コラム
平屋の収納・趣味部屋には便利なロフトが人気
2016年10月3日
ロフトにはさまざまな利用法があり、また、平屋の生活空間に独特のアクセントを作ります。今回は「ロフト」についてお話ししたいとおもいます。
ロフトが生み出すもの
小説「楡家の人々」や「どくとるマンボウ航海記」などのエッセイで知られた北杜夫さんは、子供の頃、押入れにひそむのがお好きだったそうです。雑誌「少年倶楽部」や日記帳を入れていた押入れにちゃぶ台と懐中電灯を持ち込んで、一人でよくこもったとのこと。おそらく押入れの中には普段の生活とは違う、特別な空間と時間があったのでしょう。
「ロフト」もお子さんにとっては特別な夢のある空間で、そこで過ごす時間も特別な時間です。多くのお子さんたちが「ロフト」を喜ぶのではないでしょうか。
もちろん大人にとっても「ロフト」は家の中で特別な場所です。ご自分の趣味の部屋として、書斎として、多くの方が「ロフト」という特別な空間と時間を楽しんでいらっしゃいます。
「ロフト」に人気がある理由は夢のある特別な空間というだけではありません。子供部屋のベッドスペースとして利用するご家庭も多いですし、収納場所として利用するご家庭もあります。「ロフト」の利用の仕方は多様なのです。
また、平屋の場合、水平に広がる生活空間にロフトがあることで上方への空間が生まれ、それが独特のアクセント、そして解放感をもたらし、住まいの魅力を向上させることにつながります。
ロフトには天井の高さが1.4m以下などの規制がありますが、この規制を守れば床面積に算入されません。ただ、地域によって、固定階段が認められたり認められなかったり、といった違いがありますので、設計時に確認しておく必要があります。
ロフトの利用法
小さい頃はともかく、ある年齢になるとお子さんも「自分だけの部屋」がほしくなります。これは多くのお父さんお母さんがお考えになることで、ご自分では書斎や家事室がほしいとおもっても、それをおさえてお子さんのための子供部屋を優先されることが多いかと思います。
「勉強のため」ということはもちろんでしょうが、「お子さんの成長に合わせた環境を」というお気持ちが強いのでしょう。
子供部屋に十分なスペースがとれないという場合、ロフトはお子さんの寝る場所、ベッドスペースとして有効です。自分だけの空間で自分だけの時間を持つ、そして、眠る。ロフトがある子供部屋はお子さんだけの空間として必要な点を備えることになります。
また、ロフトを趣味の部屋としてお使いになる方もたくさんいらっしゃいます。ロフトは天井が1.4m以下と低いように感じますが、それは立っているのを考えてのことで、座椅子などを用意してそこに座れば、天井はそう気になることはありません。
また、ロフトが持つ床面からのほどよい高さが独立性を生みプライバシーの確保につながるので、家族を気にせず一人の時間を楽しむことができます。読書や音楽鑑賞、PC作業などに集中できる空間になるのではないでしょうか。
フローリングのリビングに設けたロフトには畳を敷き、リビングとは全く違う空間にする、というのもいいアイディアではないでしょうか。
ロフトを趣味の部屋としてお使いになるなら、ちょっとした飾り付けで雰囲気を増すのもおすすめです。お気に入りの絵を額に入れて飾る、観葉植物の鉢を備える、こうしたことで自分だけの特別の空間という意識が増してきます。
ロフトと収納
ロフトは収納場所としても便利です。
とくに鯉のぼりやひな人形、クリスマスツリー、子ども用のビニールプールなどのほかにストーブや扇風機など、その季節にしか使わないものを収納する場所として重宝します。
また、ついつい増えてしまう本の書庫代わりにロフトを使うのもいいでしょう。本好きの方は、なかなか本を処分できないものですし、「もういらない」とおもって処分した本をあとで「とっておけばよかった」とおもうことも多いようですから。
昔の日本家屋には「階段箪笥」というものがありました。階段の下の空間を収納に利用したものです。階段下に引き出しや戸棚を取り付け「箱階段」とも呼ばれました。江戸時代の初めからあったそうですが、狭い日本家屋の中で暮らす先人たちの知恵です。
江戸時代の国学者・本居宣長は三重県松坂の人で、その住まいは国特別史跡になっていますが、やはり箱階段が設けられています。
もし、ロフトに固定式の階段が設置できるようであれば、先人たちの知恵にならい、階段の下のスペースを収納場所として活用したいですね。
現在は「階段収納」あるいは「階段下収納」と言われていますが、子供部屋に設置したロフトへの階段の段ごとに引き出しを備え、お子さんの衣類の収納場所にする、あるいは、リビングに設置したロフトへの階段下のスペースも、雑誌や文房具、救急セットなどを入れて場所にするのもおすすめです。
なお、ロフトへあがる階段は、固定式を許可しているところもあれば、可動式のはしごを指導しているところがあるなど自治体によって異なります。
森大建地産の家づくり
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