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連生団信は必要か?

2019年6月28日

テーマ:不動産購入

コラムカテゴリ:住宅・建物

住宅ローンを組む際に「団体信用生命保険(団信)」という保険を付けることはご存知の方も多いでしょう。フラット35など団信が任意の住宅ローンもありますが、民間金融機関の住宅ローン商品では団信は必須です。
団信とは何かを一言で言うなら、債務者(住宅ローンを組んだ人)が死亡した場合に住宅ローンの返済がチャラになる(保険金で賄われる)という保険商品です。死亡以外にも、ガンや脳卒中、急性心筋梗塞(いわゆる3大疾病)を保障するもの、生活習慣病を保証するものなど、商品によって保障内容は様々です。

住宅ローンの組み方を考えるうえで、単独名義での借り入れ以外に、夫婦がそれぞれの名義でローンを組む方法、さらには夫婦の連名で借り入れする方法(連帯債務)もあります。
夫婦それぞれがローンを組む場合、団信の保障は当然保険事故があった方の名義のローンにしか適用できません。
連帯債務の場合、団信割合をはじめに決めておく必要があり、保険事故が起こったときにはその割合でローン残高が圧縮されます。

具体例をご覧ください。

(それぞれの名義でローンを組む場合)
夫 借入:1500万円
妻 借入:1500万円

夫が亡くなった場合 →夫名義の1500万円のローンはなくなる
           妻名義の1500万円のローンはそのまま残る

妻が亡くなった場合 →夫名義の1500万円のローンはそのまま残る
           妻名義の1500万円のローンはなくなる

(連帯債務でローンを組む場合)
借入:3000万円
団信割合 夫8:妻2 に設定したと仮定
夫が亡くなった場合 →ローンのうち、8割は保険で返済(残高600万円となる)

妻が亡くなった場合 →ローンのうち、2割は保険で返済(残高2400万円となる)

ということになります。

さて、ここからが本題です。連帯債務の場合、金融機関によっては夫婦連生団信という商品を選択することができるケースがあります。
先程の具体例で置き換えると、以下のようになります。

(連帯債務でローンを組む場合)
借入 3000万円
団信は「連生団信」を選択
夫が亡くなった場合 →ローンはすべてなくなる

妻が亡くなった場合 →ローンはすべてなくなる

つまり、主債務者と連帯債務者のどちらに保険事故があった場合でも、ローンはなくなるという仕組みです。

一見すると、素晴らしい商品だと思えるでしょう。

しかし、連生団信を選択するには、保険料の負担(ローン金利に上乗せ)が必要です。

仮に、上乗せ金利が0.25%だとすると、3000万円の借り入れでは、7.5万円の保険料を支払うのと同じということになります。

通常の団信と連生団信を比較してみましょう。
分かりやすいように通常の団信の割合を「夫10:妻0」とします。
また、借り入れ額は3000万円とします。

(通常の団信)
団信の追加負担:なし
夫が亡くなった場合 →ローンはすべてなくなる

妻が亡くなった場合 →ローンはすべて残る

(連生団信)
団信の追加負担:年額7.5万円
夫が亡くなった場合 →ローンはすべてなくなる

妻が亡くなった場合 →ローンはすべてなくなる


ということは、連生団信は

「年額7.5万円で妻の死亡保険3000万円に入っている」

という状況とイコールだということです。
(厳密に言うと、ローン残高は毎年減っていきますので、逓減定期保険と同じ仕組みです)


もし、年額7.5万円よりも安い保険料で同額の死亡保険が確保できるのであれば(死亡以外にもガンなどを保障する連生団信もあり、保障内容の比較も必要ですが)、その保険に加入する方が金銭的なメリットはあるでしょう。

さらにいうと、連帯債務者にそこまでの保障が必要かどうか見極めることも大事です。

例えば、

(通常の団信)
団信の追加負担:なし 妻に1500万円の定期保険(保険料年額3万円)
団信の割合 夫10:妻0
夫が亡くなった場合 →ローンはすべてなくなる

妻が亡くなった場合 →ローンはすべて残るが、1500万円の死亡保険を受け取れる
           (ローンを繰上げ返済したら残額1500万円になる)

ということも可能です。
さらに、生命保険料控除を活用することが出来れば、節税効果も生まれます。
(団信の保険料は生命保険料控除の対象にはなりません)


連生団信を考えるうえでは、

・追加保険料の額と保障内容のバランスがとれているか
・他の生命保険でより有利なものはないか
・そもそもそれだけの保障が必要か

という観点で検討すると良いでしょう。

この記事を書いたプロ

田中裕晃

夢のマイホーム購入を支援する家計改善のプロ

田中裕晃(大峰FP事務所)

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