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コラム
歩き方と痛み
2021年1月4日 公開 / 2021年2月8日更新
先日来られた方のお話です。足の外側が痛くなり、整形外科クリニックに行ってレントゲン検査をしたところ、骨折はしていないと診断されたとのことでした。数日安静にしていれば痛みは取れるだろうと。しかし、数日しても痛みはまったく変化しませんでした。みなさんならこの場合、どうされますか?「骨折していないと言われたのに、何故痛みが取れないのだろう」と不安になることでしょう。整形外科クリニックの一番の機能は「プライマリーケア」。つまり「骨折や重い病気など重症な症状がないかどうか」を判断することです。今回の場合、まず大きな問題はないと判断されたということになります。でも痛みが取れないのはなぜか。考え方はいろいろあると思いますが、骨折がひどくない場合、受診したときにはレントゲン検査をしても骨折線がはっきり写らない場合もあります。その後、自宅に帰ったり仕事や部活で動いていると、徐々に負荷がかかることで骨折線が見えてくることがあります。最初に見て頂いたクリニックの先生が見落としているわけでもなく、受診する時期が早くて骨折線がずれていない場合は、こうしたことが起こります。その場合は、再度、最初に受診したクリニックを受診されることをお勧めします。レントゲン検査だけでははっきりしない場合は、MRI検査など他の検査で骨折がわかる場合もあります。1度の受診だけで判断はしない方が無難ではないかと思います。整形外科の先生に、症状を細かくお伝えするためにも、どんな動作でどんな時に痛くて、痛みの種類はズキッとした痛みで、歩く時だけ痛いなど、詳しく伝えて頂けると、先生方も判断がしやすくなります。
歩き方で痛みが軽減する
上記の方のように、はっきりとした受傷機転がない場合、その人の姿勢や歩き方の特徴が痛みを生じさせることがあります。そしてこれらの痛みは、歩き方に気を付けて歩き方を変えることで痛みが変化するレベルではないことが多いです。骨盤の動きや背骨の動き、股関節の動きや足の機能を変化させることで姿勢や歩き方が変化し、痛みが軽減することがあります。足には、片方で28個の骨がありますが、なぜこれだけ足の骨の数が多いかというと、身体の重みから足部に生じる負荷を緩衝し、身体を支え、歩くために前に推進する力を生み出すために、非常に効率的な構造をしています。人の身体の動きは、そもそもとても緻密なのですが、足部は膝や股関節、骨盤や背骨、肋骨や頭の動き、腕の動きにも影響を与える、とても重要な緻密な機能を有しています。そのため、「歩き方が悪い」といっても、自分自身でコントロール出来ない動きも数多くあるのです。
歩き方や動きを調整する
足の指や足関節など部分的な筋機能が低下したり、関節の動きが悪くなったりすると、膝関節や股関節、骨盤の動きにも影響し、腰痛が発生したりすることがあります。冒頭の方は、歩く時の足の機能が低下しており、皮膚テーピングや徒手療法で足の機能を調整し、足の指や足関節の筋力、可動域、動き方を調整することで痛みが消失しました。骨折していなかったということです。早期にこうした動きの異常を発見し対応すると、痛みの発生を事前に予防することも出来ます。悪い動き方を変化させなければ、痛みは軽減しにくいということになり、疲労骨折にも繋がる可能性があります。こうした調整が必要な方は、数多くいらっしゃることと思います。痛みが生じたら、まず整形外科の先生方に診て頂くことが基本ですが、大きな問題がないといわれた場合は、身体の機能を改善することで痛みが軽減したり、予防することも出来ます。そのためにも自分の身体の特徴を知ることが重要です。
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