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田中裕晃

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田中裕晃(たなかひろあき)

大峰FP事務所

コラム

住宅は「購入」か「賃貸」か、どちらがいい? ②

不動産購入

2018年3月30日

前回の続きですが、

「住宅は購入すべきか、それとも賃貸で過ごすべきか」

という問題について、今回は「金銭的な損得で考える手法」の功罪について見ていきましょう。

まず、この手の話が好まれるのは、「自分は損をしたくない、少しでもオトクな方法を知りたい」という、潜在的な需要があるからでしょう。そしてこの需要を満たすための話題作りとしては、非常に有効な切り口なのです。

一方で、本当に意味のある話かどうかは疑問です。
具体例を挙げて考えてみましょう。

<購入の場合の諸条件>
物件価格4000万円
諸費用 400万円
頭金  500万円
ローン 3900万円
(35年、変動金利0.775%、毎月返済額約10.6万円)
固定資産税等負担 年額12万円(35年目まで、36年目以降9万円と仮定)

<賃貸の場合の諸条件>
契約諸経費 30万円
家賃    10万円
更新料   10万円/2年毎

<本人情報>
現在30歳で90歳までの60年間の費用負担をシミュレーション
定年は65歳

<購入の場合>
初回持ち出し金額 500万円
ローン返済総額 4454万円
固定資産税等   645万円
トータル:   5599万円
現役時の年間負担 139.2万円
退職後の年間負担   9万円
(住宅ローン控除は除く)

<賃貸の場合>
初回持ち出し金額 30万円
家賃総額    7200万円
更新料等     300万円
トータル:   7530万円
現役時の年間負担 125万円(更新料案分加算)
退職後の年間負担 125万円(更新料案分加算)

家賃10万円と、ローン返済10.6万円で月々は同じくらいの負担です。固定資産税等と更新料の負担にも少しの差はあれ、現役時の年間負担額は15万円程度購入時の方が多いのです。
しかし60年の総額では賃貸の方が2000万円くらい負担が大きくなります。

賃貸の条件を見直してみましょう。

<賃貸の場合の諸条件②>
契約諸経費 24万円
家賃    8万円(35年後から7万円に減額と仮定)
更新料   なし

<賃貸の場合②>
初回持ち出し金額 24万円
家賃総額    5460万円
トータル:   5484万円
現役時の年間負担 96万円
退職後の年間負担 84万円

これでようやく60年トータルの金額がほぼ同じになりました。

さて、これを見てどう考えるべきでしょうか。

・賃貸の場合、途中で転居したら家賃が変わるのでは(諸費用も掛かる)?
・そもそも60年も同じ賃貸物件に住んでいられるの?
・ローンの金利が変動なので、ローン支払い総額が上がる可能性があるよね?
・60年も住んでいたら、相当建物は傷むはず。修繕費はいくらかかる?
・70歳で、あるいは80歳で死んだら?もしくは100歳まで生きたらどうなる?

と、細かいことを言い出したらキリがありませんが、どれも正論です。
こういったシミュレーションは仮定条件を決めないと数字が出せませんので仕方ないのですが、条件次第で結果を操作することが可能なのです。

例えば最初の条件で比較して、「購入の方がオトクです」という結論にもできますし、
②の条件を持ち出して、「金銭的負担はほぼ一緒です」とすることもできます。あるいはローンの金利を上げたり予算を上げたりして、「賃貸の方が安上がりです」ということも可能でしょう。
はたして、こういった結論に意味があるのでしょうか。

自分の考える数字に置き換えて、ご自身のライフプラン、キャッシュフローの中で考えるのならまだしも(それでも多くの仮定を前提としていますが)、一般論としては非常にくだらない話です。

重要なのは、損得ではなく家計が成り立つかどうかで判断すべきだということでしょう。

家計が住居費の負担に耐えうるかどうか、教育費や老後資金といった資金準備をする余裕はあるか、環境・状況の変化に耐えうる柔軟性があるか、そういった視点で住居費の予算を決め、そこから購入するか賃貸にするか考えて下さい。

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