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常盤直孝

スポーツ選手や働く人の身体の不調を調整するトレーナーのプロ

常盤直孝(ときわなおたか) / 理学療法士

フィジカルケア宮崎

コラム

諦めていませんか?その痛み

2021年1月28日 公開 / 2021年2月8日更新

テーマ:痛みの対処法

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: 五十肩 予防腰痛 対処膝の痛み

 私は普段は痛みのある方に、身体の動きや姿勢などを評価して痛みの要因を確認し、施術やエクササイズなどを通して姿勢や動きが改善し、痛みが軽減することを経験します。クリニックで正確な診断をして頂くことは、当然ですが非常に重要です。痛みには大きな病気や病態が隠れていることがあり、医師の先生方にまずは診察を受け、そうした問題がないかどうかを確認していただきます。その結果、仮に「変形性関節症」や「肩関節周囲炎」、「腰椎椎間板ヘルニア」などの診断を受けていても、痛みに対する対応は可能であり、その人にとって適切な運動や日常生活で注意すべきことを守れば、痛みとうまく付き合っていくことは可能です。先日は、10年前から足の親指が痛く、原因は痛風や外反母趾であると言われた方が来られました。この方に痛風があることは間違いなく、内服(お薬)でコントロールされている状態でした。外反母趾もあり、腫れも少しありましたが、足の指の痛みの要因は、外反母趾を呈してしまった体の動きや方や、それに伴う足の指の使い方にあると考えました。そこで徒手的に骨盤や足の動きを変える施術を行い、しっかりと体重を支える機能を獲得するために骨盤や体幹の柔軟性改善とエクササイズを指導したところ、10年続いた足の親指の痛みは消失しました。この方の場合、痛みがまったくなくなり、痛みなく歩いたり階段の上り下りが出来るようになりました。変形やヘルニアなどの器質的要因が、痛みと必ず一致するとは限りません。動きや体重のかかり方を変えることで、痛みが変化したり、楽に歩いたり動けるようになることは、珍しいことではありません。

変形があるから必ず痛いわけではない

 変形性関節症の方にも、同じことがいえます。この場合の変形は、骨棘(レントゲンなどで尖って見える骨の部分)と考えると、変形の程度がひどいから痛みが強いというわけではありません。変形はそんなにひどくなくても、痛みは強いこともあります。軟骨がすり減ってきている場合も同じです。ただし、軟骨がすり減っていると関節にかかる力(重力)をうまく吸収する機能が低下しているので、痛みが出やすい状態といえます。軟骨のすり減り具合によっては、手術も考える必要があります。
 骨棘など関節が尖って変形するのは、荷重を受ける面積を広くし、しっかりと関節にかかる力を支え、力を伝え、歩ける関節の環境を確保するためのものであり、生体防御反応であるといえます。単に加齢に伴う反応というだけではないのです。したがって、変形の程度にもよりますが、必ずしも変形があるからといって、すぐに手術をすべきとはいえないのです。手術をするかどうかは、関節の病態がどの程度進行しているのかという器質的要因の解釈および分析が重要であることと、ご本人がどのような生活を送りたいのかという、人生の質をどのようにとらえるかによって変わってきます。関節の変形や痛みも、ご本人の考え方でうまく付き合ったり、思うような人生を送ることも可能なのです。

施術と運動療法で痛みをコントロール

 これまで理学療法士として30年以上整形外科に勤務してきました。手術後の患者さんもたくさん見てきましたが、私の場合、おおくは手術をしないで痛みをコントロールする保存的理学療法に費やしてきました。その間、患者さんの期待に応えられずに悔しい思いを何度もしてきました。同じくらい、患者さんの期待に応えて喜んでもらえる場面もたくさんありました。うまくいかなかったことが、私の大きな糧となり、悩んでいろいろなことを学んだことが、非常に大きかったと思っています。今は情報が溢れる時代ですが、昔は情報は不足し、どんな情報が正しいのかわかりませんでした。情報の解釈やどの情報がその人にとって適切なのかは、患者さんを施術し、治療した結果からしか得られませんでした。運動器学会などを通して、多くの日本のトップの理学療法士の先生方ともたくさん意見を交わしてきましたが、その結果わかったことは、重要なことは患者をしっかり見るということでした。教科書や学会でいわれていることが正しいのではなく、患者さんの意見が私が成長する拠り所でした。この考えは、情報が溢れる今の時代でも変わりません。情報を見ることも重要ですが、もっと重要なのは「人」を見ることなのだと思っています。
 「基礎研究は役に立たない」といわれた、基礎研究の第一人者の先生がいます。この言葉にはさすがに驚きましたが、この先生の真意は次の言葉にあります。「基礎研究は、臨床の源泉である。基礎研究と臨床の間には死の谷があり、それを繋ぐのは臨床の最前線で患者に向き合うセラピスト自身である」と。この言葉は、私の心の奥に深く刻まれています。まさにその通りです。病態を適切に判断し、機能障害と向き合うことで痛みの対処法は変わってきます。これからも、「人」に寄り添う仕事をたくさんしていきたいと思っています。
 弊社では、施術と運動指導で痛みの予防と対応を指導しております。腰や関節の痛みでお困りの方は、是非ご連絡ください。

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