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田中輝彦

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田中輝彦(たなかてるひこ)

お誂え洋服たなか

コラム

ALS(筋委縮側索硬化症)に罹患している父とバージンロードを歩きたい

車椅子ユーザーのフォーマルウエア

2018年2月7日 / 2018年10月4日更新


ALS(筋委縮側索硬化症)に罹患している父と一緒にバージンロードを歩きたい

【マイベストプロ京都】お問い合わせを受け付けました。

昨年12月「ALSの父がいます。私が来年の2月17日に結婚式を挙げることになりました。寝たきりで呼吸器をつけています。父も結婚式に参加することになりましたがサイズの合う、また着せやすいスーツがありません。サイトを見て問い合わせしてみました。」
スマートホーンからのお問い合わせです。

早速、ご住所、ご本人の可動範囲の様子、介助の状態(日常的な衣服の着脱)などをお聞きすると同時に礼服の代金の見積もり、縫製に掛かる日数をお知らせのメールを致しました。

数日後、礼服のご注文とご住所、お身体のご様子などをお電話でおしらせいただきました。長野県です。
私どもでは年末年始は休業しますので、実質縫製期間が少なくなる恐れがあり、年内には生地選び、採寸、礼服の種類デザインなどをお決めいただきたいとお願いしました。

12月22日長野県のご自宅までお伺いいたしました

午前中にとのお約束でしたので、6時14分の始発の新幹線で名古屋、特急しなので塩尻、岡谷で乗り換え、最寄の駅までお迎えいただきご自宅まで11時到着。日帰りのちょっとした小旅行です。

一般的に、車いすに座ることが出来れば、上着は座高までの着丈のディレクタースーツをお勧めするところです。
しかし、お父様は、ALSでほとんど仰向けに寝た状態ですので、介助者が上体を少しだけ起こすこと、関節も少し動かすことが出来る程度です。
そこで、仰向けに寝ている状態なら、背中部分がお尻の下まで上着丈が有ってもいいのではないかと言う事で、ご相談の上、男の第1正装のモーニングを着ていただく事にりました。

寝た状態でのモーニング

身体を動かすことが出来なくても、意思の疎通は奥様がしっかりと受けておられ、ご家族と一緒に可動範囲、介助の様子をお聞きし、デザインや細部の補助具(ファスナーやマグネットボタン)の取り付けなどをご相談させていただきました。
 仮縫いもお伺いしました。

背中部分が身体とベッドとの間で団子状態にならないように、モーニングの特徴のひとつの背中の短冊のように割れた部分を無くし、背縫い線の無い1枚の背中部分に、背中の抵抗を極力無くようにしました。


袖口も介助の方が先から手を入れて、ご本人の腕を引き出し易く大きく開け、マグネットボタンで開閉。袖口の本ぜっぱです。

ベストも背中部分を大きくカットして脇に面テープで固定、フロント部分にはマグネットボタンを取り付けました。

スラックスは脇縫い目を大きく開けて穿かせやすくファスナーで開閉。後ろ身の背中に当たる部分は出来るだけ抵抗がない様に薄い芯を付けました。


昨日6日友引の佳き日に発送致しました。
今日、昼過ぎに到着の旨お知らせをいただき、試着され「着せ易く、素晴らしいモーニングを創っていただいてありがとうございました」と、お喜びのお電話を頂きました。

※後日、結婚式、披露宴のお写真を送って頂きました。

洋服屋をやっていてよかった

障がい者のお洋服を創るときにいつの時も思う事ですが、、障がいの程度に合わせ、着せ易い事をコンセプトにその都度試行錯誤しながらいろいろなオプション(ファスナー、マジックテープ、マグネットボタン)などを付けたりして創り上げ納品。
そして、ご本人やご家族から「ありがとう!」 お喜びのお言葉をいただいた時が、あぁ、洋服屋をやっていてよかったと最高の至福の喜びを感じております。

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京都府京都市北区上賀茂中ノ坂町15-2
075-721-0880

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