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新川弘人

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新川弘人(しんかわひろと)

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コラム

不登校を問題視することの根本的な原因

2020年1月16日

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

私は独身ですが、「いい歳して嫁ももらわないで」という人から見れば、きっと問題でしょう(笑)。しかし、「どっちでもいいんじゃないの」と思っている人から見れば、問題ではありません。誰かに害を与えているわけではありませんから。


同様のことが不登校にも言えます。不登校は問題視すれば問題となり、問題視しなければ問題にはなりません。かつて不登校であった人でも、大人になって仕事をして、人に貢献し、自分も幸せになっている人はたくさんいます。しかし、不登校を問題視すると、こじらせかねない場合があります。





いま仮に、不登校になり始めたお子さんがいるとします。父親や母親、あるいは、先生が「いま学校に行く気になれないのなら、しばらく休んでいていいよ」と言ったとします。不登校のお子さんにはありがたい言葉となりますが、この言葉がどのような境地から発せられた言葉なのかは、気をつけなければいけません。


父親や母親、先生がいくら「休んでいい」と口で言っても、「いずれは学校へ戻っておいでよ」という境地で言っているとしたら、どうでしょうか。鋭いお子さんであれば、その境地を見抜くかもしれません。そうでなくても、多くの場合、しばらくしたら、父親や母親や先生は、「そろそろ学校に戻ったらいいんじゃないの?」「いつになったら、学校へ行くんだ?」と言い出します。そして、お子さんに、「みんな自分を学校に戻そうとしているだけなんだ」と見抜かれてしまします。


さらに難しいことに、お子さん自身も「学校には行かなければダメなんだ」と思っている場合が、よくあります。その場合、お子さん自身の心の中にも、「学校に行けない自分はダメなんだ」と自分を責める心が生じます。そうすると大変です。周りは理解してくれない、自分でも納得がいかない。苦しみは続いてしまいます。





私もかつて学校の教員だったわけですが、学校の教員というものは、得てして「学校には来ないとダメ」と思っているものです。担任の先生は、不登校の生徒がいると、電話をしたり、家庭訪問をしたり、保護者の方と相談したり、いろいろな手立てをします。それは多くの場合、愛情からくるものではあるのですが、その前提となっている価値観が、「学校には来ないとダメなんだ」である場合が多いのです。そうすると、その価値観に苦しんでいる生徒さんは、いくら愛情から発せられた行動であっても、かえって苦しくなります。


まずは、「学校には行かなくてはいけない」という価値観を、一度保留してみましょう。確かに、人間は学び続けるべきです。そこを否定する気は、まったくありません。しかし、それは必ずしも「学校に行かなくてはいけない」ということとイコールになりません。


残念ながら、いまの学校は、すべての人の価値観に対応できるほどの柔軟性は持っておりません。制度は硬直化し、学校に行かなくても普通に生きることができるような人を、つぶしかねない状況があります。日本中の学校がもっともっと柔軟になれば、もう少し糸口が見えてくるのではないかと思います。





最後に、おまけで。学校の教員が「学校に行かなくてはいけない」という価値観を捨てきれず、不登校を問題視する根本原因は何なのか。それは、かつて教員だった自分の心の中にも残念ながらある感情。……ひじょうに言いにくいのですが、突きつめれば、「学校の教員としてのメンツ」なのかもしれません。


いずれにせよ、一人一人の人生は、学校に行く行かないをもっと相対化して、ゼロベースで考えた方がいいと思います。

※不登校に関する無料相談会を実施します。
https://peraichi.com/landing_pages/view/soudan201912

※過去の記事については、ホームページをご覧ください。
https://cornet-fs.biz/

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