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コラム

脳血管障害による障害年金請求のポイント

2019年3月17日

テーマ:手続きの進め方

脳血管障害による障害年金請求について解説します。

提出する診断書の選択

2つ以上の障害がある場合には、個々の障害の程度を足し上げて上位の障害等級として認定されることがあります。
脳梗塞などの脳血管障害では、高次脳機能障害を併発することが多いため、肢体の障害用と精神の障害用の診断書を提出することを検討します。
なお、失語症については、言語機能の障害用の診断書を提出する必要があります。
※診断書を複数枚提出したからといって必ずしも上位等級に認定されるわけではありません。診断書の費用負担は軽くはないため、慎重に検討してください。

障害認定日

障害認定日とは、障害の状態を審査する日であり受給権が発生する日です。原則の障害認定日は、初診日から1年6か月経過した日ですが、脳血管障害による肢体の機能障害は、リハビリによる機能回復が期待できないと認められるときは、1年6ヶ月を待たずにその時点を症状固定日として障害状態の審査を受けることが可能です。(これを「認定日の特例」といいます。)
一方、高次脳機能障害は、代償機能やリハビリによる好転も見られることから、原則どおり1年6か月経過した日が障害認定日です。 

認定日の特例の効果

認定日の特例により、原則の1年6ヶ月経過した日よりも前に受給権が発生するということになりますが、これには2つの側面があります。
ひとつは「時期」です。障害年金の請求が可能となる時期が早まるため、実際に年金が支給される(振り込まれる)時期も早まります。
もうひとつは「金額」です。障害年金の請求手続きが遅れた場合であっても受給権発生日に遡って年金が支給されますので、認定日の特例に該当する場合は、遡って支払われる年金額も増額します。(遡及して支払われる年金は最大で5年分です。)
このように請求時期によって年金の支給時期が早まるか、遡って支払われる金額が増額するか、いずれかの効果が発生します。

請求書を提出する時期の選択

上記請求時期の違いによる認定日の特例の2つの効果について、以下の事例で具体的に検討してみます。
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〇脳出血による肢体の障害及び精神の障害
〇初診日:平成26年6月5日
〇肢体の障害は、症状固定日である平成26年12月5日が障害認定日
〇精神の障害は、初診日から1年6ヶ月経過した日である平成27年12月5日が障害認定日
〇障害等級は、それぞれ2級に該当する。
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請求パターン①「平成27年12月5日以後に肢体と精神を同時に請求」
請求パターン②「平成26年12月5日以後平成27年12月5日前に肢体のみを先行して請求」

請求パターン①では、肢体の症状固定日(平成26年12月5日)に肢体に係る2級の障害年金の受給権が発生し、年金はその翌月平成27年1月分まで遡って支給されます。また、精神の診断書の現症日の翌月分から1級の年金に増額改定されます。
認定日の特例に該当しない場合に比べて1年分多く遡って支払われますので、これは「認定日の特例の効果」で述べた「金額」の効果にあたります。

請求パターン②では、年金が支給されるのはパターン①と同じ平成27年1月分からですが、通常よりも1年早く請求できるため、その分早く年金が支払われます。これは「認定日の特例の効果」で述べた「時期」の効果にあたります。
精神の障害については、額改定請求という手続きにより認定を受けることになりますが、この請求は肢体の障害に係る受給権発生日から1年経過後(平成27年12月6日以降)でなければ行うことができません。額改定請求により年金が1級に増額改定されるのは、請求日の翌月分からです。

問題点

上記の事例では、肢体の症状固定日が初診日から6ヶ月後であるため特に目立たないのですが、症状固定日が1年後の平成27年6月5日である場合はどうでしょうか。

請求パターン①では、肢体の症状固定日(平成27年6月5日)に遡って肢体に係る2級の障害年金の受給権が発生し、年金はその翌月平成27年7月分から支給されます。また、精神の診断書の現症日の翌月分から1級の年金に増額改定されます。
請求パターン②では、年金が支給されるのはパターン①と同じ平成27年7月分からですが、精神の障害について認定を受けるための額改定請求は、肢体の障害に係る受給権発生日から1年経過後(平成28年6月6日以降)でなければ行うことができません。
特例の効果により、通常よりも6ヶ月ほど早く請求できるため、その分早く年金が支払われますが、精神の診断書を提出し1級に増額改定されるのは、平成28年7月分以降になります。パターン①と比較すると1年遅れになります。

このように請求時期の違いにより、1級の年金に増額改定される時期が1年も違ってくるため、よく検討して請求方針を決定する必要があります。
※なお、パターン②のケースで、精神の障害について額改定請求ではなく、1年6ヶ月経過時点で新規裁定請求が可能であるかを厚生労働省年金局事業管理課に問い合わせたところ、精神の認定を受けるためには肢体に係る受給権発生日から1年経過後に額改定請求を行う必要があり、新規裁定請求はできないとの回答でした。

まとめ

障害年金は提出する診断書の内容が重要ですが、提出する診断書の種類や請求する時期についても検討を要することがあります。
医師にどのように相談すればよいのかわからない、年金事務所の指示に対応できないなど、お困りの際はお問い合わせください。

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