建造物に欠かせないコンクリートの型枠の設計・施工事業を展開（2/3）

型枠大工の仕事に感動しこの道へ。独立を宣言して専門業者に入社し修業

　1980年に鈴鹿市で生まれた鳥居さん。19歳の時に現職と出会い、この道に進むことにしました。
　「たまたま工事現場で型枠大工の仕事を目にして、緻密で整然とした美しさに感動を覚えたんです。『これだ』と奮い立ち、すぐに型枠業者の門をたたきました」

　いつかは独立したいという気持ちが強かったことから、あらかじめ自分の意志を公言。理解してもらった上で、入社させてもらったと言います。
　「覚悟を持って技術を身に付けたいと考えていたので、決意表明しました。社長や先輩たちから、『一人前になるには最低でも10年はかかるぞ』と教えられ、10年は必ず勤め上げようと心を固めました」

　コツコツと努力を重ねて腕を磨いた鳥居さん。修行を始めてから12年後の2012年、当初の宣言通り独り立ちすることにしました。
　「ありがたいことに『うちでこのままがんばらないか？』と、退職を慰留してくださいました。当時、あまり景気がよくなかったこともあり、『もう少し待った方がよいのではないか』といったアドバイスもありました。しかし、ここで決めなければいたずらにタイミングを伸ばしてしまうだけだと感じ、初志を貫きました。最終的にはみなさんが後押ししてくれて、うれしかったですね」

　創業に際しては、快く送り出してくれたその会社が資材や機材を貸与してくれたそうです。「今でも、社員の方たちとは交流があります。多くのことを学ばせてもらい、本当にお世話になりました。感謝しかありません」

＜次ページへ続く＞

【次ページ】現場には毎回新しい発見が。若い世代に興味を持ってもらえるよう、SNSで仕事の様子も発信

次のページへ