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コラム

介護事業所の継続性

2019年7月8日

テーマ:介護諸々

[2019年上半期「老人福祉・介護事業」の倒産状況 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190704_03.html]

訪問介護事業所の倒産件数増加を考えてみます。
訪問介護において、人材確保と収益確保が喫緊の問題です。(どの事業もですが)


東京商工リサーチ ニュース記事より引用 よ
                図:東京商工リサーチより引用

採用面で見ると、20歳代のスタッフは現状少ないかと思います。
また正社員よりはパートさんのスポット対応が多く、自分の好きな時間で仕事ができるメリットと希望収入確保の、バランスを取ることが難しくなる場合があります。


では若手をどんどん積極的に採用しよう!と考えますが、
訪問介護は一人でサービス提供するという閉鎖性とお互いの相性みたないものもあり、なかなか経験の浅いスタッフを導くことは難しいかもしれません。


例えば、26歳未満の職員を運転させないのはいかがなものか?的な話がありますが、
それは実態をあまりにも知らない、事業者目線でもないただの机上の空論、批評家なだけですね。

訪問をやりたい若手に対して、その向上心はもちろん素晴らしい。

ただその若手が普段から車を運転しているかどうかも加味しなければなりません。若いスタッフは、ファミリーシェアの場合が多く、運転経験値も浅いことが容易に想像できます。


運転技術の未熟なスタッフに運転をさせることは、年齢問わず、事業者としてのリスクとなってしまいます。

もし、訪問やりたい!と言って運転させて業務に当たらせる。
物損事故ならまだしも、人身事故が起こった際、その若者の気持ちはどうなるのか?
スタッフの将来性を損ないかねない。

そのような点からも事業所の社会的責任は大きい。
このリスクマネジメントは非常に重要です。


運転の得手不得手はありますが、実際私もサラリーマン1年目で、物損事故起こしてます。
その時は本当に会社辞めようかと考え、かなり気落ちしました。
しっかりと若者の運転スキルを見定める必要あります。


その上で、事業所の人員バランスを見て、どの年齢でも適応する保険にするのか、26歳以上の保険にするかを判断する必要があります。

そこにコストの視点も入れれば、前者と後者の年間保険料は10万円/台 以上の開きがあります。


特に訪問介護においては、そのサービスの特性上、スケジューリングが肝になるわけで、倒産件数が増加しているという事実からも、収益を確保する事が難しい。

その中で車の保険を10万円高く出しますか?
コスト削減を出来るところはするというのは当たり前。
人材紹介会社に多額の費用を払っているのであれば、車の保険を高くしてでも自社採用を強化するという判断はあろうかと思います。


リスクマネジメント、コスト、人材育成、人材不足のあらゆる面から考えなくてはならず、
若者を運転させない→やりがい搾取、人を育てる気もケアの質を向上させる気もない と言うのは、浅はかすぎるし、残念ながら、経営を含めた現場の実態を知らない人が言っているただの批評。


自転車で訪問介護すれば良い、という話もありますが、片道10分弱で効率よく自転車で行ければ良いですね。いわゆる都市型。
でも雨の日や台風の日はどうしましょうか?運転できる人に毎回変わってもらいますか?


一方で地方ではどうでしょうか?
社員なら移動時間も人件費かかりますし、保険収入から、ランニングコストを差し引きしないといけない。
本当に自転車移動による訪問介護が継続性があるかちゃんと検証が必要です。


では訪問介護はどうしていくか?
事業単体であれば、記述してきた理由で若手を採用しづらい。であれば、コストを削減しながら、時給を上げて、経験ある人材を確保していくしかないでしょう。あとは車が自動運転に早期になることを祈る。笑


住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅での併設であれば、スタッフの年齢的なバランスやキャリアアップの一つの要素として、地域への訪問介護を考えるべき。


同じように訪問がある小規模多機能ではどうか?
運転経験や運転スキル、収支面で、同様に考慮しなければならないでしょう。
社有車のうち1台を26歳未満でも運転できるようにすることも手立ての一つ。運転スキルや頻度を考慮して判断することは言うまでもありません。

26歳未満で運転させても良いスタッフが何人いるかも合わせて考えたいですね。


では実際に、その中で26歳未満の若手をどうやって育てて訪問させるか。

結論的には、自動車を運転しないやり方を考えなくてはならない。
または運転経験歴から慎重に判断する必要があります。


他のスタッフが訪問利用者さん宅へ下ろし、送ってくれたスタッフの訪問後にまたピックアップしてもらう。

人員的な余裕があるのであれば、年上のスタッフと一緒に訪問する。そうすることで、利用者さんの訪問する経験を積みながら、「今」できることを考え、実行させていくような人材育成の方法を事業所全体で考えアクションを取るしかないですね。
訪問が全てではないので、その辺のバランスですね。


色々と考えて戦略を練っていかないと、技能実習生などの外国人材に担っていくことも現状できないので、本当に訪問介護サービスが提供できない、介護難民が溢れてしまうことになります。


実態を知った上で、トライ&エラーで実践していく中で、それぞれに適したやり方を模索しなけばならない状況ですね。

この記事を書いたプロ

福井大輔

介護のあり方をイノベーションするプロ

福井大輔(株式会社 未来企画)

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