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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

社会人でこれから看護師を目指す方へ

2023年2月2日

テーマ:社会人の看護学校受験

コラムカテゴリ:スクール・習い事

近年、社会人で看護しを目指す人が増えていることはよく知られています。最近新しい看護専門コースについて発表していることもあって、社会人の方からのお問いあわせをよくいただきます。看護師資格は非常に高い価値があり、こんな時代でもある程度安定して就職しやすく、収入も安定しやすい資格と言えます。
社会人が看護学校を受験する場合、学科も重要ですが、面接も同様に重要です。社会人であることの利点をアピールできるのは面接だからです。社会人の面接では、志望動機から志望理由までを綿密に練っておくとよいでしょう。しかし、いざ書類を書く段になって、看護師志望理由に悩む人も多くいます。というのも、そもそも看護師になろうと思ったきっかけは、「食べていけるから」「就職に困らないから」といったことだとすると、まさかこれをそのまま書くわけにはいかないというのは、多くの人が理解できることだからです。何度か言ってきたことではありますが、きっかけと動機と理由は異なります。きっかけは聞かれない限り言う必要のないものです(聞かれても本当のことを言う必要もないと思います)。動機は、自分の中の内的要因です。簡単に言うとモチベーションになっているもの、自分を看護の世界に突き動かしたものです。だから自分を納得させているものです。一方、理由は、合理的であり、普遍性が必要です。自分の中だけではなく、多くの人を説得できるだけの根拠が必要になります。社会人が練るべき動機と理由は、社会人経験を下地に作る必要があります。

まずは動機と理由探し

社会人として、仕事をしている中で、自分の中で、「これは看護師にならねばならない」「自分は看護師にむいているのではないか」「これからの自分のやりたいことは看護師だ」「○○の人と関わるには看護師しかない」「●●の地域で医療者として働きたい」。このようなものは内的な動機として考えれば良いでしょう。しかし、これを伝えたからといって、相手方は、「では取ろう」となるかというと、必ずしもそうではないのです。内的動機だけならば、別に社会人でなくとも、一般でもそれほど大きな違いはないからです。やはり理由をしっかり考えておく必要があります。実際あった筋書きを一例挙げると、
「私は△△県のお寺の事務職をしてきましたが、仕事柄、身近な人も含む地域の多くの人の死と関わってきました。しかし、お寺では、亡くなった後に、しかも間接的にしか関われませんでした。そこで医療者として、この地域で直接的な関わりをしていきたいと考え、看護師を目指すことを決意しました」
これだけでは、少し弱いのです。そこで、
「そこで、看護助手として、実際に病院現場を経験しました。体力を要する仕事ですが、私は体力に自信があり、十分にやっていけると考えました。また、現場に触れる中で、医療者の実際及び、患者の方々のその家族の方々の声にも触れることができ、これまでの社会人経験を活かして、良い関わりができると考えました」
要するに「できる」ことを言えばいいのですが、さらに「若い人々とうまくやっていけること」「学習意欲の高さ」「習うことへの渇望」「最新技術に関する知識」このようなものを根拠に入れると、より良くなるでしょう。

動機と理由が見つかれば、実際に書くイメージを作る

書類には主として理由を書きます。要するに「私が」「どうしても看護師にならねばならない」理由を組み立てれば良いわけですが、これが簡単ではないのです。自分が医療者に適している合理的理由、自分が看護職に適している合理的理由、これらを言おうとすれば、相当医療に詳しくなっていなければなりません。最近では看護助手を先に経験してから、受験する人が増えていますが、まずは看護師という職種を千字くらいで説明できるようになるところから始めると良いでしょう。これを皆さん意外にしていません。

社会人が普段から気をつけておくこと

職種についての知見を深めたら次は社会人が看護学校等を受験する際に何を気をつけるべきか、について知っておく必要があります。
①「この人には教えたくない」と思われないようにしておきましょう。大学院入試では、この現象はあまりおきないのですが、医療看護系はこの現象がよくおきます。そしてこのように思われてしまうと、まず不合格です。もちろん、ベストは「この人に教えたい」なのですが、それよりも優先するということです。社会人の方は、総じて年齢を気にされます。確かに年齢のことを聞かれることもありますが、今は必ずしも不利というわけではありません。以前は「定年までの期間が短い」「教える人の方が若いから、教えにくい」と言われることもありましたが、最近は減りました。また多くの場合、やるべきことができているときちんと合格していると言えます。
②「若い人たちと一緒にやっていけるか」という質問も多いです。まずいずれにせよ、「やっていけます」と言う以外にないのですが、この質問がなされたときに、相手方が求めていることが必ずしも同じでないことは注意しておきたいところです。相手が求めている可能性のあることの一つは、「若手のまとめ役や見本になれるか」ということです。他には、「素直であるかどうか」です。年齢が高くなると、相応の社会経験をしており、どうしてもプライドが高くなります。このプライドが邪魔をして不利に働いてしまうケースが多いのです。
③「なぜ今なのか」
なぜ今、看護師にならねばならないのか、という問題の回答を用意しておく必要があります。これは志や情熱が問われています。意外とこの問題で足元をすくわれるケースが多いようです。例えば「社会の役にたちたかった」「残りの人生これにかけたかった」一番、厳しかったのは「生活に困ったから」
こういった回答は、どれも「じゃあ、別に看護師でなくてもいいですね」と言われてしまうと返す言葉がなくなります。大切なことは
「なぜ私が今看護師にならねばならないか」
という問題に対する回答の組み立てであって、ここが漠然としてしまうならば、相手からすると、志が低いとみなされても仕方がないのです。
できれば根拠をつけて「今こそ、私が看護師になる最良の時であった」と言いたいところです。
④「将来、どのような看護師になりたいか」です。
これもとても重要で、かなり具体的な像が必要です。意外に社会人の人はこの問題を気づきながらもスルーしてしまっているケースが多いのです。たまに「私の年齢で将来なんて言えませんわ」と言う人がいますが、これはよくありません。いくつであっても具体的な将来像を描いておきましょう。年齢と将来像は別問題です。仮に今45歳だとして、平均寿命が80歳超だとすると、「まだ人生半分すぎたばかり」と言える人の方が確実に強いと思います。

社会人だからこそのアドバンテージ

社会人の方で、看護師を目指す方は、まず看護師になりたいと思われたことが重要です。看護分野の社会人入試の基本は、「この人に教えたい」と相手方に思ってもらうことです。その方法は一様ではありませんが、まずは医療者への情熱が重要です。
当塾は創業時から社会人の方が多く来られています。「大人が勉強できる」ということを当塾では重視してきましたのでその環境が整っています。その意味で社会人入試にも力を入れてきました。社会人入試と言っても、実はその基準は学校によって様々で社会人の定義も一様ではありません。社会人経験3年以上というようなところもあり、その社会人経験は会社などで勤務実績が必要なところもあれば、そうでもないところもあります。入試時期は秋から、12月くらいが多くあり、一般入試よりは少し早い時期にあります。試験は人物重視の入試と言えます。当塾はこの分野は最も得意とするところです。社会人でこれから看護師になることを希望される方は是非お問い合わせください。


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