態にならないよう塗ったそばから乾燥する、塗装の仕方が必要なります。トータルリペアで用意されている住宅リペアの材料ではどう考えても使えそうにありません。



自宅の壁でテスト塗装

悩んだ末、自動車のシートなどの補修に使う塗料を用いてスプレーガンで吹き付け塗装する以外に方法はないだろうに行きつきました。
自宅の土壁で汚れのある個所にテスト塗装したところ、なかなかの仕上がり「行けるかも」日程を調整しリペア決定です。

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「海鮮問屋ごう」さんの第一印象「おっ!美味そう!」

「ごう」さんは佐久平駅前の国道141号線をはさんで東側に位置します。建屋は落ち着いた趣きのある外観で店内に入ると「おっ!美味そう!」と声が出そうな食材の写真がセンス良く貼られています。

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排水が直接流れた箇所は壁が浸食

店内は幾つかの個室に分かれ問題の壁はもっとも大きな客室の床の間でした。
写真からある程度は覚悟していましたが、エアコン直下の排水が直接掛かった部分は壁自体浸食されていて、幾つかの溝が川のようについています。
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この筋のような凹みをどうすべきか?パテ埋めし、表面の粗さとほぼ同じにできたとしても、吸収性の高い土壁と吸収性の悪いパテでは同じ塗料を同じに色付けしても、吸収性の悪いパテの方が艶も彩度が上がってしまいます。

「ひたすら削る」が唯一の下処理

削る以外に方法がない。240番のサンドペーパーで浸食された部分を削ってみましたが、表面の粗さが滑らかになってしまい、ペーパーを120番に変更。「いいじゃない!」表面粗さはオリジナルにかなり近づきました。
浸食部分と汚れた部分、きれいな部分に段差が残らないようサンドペーパーでひたすら削ること2時間。時計の針は11時を指しています。開店が5時だから余裕だね。と思いながらも調色が手ごわそうなので早速調色作業にかかります。



色が合わない!調色作業大苦戦!


果たして同じ色が出るのか?調色は白をメインにベージュと幾つかの色を少しづつ足しながら、実際に壁に筆塗し進めます。お昼を挟んで調色作業はさらに続きます。筆に付いた塗料と壁の色とはほぼ同じに見えるのですが吸水性が良すぎるためか実際に塗って見ると、違ってきます。「調色で行き詰まったら吹いてみる」で吹付け塗装をしてみると、「あー!白い!」

何!3時開店!顔面蒼白!


まだ調色も完了してないところへ奥の方から「3時開店だから急げ」と声が聞こえました。
「エッ! 5時じゃないの!?」 ん? 「誰が5時だと言ったんだ!」 ひとり言の多いおじさんはよく考えました。自分で勝手に5時だと判断していたらしく、その時は顔色が真っ青だったと思います。

スプレーガンの塗料をミキシングカップに戻し調色再開です。オリジナルの色はもう少し紫がかったベージュです。赤、青、を数滴、ベージュを足して再塗装。やっと色が合いました。しかし、この時すでに2時5分前。調色に2時間もかかったのは開業当初を除けば何年ぶりだろう。壁塗りの難しさをしみじみ感じました。3時に開店には、片付けを考えれば2時半には終了させたい。残り30分。

ますます焦る気持ちを抑え、エアー高め、塗料少な目のスプレーガン設定で、ドライヤーはターボ全開設定。吹き付ける傍から乾燥完了状態にしながら塗り進めること30分。

作業完了しました。

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丁度店長も来られ「おー!すごい!」「充分!充分!汚れる前の状態よりきれいだよ」と、大変喜んでいただけました。
「こんどは佐久の方にも是非食べにいらっして下さい。」と丁寧にねぎらっていただきました。店長も正直ハラハラだったと思います。


あと片付けをし機材を車に積み込んだのが3時10分前でした。

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