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コラム

不動産投資は「不労所得」か?

2019年4月21日

テーマ:不動産投資

コラムカテゴリ:住宅・建物

不正融資や違法建築などの問題が取り沙汰されたこともあり、不動産投資のブームは落ち着いてきた感があります。
物件自体もここ数年で大きく値上がりしていますので、利回りが悪くなっていることもその一因でしょう。それでも、銀行預金や債券利回りなどと比べると、まだ不動産投資の魅力は失われたわけではありません。
実際、不動産投資に興味を持っている方は多く、これから新たに不動産投資を始めてみたいという相談を受けることもよくあります。

そんな中、皆さん異口同音に仰るのが、

「不労所得が欲しい」

という希望です。

相談者はサラリーマンなど別に本業をお持ちの方がほとんどです。そしてその多くは生活に困っているわけではありません。ただ、おこづかいとして今の収入に数万円でもプラスになる副業が欲しいということです。

1、不動産を購入する
(できるだけ持ち出しで支出したくないので、全額借り入れする)

2、家賃収入で返済し、差額を手元に残す
(返済が月3万円だとしたら、月5万円くらい家賃がとれればOK)

3、入居者管理などの手間はすべて不動産管理業者にまかせる


だいたいお話を聞いていると、このような図式をイメージされています。多少違いがあるとすれば、手元に残す金額の大小くらいでしょうか。

実際に入居者が付くかどうかという点に関し、すでに賃借人が居る物件(オーナーチェンジ)、もしくは不動産業者が借上げしてくれる物件(サブリース)ならその心配もない、と考えるのも大体共通しています。

購入時の諸経費を全く考えていない方もいますが、物件価格の1割程度の諸経費を想定し、それもあわせて借り入れするつもりという方もいます。

こういう条件ならどうでしょう。

物件価格:600万円
諸経費:60万円(仲介手数料、登記費用、ローン関連経費など)
オーナーチェンジ、現行賃料月額5万円(表面利回り年率10%)
ローン条件:利率1%、期間20年、借入額660万円、返済月額30,353円

単純に考えると、

1、持ち出し資金なしで購入可能(全額借入)
2、月に2万弱手元に残る(すでに入居者が居るので安心)
3、管理は丸投げ

となるかもしれません。


金額が大きくなっても同じです。例えば、

物件価格:1億2000万円
諸経費:1000万円(仲介手数料、登記費用、ローン関連経費など)
サブリース、現行賃料月額80万円(表面利回り年率8%)
ローン条件:利率1%、期間20年、借入額1億3000万円、返済月額597,863円

表面利回りが多少悪くなっても、月20万円は手元に残せそうですね。

さて、月20万円の不労所得が見えてきました。
あなたならこれに投資しますか?


ゴーサインを出す前に、以下の点について考えて下さい。

1、ランニングコストを把握していますか?
 (固定資産税、火災保険、共用部にかかる水道光熱費など)
2、管理会社に払う管理費と、管理の内容を把握していますか?
 (管理費、定期清掃費、定期点検費(貯水槽やEVなどがある場合)など)
3、修繕費のことは考えていますか?
(入居者入替時の修繕、入居中の設備トラブル、大規模修繕など)
4、オーナーチェンジの場合、次の入居者は同条件ですぐに見つかりそうですか?
 (賃料の相場や市場動向を把握しているかどうか)
5、サブリースの場合、契約内容を把握していますか?
 (賃料の見直し(切り下げ)は何年毎?サブリース業者は潰れない??)
6、そんなに借り入れできますか?
 (借り入れ条件がもっと不利になる可能性は?)
7、物件価格は適正ですか?
 (他の諸条件に惑わされて、高掴みしていませんか?)

6で挙げた借り入れができなければ、そもそも購入できませんので問題ないでしょう(不正融資の問題はこのブレーキが利かなかったことにあります)。
しかし6さえクリアすれば、他の点はあとから気が付くケースもあります。

・ランニングコストを引いたら、手元にお金が残らない(むしろマイナスになる!)
・修繕に費用が掛かりすぎる
・入居者がすぐに出て行って、次が決まらない
・サブリース条件を一方的に改悪された(もしくは解除された)

など、数年経ってから後悔することになるかもしれません。

何故そんなことが起こるのでしょうか。

・物件を買うときに騙されたから
・管理会社がしっかりしていないから
・銀行が注意してくれなかったから

それが原因でしょうか?

たしかに、そういった要素が多少なりともある場合もあります。
しかし、根本的な原因は、本人が買う前によく考えなかったからです。

なぜ考えないのかと言うと、「不動産所得=不労所得」という思い込みがあるからです。

これが根本的な原因です。

これから不動産投資をお考えの方にぜひ知っておいて欲しいことは、
不動産投資は不労所得ではない、ということです。

物件価格の相場、賃貸市場の相場を知ることはもちろん、賃貸経営に関する知識、物件選定の目利、修繕費などのシミュレーション、不動産業者や管理会社との付き合い方、銀行との付き合い方など、気を付けることはたくさんあります。
これは購入前に限った話ではなく、購入後も常に考えなければなりません。つまり、「賃貸経営をする」という意識が必要なのです。
無論、管理会社に管理を任せていれば、入居者の入れ替えやトラブル対応などは直接しなくてもいいでしょう。しかし、賃貸経営のかじ取りをするのは所有者本人なのです。

不動産は正しく向き合えば魅力のある投資対象です。

しかし、借り入れであろうと大きな金額が動くことは間違いありません。
だからこそ、言われるがままでなく、自分自身で判断をするようにしてください。

この記事を書いたプロ

田中裕晃

夢のマイホーム購入を支援する家計改善のプロ

田中裕晃(大峰FP事務所)

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