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石井宏明

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コラム

エビングハウスの忘却曲線と受験勉強

2018年7月18日

テーマ:プロが教える超勉強法

勉強しているのにさっぱり記憶に残らない。それは勉強法が間違っているかもしれません。記憶の仕組みを知ることで、効率的に短期記憶を長期記憶へと置き換えることができます。復習するほどに記憶は定着します。

一夜漬けで覚えたことは翌日になればすっかり忘れてしまう

お子さんを叱咤激励しながらなんとか机に向かわせ、毎日の勉強時間を確保したとします。テスト前ともなれば、普段よりも長い時間をかけて参考書とにらめっこしているかもしれません。

その姿勢は褒めてあげてください。しかし、もっと重要なことは努力が結果に結びついているかどうかです。

必死になってその子なりに頑張ったのに、いざ本番のテストでは全く覚えた内容が出てこないなんてことはありませんか。努力の甲斐なく、数日後には暗記した単語もすっかり記憶から消え去ってしまえば、やる気はガタ落ちです。あれだけやっても結果が出ないと、本人の自信喪失にもつながりかねません。

努力することは何においても必要ですが、こと記憶に限ってはやみくもに取り組めばよいというものではありません。

あなたにも経験がありませんか。テスト前日に徹夜で試験範囲をひたすら詰め込む一夜漬け。フラフラになりながらも、覚えたことを忘れないようにと仮眠もとらずに試験に挑む…。テスト自体の出来はともかく、翌日にもなれば覚えたことはキレイさっぱり忘れてしまっていませんでしたか。

寝ずに一夜漬けというのは、記憶の効率から言えばとんでもない悪手です。
反対に、常に成績優秀な人は、たいして勉強もしていない様子でテスト前日もしっかり睡眠を取っています。頭の良い子は無意識のうちに、記憶の仕組みを上手く利用しているのです。

記憶には短期記憶と長期記憶がある

最近は知られるようになってきた事実ですが、記憶を定着させるためには学習後の睡眠が必要です。

記憶には2種類あります。一時的に情報を脳に入れておく短期記憶と、しかるべき場所にしまい込んでいつでも取り出せるような長期記憶です。

一夜漬けでは短期記憶に入っただけの状態です。長期記憶にするためには、復習で重要な記憶と認識してもらい移動させる作業が必要となってきます。
この移動には、十分な睡眠が欠かせません。脳は寝ている間に入ってきた情報の整理をしているのです。復習もせずに睡眠も足りないのでは、まさに残念な学習法です。

ドイツの心理学者・エビングハウスによる忘却の仕組み

基本的に脳は忘れるものです。記憶についての有名な実験があります。ドイツの心理学者で、忘却の仕組みについて調べたエビングハウスが行いました。

覚えたことが時間の経過でどれくらい忘れられるのかというテーマです。100%覚えたものも、30分後には46%、1日後には74%、1カ月後に至っては80%も忘れられていることが明らかになっています。

いくら覚えても翌日には7割も忘れてしまうのでは、やる意味がないように思ってしまうかもしれません。しかし、記憶の仕組みを上手く利用することで、短時間で効果的に記憶への定着は図れます。

やることはいたってシンプルです。覚えた記憶が新しいうちに、繰り返し復習し脳に刺激を与えることです。

逆に言えば、学校の授業でも塾の指導でも、家庭学習でも、学んだ後に復習をしなければ大半が記憶の彼方に消え去ってしまうことになるのです。知識の積み重ねが必要となってくる科目などでは、復習するかしないかでどんどん差が広がっていきます。

重要度の低い情報はどんどん忘れていく

私たちが生きていくなかで、毎日膨大な情報が脳に送られています。記憶できる量には限りがあるため、重要と思われるものに絞られています。そのため、重要度が低いと認識された情報はどんどん捨てられていくのです。

その反面、脳に大事な情報だと思い込ませることさえできれば、長期記憶として大事にしまい込まれます。
本来、長期的に記憶されるのは、直接生存に関わってくるような情報です。危険な生物や場所、食べられるものや仲間などです。およそ受験とは関係のない情報ですね。

復習を繰り返すたび忘れ去るスピードが遅くなる

脳が重要な情報と判断する基準は、実はもう一つあります。それは、何度も繰り返し送られてくる情報です。しつこく何度も入ってくる情報なのだから、きっと生きるために欠かせないものなのだろうと、脳が誤解するのです。言い方は悪いですが、脳をダマすわけです。

脳をダマして記憶に定着させるには、タイミングの取り方も大事になってきます。先の実験には続きがあり、適時復習を挟むことで忘却の度合いはどう変わるかということも調べています。

結果としては、復習をすることで忘れる度合いがゆっくりしたものになるということが判明しています。何もしなければ翌日に7割忘れるとしても、何度も覚えなおしをすることで忘れる率は確実に下がっていきます。

繰り返し学習は一度ではなく、何度も行うこと。繰り返すほどに忘れるスピードは緩やかなものになります。

具体的な実践法としては、何をおいてもその日のうちに復習すること。先の実験で明らかになっているように、覚えた直後ですら大半を忘れてしまいます。記憶が新しいうちにすぐに反復学習を習慣づけてください。学んで時間が経っていなければ、もう一度同じことをする心理的な負担も少なくなります。
その後については、翌日・一週間後、一カ月後と間隔をあけて取り組みましょう。

この記事を書いたプロ

石井宏明

どんな生徒でも短期間で成績アップを実現させる学習指導のプロ

石井宏明(石井進学塾)

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