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コラム

遺言書の重要性~具体的事例から考えます~

遺言

2017年9月30日

今回は、具体的な事例から遺言書を残す重要性について考えたいと思います。

 甲さんは,中規模の農業経営者であり,3人の子供がいました。2人の子供(二男と長女)が家を出て独立後は,農業経営を手伝う長男家族と生活を続けてきました。
 長男は子供が小さいころ亡くなり,その後甲さんの妻も亡くなった後は,長男の妻が中心となって甲さんの後を継いで農業を続けてきました。
 甲さんは,自宅の土地建物や農地等の主だった財産を,長男の妻や孫に残して農業を続けて欲しいと考え,長男の妻にはその旨の話をしていましたが,遺言書の作成はしていませんでした。

 甲さんは,長男の妻に老後の世話を受け,安らかに旅立っていきました。

 甲さんの葬儀が終わった後,二男から遺産分割の話が出ました。長男の妻は甲さんの生前の意思を話しましたが,二男は法定相続分の3分の1に見合う財産の取得を主張して譲らず,長女も当初は甲さんの意思どおりにしたらどうかと二男を説得してくれましたが,その後,自らも法定相続分の3分の1に相当する財産の取得を主張するようになりました。

 甲さんの相続人は,長男を代襲相続する孫,二男,長女の3人であり,甲さんの農業経営を事実上継承し親身になって世話をした長男の妻には相続権がありません。
 したがって,甲さんの遺産について法定相続分に従った遺産分割を行うとすれば,長男の妻や孫には,孫の代襲相続分である遺産の3分の1に相当する財産しか残りません。
 ことに,長男の妻や孫が住んでいる土地建物を取得しようとすれば,宅地の価値は農地に比べて評価額が格段に高いため,農地の全部を手放さざるを得ないことも考えられ,必然的に農業経営は破綻せざるを得なくなります。

 このような事態を回避するためには,甲さんが生前に遺言書を作成し,長男の妻や孫に全部の財産を遺贈あるいは相続させる旨の遺言をしておくべきでした。
 そうすれば,長男の妻や孫は,少なくとも全部の財産のうちの3分の2に相当する遺産を確保することができ,二男や長女への遺留分相当額を価格賠償することにより,その農業経営を維持することが可能となるはずです。 

 この事例の場合,甲さんは,残される者のことを考え,自らの意思を明確にしておくためにも,遺言書を作成しておくべきでした。

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