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植村浩太朗

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コラム

測定をすればそれで良いのか

コラム

2017年9月19日

まだまだ一般的とは到底いえないが、『体型をなにがしかの方法で測定し、そのデータに基づいて最適なマットレスや敷き布団を提案する』というサービスが寝具業界では徐々に広まりつつある。

何を隠そう、私どもも同様のサービスに8年前から取り組んでおり、マットレスフィッターとしてより精度の高い提案ができるように日々研究を続けている。





昨日も空いた時間を利用し、10パターンの敷き寝具の体圧分散性の優劣を二人の被験者を対象に測定したばかりだ。もちろんどれだけ体圧分散性に優れていても、寝姿勢が崩れるほどソフトなものだったり、寝返りが打ちにくいようでは意味がないが、それでもやはり体圧分散性は無視できない要素であることは間違いない。そう考えると体圧分散性のチェックは欠かせない。

体圧分散性といえば、最近はどのメーカーも『自社のマットレス・敷き布団の体圧分散性はすごい!』と主張しているが、それをそのまま鵜呑みにするのは危険である。実際に測定をしてみると『え?え?この程度の体圧分散性でうちのはすごい!とのたまっているの?え、大丈夫?』というレベルのものも少なくないからだ。こういったこともあり、快眠屋では新たに取り扱うマットレスの体圧分散性は必ず複数人でチェックするようにしている。



さて、これは先述の体圧分散性とは直接関係はないが、先日とあるベッドメーカーの測定システムの様子をかなり身近で拝見する機会があった。

測定器の前に直立すると、測定器から頭の先から足元までの背面側の凹凸が分かるという代物だ。

この測定システムはPCと繋がっており、ソフトが測定結果に基づいて最良のマットレスを提案してくれるという話だった。

しかし私としては腑に落ちない点がいくつかあった。

中でも一番の疑問点は、この測定システムはBMIを一切考慮していないということである。例えば背中からお尻にかけてのカタチが全く同じだったとしても、BMIが18の人とBMIが26の人では最適なマットレスは違うはずだが、この測定システムはそんなことは考慮せずにオススメのマットレスを提案してくれるらしい。

長年の研究の結果生まれた測定器とのことだが、お世辞にも完成度が高いとはいえなそうだ。。。



さて、業界を見渡してみると、今世間で提供されている寝具の測定サービスは大きく二つに別れているように思われる。一つは商品を販売するためのパフォーマンスとしての測定で、もう一つはフィッティングの精度を高めるための本義として測定だ。

前者では測定はするが、その結果は関係なく、予定調和のように最初から決められているものを提案することが多いようだ。下衆の勘ぐりかもしれないが、測定をしてから接客をした方が説得力が増して販売しやすいからと考えているからかもしれない。

またどれだけ精度の高い測定が実現できたとしても、その結果を反映させられるだけの機能を持ったマットレスが存在しなければ意味がない。結局、我々の睡眠を左右するのは実際に使うことになるマットレスだからだ。『測定結果が優秀でも、それで出てきたものがこれじゃあちょっとね。。。』では測定する意味がないのである。

これらのことを踏まえると、体型を測定すればそれで必要十分だとはとても言えないことがわかる。

フィッティングの精度を高めるためには、BMIや体型などの各要素をきちんと抑えた測定システムと、そのデータを活かせるだけの見識と商品が必要なのだ。

これは私たちにとっても例外ではない。

神様ではないから、100%完璧なフィッティングなどありえない。それは重々承知している。しかしありえないことを言い訳に『どうせ100%なんて無理なんだからこの程度で良いだろう。』と現状に甘んずることなく、常にその先を追い求めなければならないのだと思う。

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